和菓子が繋ぐ祖父との思い出
私は、和菓子が好きだ。
大福、お団子、最中、羊羹、どら焼き、カステラ、練り切り…などなど。
とにかく、和菓子という和菓子がみんな大好き。
コンビニのレジ横に和菓子が並んでいると、ついつい手が伸びてそのままお会計へ。家には常にひと口羊羹をストックしておくほどだから、我ながら筋金入りだと思う。
私の和菓子好きには、あるルーツがある。それは、今は亡き祖父の影響だ。
子どもの頃、私はよく祖父の家に遊びに行った。祖父の家には必ずと言っていいほど和菓子があり、大福やどら焼きがいつも用意されていて、私が遊びに行くとおやつとして出してくれる。それが当たり前のように思えていた。
しかし、祖父が亡くなった後、実母から聞いた話で真実を知ることになる。
当時の私は、祖父が和菓子好きだから家にたくさん用意しているのだと思い込んでいた。でも、大人になってから母にその話をしたところ、実は祖父はあまり甘い物が得意ではなかったと聞いて驚いた。
祖父が和菓子を用意してくれるようになったきっかけは、たまたま家にあったどら焼きを私が嬉しそうに食べたことだったらしい。
それを見て、「この子は和菓子が好きなんだな」と気づいた祖父は、私を喜ばせるために毎回和菓子を買いに行くようになったのだという。
その話を聞いたとき、祖父の優しさに胸が温かくなった。和菓子を頬張る私の姿を見て、祖父はどんな気持ちで笑っていたのだろう。甘い物が得意でなくても、私のために買い続けてくれた祖父の愛情が和菓子に詰まっていたのだと気づいた時、和菓子はただのおやつ以上のものになった気がした。
そんな祖父の影響もあって、今ではすっかり「和菓子好き人間」になった私。趣味のブログにも、和菓子の記事が登場する。
今年は、地元岐阜の名物である羽島市の「みそぎ団子」や、笠松町の「笠松隕石最中」を紹介した記事を書いた。これらの記事を書くために、複数のお店をはしごして食べ比べをするという熱の入れよう。自分でも、「ここまでやるのは、やっぱり和菓子が好きだからだな」と思う。
岐阜には、美味しい和菓子がまだまだたくさんある。来年は、もっと足を伸ばして和菓子巡りをしてみたい。どんな新しい味や物語と出会えるのか考えると、今からわくわくする。そして、そのたびに祖父との思い出をふと思い出してしまうのだろう。
和菓子は、ただ美味しいだけじゃない。私にとっては、祖父がそっと教えてくれた優しさの象徴だ。これからも和菓子を愛し続け、ブログでその魅力を伝えていきたいと思う。
きっと、祖父も天国で笑顔で見守ってくれているに違いない。