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大阪 北浜の老舗料亭『花外楼 (かがいろう)』は 「一見さん お断り」の高級料亭でした。

 🍱 老舗料亭「花外楼(かがいろう)」とは。
創業は1830年(天保元年)、大阪 北浜に本店を構える 日本料理の伝統と おもてなしの心を守り続けている老舗料亭です。

1875年(明治8年) 明治政府の要人である 大久保利通、木戸孝允、板垣退助、伊藤博文らが大阪 北浜にある料理旅館で会談を行った「大阪会議」。
その会議の場所が 現在の料亭「花外楼かがいろう北浜本店」でした。

⇩「花外楼かがいろう」の隣ビルにある 『大阪会議開催の地』レリーフ。

「花外楼」は『一見さん(いちげんさん)お断り』の高級料亭。 

お店の常連様からの紹介がない お客さま、つまり 初めての人(一見いちげんさん)は この格式を重視する料亭を利用することは出来ません。
常連さんの口利きがあって 初めて座敷にあがることが可能になるのです。

そして、お店とお客さまは 長きにわたる信頼関係を結んでいるため 食事後に支払いをしません。
つけ払い(=顔パスによる 後払い)による会食になります。

昔の「花外楼」は そのような ちょっと敷居が高い料亭でした。


私 以前、これまでの人生で「美味しいと思った 食べ物を3つ」あげるとしたら…。という note記事を書きました。

 これまでの人生で「美味しいと思った食べ物3つ」の中の1つに 大阪 北浜 花外楼の 『 クエ鍋 』をあげました。

・ 大阪 北浜 花外楼の 『 クエ鍋 』 
昔々、有名な老舗料亭で 自分が行けるような お店ではなかったのですが 会費を払って オマケとして一緒に連れて行ってもらいました。
その時に 初めて『クエ鍋』を食べました。
人生初のクエは美味で 歓喜に満ちあふれた瞬間を味わえました。


そして 土曜日のある日、ふっとインターネットのグルメサイトを見ていたら「花外楼」の紹介記事が載っていました。

そこには このように書いてありました。

🍱「お昼のメニュー」「ランチ営業時間」「ネット予約する」…。

ええっ!?

うそっ!!!!

最近では 企業の接待費の削減、議員さんの飲食費の開示、オープンな考え方をする外国人客の要望の増加、などにより 『一見さん お断り』は 減少する傾向になっていました。 

なんと現在、「一見さん お断り」だった高級料亭『花外楼』は 一般のお客さんでも利用できるシステムに変わっていたのです。

もう、目の玉が飛び出るくらいにビックリしました。

そして、すぐに お義母さんに電話をしました。

私が何気なく「オマケで花外楼に連れて行ってもらって クエ鍋を食べた話」をした時、「ぐるぐるちゃん、花外楼へ行ったことがあるの???」と驚かれたことがあったからです。

昔々 そのまた昔、お義母さんは大阪 北浜にある会社に勤めていていたそうです。

その時、近くにあった「花外楼」に憧れて「いつかは この花外楼で食事をしてみたい。」とずっと思っていたのです。

でも、花外楼は「一見さん お断り」だった…。

お義母さんに予約ができるという事情を話して「花外楼に行きませんか?」と聞きました。

その当時、お義母さんは 寝込むほどではありませんが かなり足腰が弱っていて 長時間の料亭での食事が苦痛になる可能性があったからです。

私の話を聞いて お義母さんは すぐに答えました…。


「ぐるぐるちゃん、私 絶対に行くわ!!」


話は あっという間に進んでいきました。 

この日は 土曜日だったので 翌日の日曜日のランチ予約の電話をしました。
(夜の会席は どうしようもない位に どえりゃ~高額でした。まぁ、昼の会席の お値段も半端なかったのですが…💦)

すると お店の方から「申し訳ありませんが、予約は 2営業日前までに承っております。 」と聞かされました。
(良く見れば お店の案内サイトにも そのように書いてありました。)

私、「分かりました。月曜日のお昼の予約をお願いします!」と言って 2日後のランチを予約しました。

もちろん 月曜日は会社の仕事がありましたが 正当な方法で対処しました。

そして お義母さんを迎えに行って 家族と一緒に 憧れの「花外楼」へ行ったのです。

大阪 北浜の老舗料亭『花外楼』お昼の会席

料理皿や お碗のデザインがとっても綺麗で 提供される料理の数々は 最高に美味しく、心のこもった おもてなしも最高でした。 

お義母さんは とっても喜んでくれました。


私、ここで お店の方に質問しました。
「予約が 2営業日前までになっているのは 食材の仕入れのためですか?」

お店の方は丁寧に答えてくれました。
「それもありますが、この料亭を予約される方は限られているのですが どれくらいの人数のお客様が来られるのか分かりません。そのため 宴を受け持つ人員を集めるのには翌日では無理なのです。」

やっぱり普通の お店とは違ってました。
お客さまに合わせたサービスをするための従業員確保のために 2営業日が必要だったのです。


素晴らしい 憧れの老舗料亭「花外楼」。

でも 「おススメのお店だから 皆さんも行ってみてください。」とは決して言いません。

なぜなら このような老舗料亭は 「良さそうなお店だから行ってみようか。」という気持ちでは行かない方が賢明だと思うのです。

「いつかは この花外楼で食事をしてみたい。」

「昔、食べた あのクエ鍋が忘れられない。」

私は、何かしらの憧れを持つ人が訪れることが 大切なお店だと思うからです。



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