一番から解決しなくても~協議体活動情報共有から

 協議体活動の中で、コロナの中で活動をとめては行けない。逆に、できないときにこそ、動けるようになったときの準備をしておこう。と、いうことで、コーディネーターさんの提案もあり、高崎市1層協議体メンバーは、情報交換を定期的にしていました。

今回は、その中で、2層協議体の皆さんとの情報交換で出てきたお話。

なぜ3位の助け合いなのか

 高崎市内のひとつの2層協議体で、困りごとのアンケートをしました。
 これだけだと、普通のお話です。比較的どこでも、地域情報収集のひとつとしてやることです。
 ただ、アンケートをどうするのか、というのはなかなか。

トントントンカラリンの…カラっぽだー

 この歌の歌詞は、本当は、「となりぐみー」と続くのですが、これが、回覧板をまわす歌というのは、令和の時代だとどのくらいの方が知っているのか…。さらに、ニュースステーションという番組で、平成の初期に、このときに使われる映像の女の子は私です、という話題で盛り上がったのを妙に記憶しています。
 ちょっと脱線しましたが、回覧板で回す、というのは、定番のアイデアです。でも、回覧板は見てもらえない。だから、アンケートが回収出来ない。という結果も、定番のそれです。
 とはいえ…。回覧板は、もはや世帯全員が目を通すものではなくなっています。多分、回覧板がボストに入ったのを最初に発見した人がみるだけ。いや、機械的にお隣のポストに移動するだけで、中味を広げて見ない人もいるかもしれません。これが地域に無関心な世帯の一人が見た場合は、地域のアンケートはさらにスルーされます。
 地域社会の変貌を実感するお話だな、と実際のところ、感じます。
 私の回覧板の「班」でも、数日ためこむおたくがあるのは、もう、誰もが知るところ。順番的に後半の私は、回覧板がまわされはじめてから10日目くらいにくるので、回覧板に記載されている行事が終わっている、ということもしばしば。
 だからといって、町内の情報をメールでしろ、とは言いません。ても、回覧板という制度、考え治す時期なのかもしれません。
(あらためて綴りますが、それに対して、町内会の掲示板というのは、意外にチェックされているな、というエピソードもありますので)。

回覧板がアンケートに効果が低いならば

 そんな話題は、協議体同士の情報交換でも出ていました。だから、後発でアンケートをした協議体は、全戸ポスティングした、という地域も、高崎市で2層協議体の活動がはじまったときはよく聞かれました。ここは、小さい地域に区分して、2層協議体を作った武器があらわれています。さらには、回収も一戸一戸まわった、なんてスゴモノもありました。そう、アンケートは配って、回収する作業とセットでなければなりません。
 ここで、町内会組織との理解ができていると、民生委員さんがまわったついでにアンケートを回収してくれたり、区長、班長が一軒ずつ回って回収してきた、なんていう例もありました。
 協議体の活動と、町内会組織との関係性は、しばしば話題になります。本来、目的はいっしょなのだから協力するのが普通だと思うのですが、なぜか、ライバル心をいだいてしまう例があるのは、いつも残念に思います。

 と、アンケートと回覧板だけでも、いろいろな事情があり、地域差があり。これはまた、別の機会にふれるかもしれません。

高崎市のある2層協議体の「いいね」、のお話

 高崎市の中で、旧中仙道にそって町がひろがっている地域があります。その名残で、小学校区がさらに小さな地域単位で活動している地域がありました。
 この協議体でのアンケートは、「困りごと」の質問とあわせて「できること」の質問も同時に行ったという事例です。たとえば、「ゴミ出しにこまっている」は困りごとですが、もうひとつの質問に別の方が「ゴミだしのお手伝いならば、地域の中でできます」と、できることも書いていただくということです。
 地域情報の調査は、困りごとだけでは不十分です。何に地域が困っているのかを見つけて、それをどう解決するかも考えていくのが協議体の活動です。その趣旨からは、このアンケートの取り方はすばらしいな、と、当時(約2年前)私は思いました。

 そのアンケートの結果、ランキングしてみました。その結果、困りごと第三位であり、できること第三位だった、「ゴミ出し支援」をはじめよう、と一昨年に実践したのがこの地域でした。上記のように、協議体の中でもさらにこまかい単位で活動していた分だけ、支援が必要な人と、支援できる人をつなぎやすかった、ということもあります。こういう地域特性を活かすのも、協議体活動の特色であり武器です。それぞれの小さな地区の特性を活かすため、この協議体としては、大まかなガイドラインを作って、運営マニュアルの細目は、地区の特性にまかせた、というお話もありました。こういうのが、あるべき地域活動だよな、と思いませんか??

3位は小さいけれどできること。そして

 一昨年、このゴミ出し支援活動がスタートしたのですが、その近況が、冒頭に紹介した、1層協議体の情報交換の中で出てきました。

 ある民生委員さんの言葉がまず、紹介されました。

「なぜ、困りごと第一位の買い物難民について取り組まないで、3位のゴミ出しだったのか」

 「できること」のアンケートでも3位で、「ゴミだし支援」も「できること」の3位と、両方が上位にあったから、というのが、その理由です。短絡的かもしれませんが、できることと困り事の両方のランキング上位にあるものをマッチングするのは、第一歩としては大切ではないでしょうか。他方で、買い物支援は、いろいろな人、組織をまきこまないとできません。だから、すぐにできる支え合い運動とは言い難い部分があります。
 だから、まず、自分たちでできること。それは小さなことでもスタートして行くことが大切だ。そういう視点から、ゴミ出しを選択した、ということも、一昨年の情報交換のときにはあがっていました。

 でも、それだけでは、今回ここに綴る動機付けにはなりません。

つながりを産むつながりの種

 そして、ゴミ出し支援活動で、支えられる人と支える人、支える人がどうやって支えるかで、支える人同士が繋がる。出会って、会話をするうちに、「買い物も困っているんですよ」と、ボソって話題になる。それは、アンケートではなく、生の声の交換ができるという小さなささやきでも大きな物です。そうすれば、すでに関係性ができあがっているから、「それならば、ついでに今度買い物行ってくるよ」という会話に繋がりやすい。ほら、買い物支援の本質的な解決でしょう!!!

 行政や、2層協議体が、支え合いの場をつくったり提供するというのは、単なる自己満足かもしれません。
 むしろ、こうやって、地域住民が、自然な会話、営みの中で、(おそらく、当事者たちは、助け合い活動をしているとすら思わないほど自然に)始めていく。その場、可能性がふえる仕掛けをするのは、それは小さくても、とてつもなく大きくて強い力です。

3位のゴミ出し支援は、そういう展開が期待できることも選択した理由にあった。

と、いうのが、今回の情報交換会で紹介されました。

 いかにも支援しています。支え合いしています、というのは、疲れます。
 自然に、日常の中で、染み入るように普通にやっていることの積み重ねこそが、本質ではないかとわたしは考えています。

今回のまとめ(補足?)

「むずかしく考えないで、できることから始めよう。」

どころか、

 今やっていることに、支え合いは隠れて居ますよ。それに気づいて広めましょう。

 私は、そんな風に思いながら協議体活動にはまってます。

 自治体、地域でやり方は異なりますが、やってみよう、と思われた方は、是非、行動を起こして下さい。それは小さくてもイイ。参加する、という行為だけでも、大きな前進なのです。

画像は、みんなのギャラリーで「支え合い」で検索したところ、「寄り添うよ。向き合うよ。」という、ぴったりのタイトルの写真がヒットしたので、使わせていただきました。ありがとうございます。

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