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僕のお正月がつまらないのはナゼか

お正月が楽しかったのはお年玉が貰えたからだろうか?うん、きっとそうに違いない。

たしかに僕はお年玉の額で親戚をランク付けするイヤな子供だった。1万円をくれたおじいちゃんの肩を揉んだ。3000円入りのポチ袋をくれたおじさんの言うことは真に受けなかった。

大人になるとこれがブーメランになる。お金をくれてやる立場になってバッチリ苦しむ。
若い時にもらったお金を、歳を重ねたら払うことになる。お年玉って年金の逆みたいだ。

とはいえ。ブーメランには戻ってきてるところ申し訳ないが、僕はお年玉をあげる可能性が低い。
僕の家系にはいとこが一人もいない。二人兄弟の弟も童貞なので甥や姪も存在しない。一族郎党みな非モテすぎる数少ないメリットだ。


余談だが、友達の芸人「竹内ズ」のがまちゃん(26)が、大阪に弾丸帰省するらしい。見た目の幼さのためか まだお年玉が貰えるそうで、交通費をさっ引いても収支がプラスになるから帰るんだと笑っていた。羨ましい。

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※がまの助



僕はお年玉行脚(お年玉目当てに親戚の家を回ること)で1〜1.5万円稼いでいた。ホクホクだったが、友達と比べると少ない方だった。

中高時代は、20〜30万円お年玉をもらってる子がウヨウヨいた。私立の学校だったこともあり、ちびまる子の花輪くんみたいなお金持ちの子がたくさんいたのだ。もらった金額を言い合う「お年玉マウントバトル」も開催された。

「10万!」「15万!」「20万!」「おれ30万!」みたいな。オークションと同じ景色だった。お年玉貰いすぎてた人は1000%性格が悪かった。

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大人になってみたが、お正月はあまり楽しくない。

おせちやお雑煮の味は分かるようになったけど。厳かさを味わいたくて初詣も行くようになったけど。なぜだろうか。


[仮説:お正月がパッとしない理由]

①お年玉がないから/正月イベントがないから
②ガキ使がないから
③家族と会っていないから
④お正月はここ数年ずっと働いていた。数年ぶりに家正月を迎え、お正月の感覚を忘れたから
⑤テレビをつけると芸人の友達や知り合いがたくさん出ていて引け目を感じるから
⑥非日常感が薄い

[検証]

①お年玉を含むお正月イベントが減った

さんざんお年玉のことを書いたけど、違うと思う。今ふと誰かに1万円をもらったとしても、少年時代の楽しさには到達できないだろう。

YouTubeでスパチャ(投げ銭)をいただくことがある。とてもとても有難いけど、その分頑張るぜ!と思うからお年玉とは違うんだろう。
完全に無責任なお金でなければお年玉とは言えない。

年賀状がないのはやや寂しいけど、復活したら絶対嫌だ。
書初め、羽子板、コマまわしなどお正月らしいイベントは一度も経験したことがないので関係ない。やったら楽しいのだろうか。ポケモンユナイトの方が盛り上がりそうだが。

しめ縄は100円ショップにあるものを飾ってみたが、心境に変化はない。


②ガキ使がないから

ガキ使見たかった。人生で初めて紅白歌合戦をオープニングから見た。年越しは一番興味のなかったジャニーズカウントダウンを見てしまった。
でも結局どの番組も面白かった。

③家族と会っていないから

「バキバキ童貞」のことは親戚一同も知ってるらしいので、帰省は難しい。ここ数年帰っていない。
しかし元々家族でお正月を過ごしたいタイプではないので違うと思う。


④お正月はここ何年も働いていて、久しぶりの家正月で正月を味わう感覚を失ってしまった

あるかもしれない。ブックオフの店長時代は「年末年始はお休み」という概念ごと剥ぎ取られていた。

12/31は世間は大掃除のため、店のキャパを超過した古本がお客様から運び込まれる。泣きながら査定する。1/1からはウルトラセールがあった。一年で一番ダントツで忙しい。

夜勤のコールセンター時代はもっと最悪だった。年越し間際に電話をかけてくる人って、意外だけど毎年いた。そして100%めちゃくちゃやばい人だ。

よく分からないクレームに平謝りしながら、電話越しに聞こえるテレビの歓声で年越しを悟ったものだった。

8年ぶりにお正月を家で過ごす。すこし不思議な気持ちだ。


⑤テレビをつけると芸人の友達や知り合いがたくさん出ていて引け目を感じるから

芸人はお正月こそ稼ぎ時だ。お笑い番組をみると、たいてい知り合いや友達が出演している。年末年始は若手も出演できるチャンスだ。

しかし自分はそこにはいない。テレビ仕事は0だ。YouTubeで「おっぱいみたいな餅を焼く」という動画を投稿するだけだ。

※おっぱいみたいな餅を焼きたい【バキバキ童貞】
https://youtu.be/kj-ADboNO-Q

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わりと面白い動画が撮れましたので、お正月からバキ童チャンネルを見ることに抵抗がなければご覧ください



一応、おもしろ荘は最終選考に行った。

二次選考で作家に「キモいネタいいね!ヒィ〜ってなる感じが良いよ」と褒められた。その気になってネタをさらにキモくブラッシュアップしたら、キモすぎてネタが変更になったりした。結果最終で落ちた。
徳原旅行にキモ落ちしたネタを見せたら「正月やぞ!!受かるか!!」と言われて異常さに気がついた。

とはいえお正月に仕事がないことを、正直そんなに嫌だと感じていない。ぐうたら過ごせて結構嬉しい。


⑥非日常感が薄い

いつも真面目に勉強してる学生や、勤労してる社会人が年末年始の非日常に癒される。お正月という"祝祭"の儀式に、日頃の心労を溶かすように羽目を外すから楽しいのだ。

いっぽう、僕たち芸人は年がら年中遊んでいる。
年中お正月だし"祝祭"なんだ。
そりゃあ年末年始だからとびきり楽しいなどとは感じられないだろう。
年の瀬の特別感は真面目に汗水働いてる人達のご褒美なんだ。

芸能人が正月にハワイに行ってたのは、もう南国くらい非日常じゃないと癒しを感じられないからではなかろうか。

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でも去年は桃鉄やってたから超楽しかったな。桃鉄が足りないのか。桃鉄やりましょう99年。





身に覚えのない慰謝料にあてます。