絶望的なオッサンを垣間見る大型スーパー閉店間際の飲食コーナー

岩田です。はてなブログの過去記事転載です。

大型スーパーの飲食コーナーってあるじゃないですか、スーパーで買った商品をそこで食べる感じで電子レンジなんかが設置されているコーナー。

そんな飲食コーナーはスーパーの隅っこにあってその先がトイレみたいな場所だったりするパターンが多いと思います。

食材を扱う場所とトイレの間に飲食コーナーを作って間仕切りする方式を誰が考えたのか知りませんが、私はあまり好きではないレイアウトです。

んで先日郊外にある大型スーパーの閉店間際の飲食コーナーで何とも言えない情景を目にしてしまいました。

飲食コーナーが設置されている大型スーパー遅番勤務の方は何か知ってるかも...

閉店間際、パンコーナー近くのイートイン

私の経験で申し訳ありませんが、大型スーパーの飲食コーナーって大体が焼きたてパンコーナーの近くだったりします。

そのパンコーナーの先か横ぐらいに飲食コーナーがあり、その奥にトイレがあるパターンばっかり。

これは焼きたてパンを購入して飲食コーナーで食べる流れを想定しているのでしょうかね、それとも肉や魚といっった生物の近くでは温度とかの問題が色々あるからなのでしょうか?

この辺の事情はさっぱり分かりません。

蛍の光

アンニョイな夜、大型スーパーにて。

このスーパーはPM10:00が閉店だったようでPM9:45ぐらいにスーパーinした時には蛍の光状態でした。

そんな時間に大型スーパーに立ち寄った理由はキットカットの苺がどうしても食べたくなったから、あれは大型スーパーじゃないと売ってません。

ジュワっと口の中に広がる苺がたまらんのですよ、でもこのスーパーでは取り扱いが無かった。

そうともなれば用はないのでクソして帰ろうとトイレに向かう先にあるのが飲食コーナー。

なんてことない普通の飲食コーナー、大体パンコーナーの近くにトイレ、何も考えずに向かうと飲食コーナーに生気のないオッサンがいました。

新聞を読むオッサン

グチャグチャの新聞をふんぞり返りながら読んでいます。

テーブルにはワンカップと食べ終わった何かの惣菜的なパックの殻、彼には蛍の光など全く関係ない雰囲気。

かなり汚れた作業着っぽい感じで顔は死んでいます。

刺身を食うオッサン

背中がめっちゃ丸まったこのオッサンは刺身を食べています。

たぶん、いや間違いなくスーパーで買った刺身を飲食コーナーで食べているのでしょう。

洗濯をしてない感じのTシャツを着ており、刺身を食べる顔は死んでいます。

レンジで暖めを待つオッサン

そのレンジで暖めているものは分かっています、それは私が一度手に取った300円ぐらいの中華丼、最後の弁当です。

閉店間際のラスト一点の弁当でえらく安いなぁ...と好奇心で手に取った中華丼、戻した瞬間に横から持っていったオッサンが彼です。

中華丼を暖めるオッサンの顔はみてないけど背中から伝わってくるものがあります。

無表情のパンコーナー従業員

トイレから出るとですね、新聞オッサンはそのまま、刺身オッサンもそのまま、中華丼オッサンは食べています。

中華丼オッサンはまだ分かるとしても新聞と刺身は固まっている感じ、そこには生きる男の生気が感じられません。

「ああ... なんか色々と見ちゃったな....」

なんて思いながら帰ろうとした時に目に入ったのが無表情の従業員さん。

多分パンコーナー係なんでしょう、彼は突っ立って無表情でオッサン達を見つめます。そして彼の目も死んでいる...

しかし私に気かがついた瞬間に「ありがとうございました」と頭を下げる。

その声には感情があり、あのオッサン達に向けられた無表情な目とは明らかに違います。

 私は客ではない

いやいや、私はキットカット苺が無かったので何も買ってない、買ってないくせにトイレで臭いクソをして帰るだけのオッサンです。

あのスーパーでは一円も使っていないし、おそらく二度と訪れることが無い地域の一見さん、ありがとうございますと言われても「ごめんなさい」としか言いようがありません。

対する飲食コーナーのオッサンたち。

新聞は多分ワンカップを購入しています。刺身も間違いなく購入、中華丼は確定です。

つまりオッサン三人はスーパーで買い物をしたお客様。

見た目は確かに小奇麗とは言えず、顔も死んでいるとはいってもこのスーパーにとっては私より上位のお客様なわけですし、そもそも私はお客様にすらなってません。

しかしパン係マンの態度...

無表情とは言っても笑っていない目は冷酷そのもの、そんな目で彼ら3人のオッサンを、見つめていました。お客様だというのに...

これはなんでしょうか?

蛍の光流してんだから早く帰れって事なのでしょうか?

営業時間が長引いたらその分帰るのおそくなりますもんね、早く家に帰りたいですもんね、でも飲食コーナーのオッサン達は帰る気配がないですもんね、そこは理解できます。

しかしパン係マンの目はそうではなかったと思う。

明らかにお客様であるオッサン達を迷惑な目で見ており、明らかにお客様でない私をお客様扱いする...

私が高そうなスーツでも着ていたのならそれも多少あるでしょう。

でも私がスーツを着る日はほとんど無し、この日もTシャツGパンスニーカーです。

これはスーパーの軽食コーナーといえど、社会の何かが歪んでいるようにしか思えません。

帰る場所があるのだろうか?

このオッサン達、新聞は酒を飲んでるから自転車か徒歩なのでしょう。刺身と中華丼は車かもしれません。

実際に話したわけでもないからオッサン達がどのような環境で生活しているかなんて想像でしかありません。

ただ、もしかすると、パン係マンは彼らの事をほんの少しは知っている可能性があります。

んで私の想像...

彼らには帰る場所があるのだろうか?

ブログで匿名とはいっても中々発言しにくい内容です。

もし気に触るようでしたら申し訳ありません、この時点で謝罪しておきます。

何となくですが、新聞は帰る場所がある感じです。

それが一人暮らしなのか、家族に煙たがられて帰りたくないのかは分かりませんが時間つぶしのように思えます。

問題は刺身と中華丼... 車で5分ぐらいの場所に牛丼屋があり、私はそこで食べてデザートのキットカット苺味計画だったんです、閉店間際のスーパーの飲食コーナーで食べようとは考え付きませんでした。

でも彼らはココを選んでいる。

しかも多分...初めてじゃない。

それは単純に牛丼的なチェーン店が嫌だ...ではないように思えます。

閉店間際のスーパーにおける惣菜や弁当は凄く安いはずです、それは中華丼が280円だったことからも分かる。

こんな記事を書いているとネットで有名になった漫画のワンシーンを思い出します...

45年必死に生きてきた結果

グーグル検索で「45年間必死に生きてきた結果が...これなのか?」とすると出てきます。

漫画のタイトルは分かりません... が、有名なワンシーンです。

そしてこのワンシーンは男の心に深く刺さります。

これは男、それもきちんと大学を出て就職してそれなりの人生を歩めている男にはちょっと分からない世界かもしれません。

ただ転職が一般的になった社会、中高年のリストラが目に見える社会において一度レールから外れた人生で失敗が重なるとこんな感じになっちゃうのか?といった想像をかき立てるワンシーンです。

そしてこのワンシーンだけを見れば、ここから人生を立て直すのは不可能のように思えます... 見たくない未来ってやつです。

更に厳しく見たくない未来があるとすれば、この先にあるのは孤独死なのでしょうか?

同じ男として、オッサンとして、心をえぐるワンシーン、もちろん私もレールを外している側に立っています。

 私が見たのはタマタマなのか?

人生がどうにもならなくなったら生活保護やホームレス

これは口に出さずとも社会に出ている男なら心のどこかに存在する気持ちだと考えています。

その先にあるのは本当の終了でしょう、ただそこまでは考えたくないと思えるのも私が40代だからなのかもしれません。

これが50、60になればまた考え方も変わってくるかも...です。

んで私が見た閉店間際のスーパーの飲食コーナー... これはタマタマだったのでしょうか?

それともスーパーで働く人にとって「あるある」なのでしょうか?

私としてはタマタマであって欲しい。

最後まで読んでいただき、本当にありあとうございました。

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