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【実施報告】地域づくりネットワークを振り返る

地域づくり協議会事務局の田辺です。今回は、令和6年2月8日にオンラインで開催した「群馬県地域づくり協議会 令和5年度地域づくりネットワーク」について、レポートします。

この「地域づくりネットワーク」では、地域づくり団体同士、また地域づくり団体と行政とのつながりづくりを目的に、令和3年度から開催しており、今回が3回目になります。
当日は地域づくり団体関係者、市町村担当者など、総勢29名の方々に参加いただき、大盛況のうちに終了しました。それでは、当日の様子を振り返ってみます。

1. 当日の内容

(1) 第一部 発表団体プレゼンテーション

本協議会の運営委員のうち、代表の5名の方々に「地域づくり活動に対する想いや活動内容」について発表していただきました。
その概要は以下のとおりです。

1) 高崎わたしばなし制作実行委員会(発表者:亀田慎也 氏)
「高崎をよく知り、高崎をこよなく愛する人と、まちの記憶をたずね歩く」をコンセプトに、各界で活躍する高崎市民の方々にインタビューした動画をYouTube配信しています。
活動当初は、90歳以上の方々に、戦争体験を中心にお話を聞いて、当時の暮らしや街の様子、時代背景等を未来の世代に伝えていくことを目的に取り組みをはじめたこと。また、文字ではなく映像でしか残せない、語り手の声や佇まいを大切にされていることをお話しいただきました。

発表中の画面
亀田慎也 氏

2) 地域づくり団体未来塾(発表者:高橋由信 氏)
活動内容を動画にまとめて発表していただきました。
「自分たちの住むまちを自分たちの手で元気にしたい。ひとりでも多くの人たちと!」をコンセプトに、安中市で団体を立ち上げて35年もの間、活動されています。
フリーマーケット等の各イベント、自然保護活動を目的としたビオガーデン造成や流水池整備、原種フジバカマの育成等に取り組まれています。また、現在使われなくなった手動製麺機を整備し、よみがえらせて、展示会や試食会等を開催するなど長年にわたり幅広い分野で地域に根ざした活動をされています。

発表中の画面
高橋由信 氏(右)

3) ボランティア団体 信愛えんがわカフェ(発表者:臂 奈津恵 氏)
渋川市の食材を活かした子ども食堂の運営、パソコンクラブの開設、小学校から高校生までの学習支援、募金を集めて被災地への支援活動等に取り組まれています。「必要な時に必要なことをする」を信条に、多くのボランティアの方々と一緒に地域づくりに取り組まれている様子をご紹介いただきました。
「自分のできることを無理のない範囲で人と協力しながら行う」ことや「支援する側、される側の境界をなくす」等、活動する上で大切にされているポイントもお話しいただきました。

発表資料より
臂奈津恵 氏

4) 一般社団法人KiKi(発表者:岩崎大輔 氏)
桐生市と協力して行っている「移住定住支援」、都市部の大学生が地域の企業へのインターン支援をする「外部人材活用・関係人口の創出」、地元食材を使った新メニュー開発およびキャンプ場の指定管理をして誘客の増加に貢献する「地域施設の利活用」、また「養蚕」「養蜂」等、多岐にわたる取り組みをされています。
特徴は、団体を立ち上げた岩崎さんをはじめとした皆さんが、県外から桐生市へ移住して活動している「地域おこし協力隊OB」であること。“よそ者”目線で地域の課題を探っていき、そこから生まれてくる活動を大切にされていることをお話しいただきました。

発表資料より
岩崎大輔 氏

5) とねぬまた本気ミュージカル(発表者:鈴木誠 氏)
コロナ禍に団体を立ち上げ、利根沼田地域(1市1町3村)を広域的に盛り上げるため、地域として今まで馴染みのなかったミュージカルを開催しています。「みんなで本気で楽しむ」を共通目標にして、ミュージカル未経験の老若男女問わず多くの方々が、練習に打ち込み、少しずつ準備をして、本番の輝く舞台をつくりあげていらっしゃいました。
この活動を通じて生まれた出会いを大切に、今後は「利根沼田地域をミュージカルの街にする!」を目標に活動を続けていきたい。とお話しいただきました。

発表資料より
鈴木誠 氏

(2) 第二部 交流会

第二部は参加者同士の交流を目的として、前半は、参加者を3グル-プに分けた意見交換を行い、後半は全体交流という流れで実施しました。

1) グループ意見交換
第一部で発表いただいた方々にグループの進行役を担っていただき、各参加者から「自己紹介」と「第一部団体発表の感想や聞きたいこと」をお聞きし、その後、意見交換を行いました。
活動内容や分野、地域を越えて、参加者それぞれの「地域づくり」に対する熱い思いをお話しいただきました。どのグループも活発な意見交換が行われ、交流の場が盛り上がっていました。

2)全体交流会
グループごとに話し合った内容を進行役の方にまとめていただき、全体に向けて発表していただきました。
以下のような意見や感想が出ていました。
・皆さんの活動に対する熱量に圧倒され、志の高く前向きな言葉をいただけた。
・団体と行政との連携をどのようにしていくのか聞いてみたい。
・団体が自活していく仕組みづくりについて聞いてみたい。
・長く活動されている団体の皆さんが、とても楽しく取り組まれているところが印象的。そこに活動を継続していくヒントがあると思った。
・全体の意思形成、相違点をどのように乗り越えていくかを聞いてみたい。
・「担い手不足」という課題に今後どのよう取り組んでいくか、みんなで考えていきたい。
・この機会にできた繋がりを大切に、今後も交流や連携をしていきたい。

全体交流会の様子

閉会後も、参加者同士の連絡先の交換や意見交換等が行われ、終了時間いっぱいまで有意義な交流をはかっていただきました。

2.参加者アンケート調査結果

地域づくりネットワーク終了後、参加者にアンケート調査を実施した結果、以下のご意見やご感想が寄せられました。

  • 発表された皆さんの志の高さに驚きました。

  • 群馬県のあちこちで様々な事業が起きていることを直感的に感じることが出来ました。とても楽しかったです!

  • 行政職員の方にお勧め頂き、事前情報無い状態で参加させて頂きましたが、発表者皆さんの報告は大変素晴らしく、参考になりました。

  • 各地で活躍されている皆さんの「熱」を感じられました。

  • 様々な分野の活動発表が聞けて参考になりました。

  • 各地域に色々な団体があるんだなと思いました。

  • 地域づくり活動は、いろんな手法で取り組んで行かなくてはならないのだと痛感しました。

  • 会員の方の活動内容を知れたのはもちろんのこと、交流会をグループと全体の2段階で分けていただいたので、少人数でも意見交換できたのが良かったです。

  • 皆様、地域にコミットさせている姿勢に敬服しました。

  • それぞれバラエティに富んだ団体と内容で広く網羅されてよかったと思います。地域づくりの肝があり、学びました!

  • 各種団体の活動事例を見ることができて参考になりました。

  • 交流を図ることができて良かったと思います。

  • 1団体あたりの発表時間は短めでしたが、活動内容や思いなどがよく伝わってきました。

  • 他の団体の活動を具体的に知ることができた。課題や悩みなどが共有できてよかった。課題についての解決策など話ができると良いと思った。

以上、アンケート結果でも好意的な意見が多く、当日の様子からも当初の目的を達成することができたのではないでしょうか。また、今後、みんなで共有したい、話し合いたいテーマも、交流会のなかで意見が上がっていました。
そして、開催方法についても、オンラインではなくリアルを希望される声も多かったので、今後も検討を重ねながらこのような場を設けていきたいと思います。

最後に、今回、団体発表をいただいた運営委員の皆さま、そして、参加者の皆さまにはこの場を借りてあらためて御礼申し上げます。
ありがとうございました。

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