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西葛西と蒲田の違いについて

西葛西は東京の中でもとりわけ品の無い街として私に記憶されているのですが、それにはちゃんとした理由があります。ありまぁす。

私は過去に一度だけ西葛西の駅に降りたことがあって、たしか20時か21時頃だったと思うのですが、駅前で待ち合わせ相手を待っているほんの10分程の間にキャッチと思しき男性が近寄ってきたのです。

彼は100点の営業スマイルで「お兄さん!今日はオッパイの方は」と言いました。用件は簡潔かつ、語尾を濁すことで生じる奥ゆかしい品のなさ。酒を飲んだ時にちょうど口に出したくなる「オッパイの方」の心地よさ(オッパイの方て何?)。この具合、伝わりますでしょうか。

蒲田ではこうはいきません。蒲田のキャッチは顔もどことなく澱んでいて、なんとなく非合法の匂いがするし、声のトーンもテンションも低いのです。かなり近づいてきてから「お兄さん、セックスの娘どうですか」とこう来る。怖いねん。

街としての若さの違いだったのか、街のヤクザ濃度の問題だったのかは分かりません。ただ、これはもうかれこれ20年近くも前のことですから、きっと今では蒲田も西葛西もスターバックスに次ぐスターバックス(*1)、デカパイ娘をトールとかグランデとか呼んじゃって、ショートなパイオツはキャラメルマキアート(*2)なことでしょう。

そういえば、先月蒲田と京急蒲田の間を通ったのですが、早朝ヤクザに並ばされたと思しきホームレスが行列をなしていたメンタルクリニックが潰れていました。あれは多分なんらかのシノギだったと拝察する次第なのですが、クリーンになってしまった蒲田を追われた彼らは一体どこに行ってしまったんでしょう。六郷土手(*3)??


*1 街の浄化段階がスターバックスによって推測できるという誤解。

*2 書いている本人も意味はよくわからない。

*3 草サッカーをやっていた頃、六郷土手のグラウンド近くに居たPちゃんというホームレスが、多摩川が増水した次の週から見当たらなくなったことを思い出している。行き場を失った全てのホームレスは最終的に六郷土手に集まり、そして死んでいくのだという誤解。さらに、六郷という地名がなんか仏教用語っぽくない?という妄念。

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