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2024年1月エジプト旅行記(4)~アブシンベル神殿~
2023年12月29日〜2024年1月5日に友人と二人でエジプト旅行した際の旅行記
滞在都市:カイロ ⇒ アスワン ⇒ ルクソール ⇒ カイロ
旅行当時の通貨レート:1エジプトポンド≒4.6円、1ドル≒142円
旅程
今回は1月2日の旅行記。5日目。
12月29日:20:30 成田発 → (飛行機 14時間半) →
12月30日:→ 04:00 カイロ着→ピラミッド観光
12月31日:市内観光、 19:20 カイロ発 → (寝台列車 約14時間) →
1月1日 :→ 09:00頃 アスワン着、市内観光
1月2日 :アブシンベル神殿観光、夜 列車でルクソールに移動
1月3日 :ルクソール観光
1月4日 :08:45 ルクソール発 → (飛行機) → 09:40 カイロ着、23:10 カイロ発 → (飛行機 12時間) →
1月5日 :→ 18:10 成田着 → 帰宅
早朝4時(頃)
アブシンベル神殿はアスワンから南西に300km、車で片道3時間の場所にある。アスワンを早朝出発して昼過ぎに帰ってくるツアーで訪れるのが一般的。私たちもプライベートツアーを利用した。
ツアーは友人がGetYourGuideで手配してくれた(本旅行のツアー要素は全部ここで予約した)。
多分このツアーだと思われる。エアコン付きの車にドライバーと英語ガイド、ランチがついて、二人で約26,000円。
朝4時ごろ起床し荷物を整えてチェックアウト。スーツケースを預け、かわりに前日依頼していたお弁当を受け取る。
パンとバナナ、リンゴ、フルーツジュースが入っていた。(余談だがアスワンの観光客は大体アブシンベル神殿へ行くので、どこのホテルでも朝食をお弁当に変更してくれる。)
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時間通りに迎えに来てくれたガイドの車に乗り込み、約3時間のドライブが始まる。
今回のツアーのスタッフは男性ドライバーと女性ガイドの組み合わせ。雰囲気からして夫婦だったのじゃないかと思う。ガイドさんは聞き取りやすい英語でツアー内容を説明してくれた。ドライバーさんはアラビア語オンリーでほとんど話さなかった。
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何もない荒野をひたすら走り続ける。
ネットはつながるときもある。
街中を出るとあとはひたすら何もない砂漠が続く。砂漠といっても、砂丘が広がる砂砂漠ではなく岩が転がっている岩石砂漠なのであまり見どころはない。
真っ直ぐ続く道路沿いに岩山があったり小屋があったり、学校で習ったセンターピボット方式の灌漑農業も見かけた。綺麗な円形に農地が広がっている様子は教科書通りだった。
車内でお弁当を食べた後しばらくはスマホを触っていたものの、いつの間にか眠っており気づいたときには目的地に到着していた。
アブシンベル神殿
大神殿
アブシンベル大神殿は紀元前1200年ごろに建造された、ラムセス2世(FGO的にはオジマンディアス)の神殿。建築王の異名を持つ彼はとにかく色々建造したらしく、エジプト旅行中色々な場所で名前を見ることになる。
その中でもこの神殿はラムセス2世の巨大な像があることで有名であり、エジプト人気観光地TOP5に入る(私調べ)。テレビでも見たことがあるため、私もかなり楽しみにしていた場所だった。
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写真だとただの丘に見えるが、かなり大きく存在感がある。
トイレは多分駐車場にしかないので要注意。1回10ポンド(≒46円)。入り口でトイレットペーパーの切れ端を渡される。
アブシンベル神殿観光は裏手にある駐車場から始まる。この先にかの有名な神殿があるのかと期待に胸を膨らませながら、巨大な丘を回り込んでいく形で10分ほど歩くと…
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徐々にラムセス2世像が見えてきた。しかし、背後の丘が巨大すぎていまいち像の大きさが掴めず、感動は少なかった。
ちなみに四体の像は全部ラムセス2世で、左から年齢順に並んでいる。
ガイドさんがその辺にいたエジプト人から説明用写真を受け取り、内部の見どころを紹介してくれる。ガイドは神殿内に入れないため私達二人だけで見てきてください、とのこと。
とりあえず記念写真を撮ってもらい神殿内部へ向かう。外は日光を遮るものがないのでとにかく暑い…
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中心にいるのはラーとホルスの融合体「ラー・ホルアクティ」
この神殿はアスワン・ハイ・ダムの建設に伴い水没する予定だったが、人類共通の遺産として保護するべきという考え方が広まり世界遺産条約誕生のきっかけとなった。その結果、神殿は丸ごと別の場所に移設され水没の危機を免れた。1960年代の出来事だ。
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移設する際はブロック状に切り出して運んだらしい。そのため、じっくりみるといたるところに切断跡が残っている。
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全部ラムセス2世の像だ。
神殿内部は混雑しており、他人が写らないよう写真を撮るのが困難。
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左からプタハ神、アムン・ラー神、ラムセス2世(神の姿)、ラー・ホルアクティ神
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年に2回朝日が至聖所に届くよう緻密に計算されている。
古代エジプトにおいて太陽は生と死を司り復活の象徴でもある重要な存在。死者の復活を信じてミイラを作る古代エジプトの死生観と神格化された太陽は、度々大洪水による被害をもたらし、またそれにより土壌を富ませるナイル川、毎日昇っては沈む太陽に影響を受けている(私調べ)
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馬の脚を増やして走っている様子を表現した世界最古のアニメーションとのこと。
ひとしきり見て回り写真を撮って満足した後は、外で待っていてくれたガイドさんと合流し、小神殿へ向かう。
小神殿
アブシンベル神殿は大神殿と小神殿で構成されている。先ほど訪れていたのはラムセス2世のための大神殿。隣には妻ネフェルティティのための小神殿がある。
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ラムセス2世がネフェルティティを挟む形で両サイドに像が配置されている。足もとには子供達の像がある。
こちらもガイドは内部に入れないため、私達だけで中に入る。
内部はいたるところに壁画があり、何かしらのエピソードが語られている。しかし、余程詳しい人でないとわからないと思う。私は途中から凄い以外の感想が出てこなくなった。
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ファラオはシンボルを強調した壁画が多い。
一通り見て満足し、ガイドさんと合流した。彼女は知らないおじさんと談笑しながら待っていた。
最後に神殿が沈む予定だったナセル湖を観光する。観光といっても眺めるぐらいしかやることはないのだが、その広さには圧倒される。対岸が見えないほどクソでかい湖で、とても砂漠の中にあるとは思えない。
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ナイル川をアスワンハイダムによってせき止めることでできたダム湖。ナイル川の氾濫を抑え水を確保する役割を持つのだが、一方で灌漑による塩害や下流への土壌供給不足などの問題も生じている。
アブシンベル神殿はエジプト南部の国境近くにあり、スーダンは目と鼻の先。もう少し行けば国境が見れるかも、などと話しながら帰路についた。
昼食
車で3時間かけてアスワンの街へ戻る。アブシンベル神殿の滞在時間は2時間弱だったにもかかわらず、往復の移動に6時間費やしたことになる。エジプトは何でもスケールがでかいのだ。
アスワンに到着した後は、ツアー提携の観光客向け大型レストランに案内された。ランチの時間だ。
13時頃のちょうどお昼時だったが広い店内に客はまばらで、韓国女子のグループと他数組程度しか見かけなかった。
メニューは最初から決まっており、ツアー料金に含まれている。ただしドリンクは別であり、外国人用の割高な英語メニューが用意されている。
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フムスとパンはどこで食べてもおいしい。
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まずくはないけど特別美味しいわけでもない。ツアー御用達のレストランなのでそんなものだろう。写真外のマンゴージュース 120ポンド(≒550円)は美味しかった。
エレファンティネ島
昼食後、町の中心部まで送り届けてもらいツアーは解散した。17時過ぎの列車でルクソールへ向かうのだが、それまで3時間ほど余裕があったためナイル川中洲のエレファンティネ島を探索することにした。
昨日夕食を食べたお店もエレファンティネ島にある。不思議な香りの香木と一緒に楽しむヌビアコーヒーが面白い店だった。
昨日と同じ船着き場から公営ボートに乗り島へ渡る。特に何か見どころがあるわけではないものの、素朴な田舎の風景が味わえる雰囲気の良い島で、(エジプトにしては)治安もよい。
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東南アジアの田舎感がある。
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あまり見るところはないといったが、島唯一(?)の観光地として、古代エジプトの生活を垣間見れる遺跡が展示されたアスワン博物館がある。私達はそこを目的地にして島内を散策していた。
すると、博物館まであともう少しというところで、カップ麺片手に食事中の青年が声をかけてきた(ポケモンバトルかな?)
彼いわく、「今日は博物館は休みなんだよ。でも僕は博物館の職員だから特別に中を案内してあげられるよ。1人200ポンド(≒920円)でどう?」とのこと。
観光地にありがちな詐欺師の常套句であり、この場合、実際は営業しているし関係者でも何でもない。しかし、ぼったくろうと企んでる以外に危険な雰囲気は感じずこちらも暇を持て余していたため、敢えて乗ってみることにした。何事も経験だ(ただし安全な場合に限る)。
青年に付いていき、明らかに入口ではない場所のチェーンを外して中に入れてもらう(そもそも屋外展示型の博物館なのでどこからでも入れそうではあったが)。
修復されずに放置された遺跡であろう瓦礫の上を青年がスタスタと歩いていく。私達も彼に習って瓦礫の上を歩く。歩きづらい事この上ない。
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青年は特に解説をしてくれるわけでもなく、淡々と進みながら見どころだけを指し示してくれる。しかし、どう見てもガイドブックと違う展示品だし説明の札も何もない。通路も歩行者用ではなく、地震で崩れた瓦礫の山という感じだった。
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青年はどうやら28歳らしい。今日は暇をつぶしがてら小遣い稼ぎでもしていたに違いない。
一通り歩けそうな場所を案内してもらい出口に着く。そして当然のようにチップを要求される。結構な額をふっかけられた気がするが最終的に100ポンド札(460円)で妥結した。
裏口から気軽に侵入できてしまう博物館の管理状況は気になるが、彼のおかげで貴重な経験ができた。この適当さがエジプトの良いところであり悪いところだと思う。
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残念ながら食べ物の類は何も持っていなかった。
再び島内散策を始める。特筆するものはないけれど、平和で雰囲気が良い。
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地図なき道を歩き、船着き場へ戻る。最後にヌビアコーヒーを飲んでからアスワンの街へ戻ることにした。
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昨晩とは違う店に入った。香木は提供されなかったが、コーヒーの中に細かい木片が入っており独特の香りがした。味はノーコメント。
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太陽が沈むナイル川西岸は死者の都。日が昇る東岸は生者の都であり、アスワンを含めナイル川沿いの古い街はおおむね東岸が中心地になっている。
列車
ホテルに預けていたスーツケースを回収しアスワン駅へ向かう。ルクソールまで列車で3時間ほどかかるため、道中物色しながらいくらか食料品を買い込んだ。今日は移動ばかりしている気がする。
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いかにも中等な雰囲気でとても良い。人がおらず買えなかった。
今日の列車は17時過ぎに出発する。カイロで乗り遅れそうになった寝台列車の轍を踏まないよう早めに駅に到着し、列車を探し始める。するとどこからともなく青年が現れ、私達のチケットを確認すると荷物を持って案内し始めた。後でチップを要求する気に違いない。しかし、アラビア語の読めない観光客が電光掲示板や放送を頼りに予約した座席までたどり着くのは実際大変なので、非常に助かった。
青年も列車の中は把握してないらしく他の乗客に色々尋ねながら私達の座席を見つけてくれた。チップとして20ポンド(≒92円)を渡し、座席につく。
席はボロボロで清潔感もないが、座れなくはない。
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列車は定刻通り出発した。エジプトの列車は意外と(?)時間通りなのだなと感心した。
ルクソール到着は20時頃。特にやることもなく観光の疲れもあったので、ゆっくり休憩することにした。ネットが使えるので暇つぶしには事欠かない。私はデュエルをして、友人はNIKKEに熱中していた。
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どうあがいてもビールには勝てない味
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本当に現地人しか行かなそうな店(英語は通じる)で買ったので不安だったが、味は良かった。お腹も壊さなかった。
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パイ生地風のパンをシロップに浸したような味だが、甘すぎるわけではなくちょうど良かった。
ルクソール到着
途中かなり減速した区間があり不安だったものの、列車は定刻通りにルクソール駅へ到着した。駅を出てタクシー勧誘攻撃を搔い潜りながら、予約していたホテルへ向かう。
私達が泊まるこのホテルは「地球の歩き方」にも乗っているだけあって部屋も綺麗。スタッフは親切だし、駅から10分程度と立地もよい。ツインルームで7500円程度と、料金も高くはない。
ただし、水回りだけはいただけなかった。細長い部屋にトイレ→シャワー→洗面台が並んでおり、手を洗うにも歯を磨くにもトイレとシャワーを横切らなければならないという変な間取りだった。濡れた床を歩かなければならないのはストレスだと思う。
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5階だがエレベーターが無いので苦労した。
ドア1枚隔てた向こう側がレストランになっている。レストランを経由しないと部屋に入ることも出ることもできない。この部屋、何か変。
チェックインを済ませ、夕食はホテルの屋上にあるレストランで食べることにした。夜9時頃にもかかわらず非常に賑わっており、料理も美味しく、雰囲気もよい。最高のレストランだった。
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タジンはどこで食べてもおいしい。友人はハンバーガーとフライドポテト。
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とろみのあるミルク風味のスイーツドリンク。冷めると固まるのでスピードが命。
お会計は1人250ポンド(≒1150円)。
食べ終えると早々に部屋へ戻り、寝支度を調える。屋外で夜風が寒かったこともあるし、何より連日観光で歩き倒しているため、23時にはもう眠くなってしまうのだ。心なしか体調も微妙だ。
明日は待ちに待ったルクソール観光。遊戯王の起源といっても差し支えない王家の谷や、様々な神殿が複合したカルナック神殿(光輝の大複合神殿)、外観が目を引くハトシェプスト女王の葬祭殿など、エジプト観光の見どころが詰まっている。ここまで大きなトラブルは起きていないので、明日も無事楽しめることを祈りながら床に就いた。
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一食分ぐらいのカロリーを消費している。
風呂場の排水栓が閉まっていることに気付かず水回りをビショビショにしてしまったことは秘密だ。
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