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前回のつづきです。

視覚機能を、3つのステップからさらに細かく分類していきます。

ステップ1:入力(眼球運動)

①追従性眼球運動

動いているもの、文字や線を眼で追いかけることです。

動きがゼロのものも含まれます。

対象物を眼で捉えるためには、見たいものに視点を合わせることが必要です。

これができないと、途中で対象物を見失うことになりますね。(文字の読み飛ばし、ハサミの操作や折り紙が苦手な子は躓きがここにあるかもしれません。)

②跳躍性眼球運動

ある一点から別の一点へ、視線をジャンプさせることです。

ゆっくりではなく、すばやさが求められます。

身の回りのものから早く、正確に必要な視覚情報をキャッチするための運動です。(本を読む時に行や文字を読み飛ばしたり、板書が苦手、球技が苦手な子はここの躓きの可能性を考えます。)

③両眼のチームワーク

両眼を使いながら、近くのものを見る時は眼を寄せて、遠くのものは眼を離しながら焦点を当てることです。

距離感、立体感を掴むこと、物が二重に見えたりしないように調整しています。(よく物にぶつかる子、目が疲れやすい子はここの躓きかもしれません。)

ステップ2:視空間認知(情報処理)

①図と地を区別する働き

対象物(図)と背景(地)を区別する働きのことです。

目に入る情報を全て取り入れるのではなく、必要な情報だけをピックアップできるようになることで、例えば教科書のなかの特定の単語を探したり、いくつかの本の中から必要な本を探す力となってきます。(物をなくす、道に迷う、探し物が苦手なのはここに躓いているからかもしれません。)

ちなみに私の旦那さんは、ここが苦手です。

視覚情報の過多、過敏さにより処理追いついてないよ〜ってことがあります。

ただし、空間的位置理解に加えてWMや言語理解に優れているので、ここで補ってる感あります。

②形や色を把握する

眼から入ってきた情報を分析し、その形の輪郭や色を把握する働きです。

この働きにより、同色でまとめたり、形でまとめることができるようになります。(図形問題やおえかき・ぬりえの苦手さはここの躓きとも考えられます。)

③仲間を見分ける

物の大きさ、色、位置に左右されず同じ形を「おなじ」と認識することです。

「つ」と「っ」が同じであること、太文字で書いた「」も細文字の「わ」も同じであると認識できるのもこの力ありきです。(文字の形の覚えがよくなかったり、人の顔を覚えることが苦手な子どもはここが苦手かもしれません。)

④空間的な位置を把握する

眼で見たものを立体的に把握し、自分との距離感や大きさ、上下左右を認識する働きです。

物を掴むこと、避けることもこの力無くしてはできません。(人や物にぶつかる子、球技が苦手な子もここの躓きを確認します。)

ちなみに、私はここが苦手です。

物と物の空間的距離を認知できなくて、とにかく集中しないと動く物を避けられない。

ボールキャッチもかなり苦手。

図地弁別と仲間を見分けることは得意なので、予測で補ってますね。

ステップ3:眼と体のチームワーク(出力)

人は視覚情報をもとに体を動かすことがほとんどです。

私たちは、

  1. 眼で情報を得る

  2. 脳が判断、指令

  3. 体を動かす、という連動により適切に体を動かす

ことができます。

眼で見て体を使うこと。

  1. 赤ちゃんが、がらがらに手を伸ばす

  2. 触れる

  3. 音が鳴る、ママに手を伸ばす

  4. 触れる

  5. にっこり笑ってもらうなど反応を得る(ここがスタート)

このような快の経験を積み重ね、眼と体のチームワークを獲得していきます。

そして、自分の体を思い通りに動かすためにはボディイメージが必須です。

また出ましたね。

全ての中心であるボディイメージ。

体の部位、大きさ、動かし方、物との距離、運動企画する力がないと、眼で情報をキャッチできて、指令できても上手く連動できないんですね。(手先の不器用さ、ダンスや模倣が苦手な子はここを見てあげるといいかもしれません。)

私たちが普段、どれだけ眼を使っているかということが伝わりましたでしょうか?

落ち着かないのは、理由があります。

失くしものをするのには、理由があります。

手先の不器用さには、理由があります。

その行動を責めるのではなく、躓きに眼を向けることによって、何をしたらいいかが自ずと見えてきますね。

ていうか、「自分も躓いてない?」って思いますね。

もちろん、環境構成も大切、合理的配慮大切です。

さて、それに加えて私たち大人は、子どもたちのために何ができるでしょうか?

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