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挨拶のなぞ

先週末の話。

私は近所の河川敷の土手道を、友人に車いすを押してもらい散歩した。

天気はまさしく春日和で、土手道の片脇には菜の花が連続的に咲き乱れていた。

その土手道を進んでいくと、犬を散歩したお爺さんがすれ違う。

「こんにちはー」

こちらも「こんにちはー」

また向こうから、今度はいかにも運動系部活所属であろう女子中学生が走ってくる。

「こんにちはー」

こちらも「こんにちはー」

おや?まてよ。ここが河川敷ではなく近所のただの歩道で、こういったやり取りは無いぞ。このルール感はなんなんだ。

なんとなくそんなことを夕飯の焼きそばを食べながら思い出し、最近滅多に会話を交わさない妻に「どう思う?」と尋ねてみた。

「春の河川敷を散歩する人に悪い人はいないからでしょ」

極悪人でも挨拶くらいはする人はいると思いますが。

質問に対する答えにはなっていないが、空気の抜けた声で「なるほど、」と返してリビングを後にした。

結局、景色のいい場所では解放的になるんだろうねーと、心の中のリトル俺と話し合い納得。無事歯ブラシを済ませ、ベット上である。


春真っ盛りでございます。

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