見出し画像

2021 千葉ロッテマリーンズ 選手採点で振り返り〜投手編


 2021年の千葉ロッテマリーンズは、67勝57敗19分で2年連続2位、2年連続CSファイナル敗退、ビジターでのクライマックスシリーズは10連敗(1分)という、今や短期決戦に強いロッテなんて見る影もなく、散った。
 今シーズン、CS含め約140試合をテレビでリアルタイム視聴した僕が、独断と偏見を踏まえて、支配下選手個人個人を100点満点で採点をしてみた。
まずは投手編

投手

11.佐々木千隼(27) 95点

1軍成績 54試合 57回 1.26 8勝1敗1S 34HP

 いきなりだが、今季の投手MVPと言って差し支えないだろう。開幕一軍を掴み、大差やビハインド時の登板から結果を残し、唐川離脱後から絶対的な8回の男として君臨。清水優心のホームラン、大下のホームラン、太田椋のホームラン、V逸決定試合での敗戦投手など、打たれた試合の方が思い出してしまうのが、安定感抜群だった証拠。この男がブレイクしていなければ、Bクラスも有り得たであろう。

12.石川歩(33) 78点

1軍成績 12試合 80回 3.38 6勝3敗 2完投 7QS

 シーズン中盤にクリーニング手術を受け、今季の復帰は厳しいかと思いきや、9月に復帰。それ以降は6試合5QS。本当に頼もしかった。優勝争い佳境の10月は0.78 3勝0敗と無双。小島が10月に勝てなかった多分を石川が完全に補ってくれた。石川がいなければ2位死守も厳しかっただろう。それでも、シーズン通して働いた訳では無いのでこの点数。

15.美馬学(35) 32点

1軍成績 21試合 115.1回 4.92 6勝7敗 11QS

 当然、誤算の1人だろう。DeNA戦と巨人戦の2試合連続2桁失点。そしてソフトバンクにコテンパンなのに6試合も投げさせたこともあり、それ以外の球団からは一定の数字は残してるのだが、総合的に悲惨な成績に。10月の西武戦、CSファイナルの登板などは頼もしさを感じたが、せめて昨年と同じ成績を残していればと思うと、大誤算の1人だ。あまりにも印象が悪すぎる試合が多い。本当は32点もあげたくない。

16.種市篤暉(23) 採点不可

1軍登板 なし

 昨年トミージョン手術を受けた影響で今季は登板なし。昨季開幕後はエースとして働いていただけに、復帰が待ち遠しい選手NO.1だ。

17.佐々木朗希(20) 88点

1軍成績 11試合 63.1回 2.27 3勝2敗 5QS

 投げる度に進化する、文字通り"怪物"。中10日以上の間隔を空け、球数もほとんどの試合で100球未満と大事に起用し続け、後半戦は無双状態に。中6日も解禁し、CS開幕投手で159kmを計測。四球で崩れることはなく、大事な場面で三振を取れる、打者を圧倒する投球を見せた。想像を遥かに超える早さでチームのコアに。来季開幕投手最有力候補だろう。マリン初勝利を。

18.二木康太(26) 24点

1軍成績 22試合 117回 4.38 5勝7敗 9QS

 投手陣大誤算NO.1だろう。昨季後半に大活躍し、今シーズンは文句なしの開幕投手。開幕戦こそ敗れたが、4月は月間防御率0点台を記録するも中々勝ちがつかず。その後は9月を除いて月間防御率4.50超えという体たらく。テンポよくアウトを重ねていても、1つの失投であっさり失点。被本塁打24は堂々の12球団トップ。5回〜6回を60球〜75球で3〜4失点で降板することも多かった。かつての躍動感はゼロ。来季は背水のシーズンだ。

19.唐川侑己(32) 66点

1軍成績 38試合 36.1回 2.72 4勝2敗 26HP

 今季も開幕から8回に君臨し、抜群の安定感でホールドを量産。しかし6月に離脱し復帰に3ヶ月を要した。復帰後も接戦で6回や7回を任されたが、痛打も目立ち、オリックス戦での大爆発により防御率も一気に2点台後半に。今季も登板40に届かず年間通して1軍に帯同はできず。それでも貢献度は素晴らしいものがあった。

20.東條大樹(30) 14点

1軍成績 5試合 3.1回 5.40 0勝0敗 1HP

19年20年と、右のリリーフとして存在感を見せ、特に20年の後半はチームトップの安定感を誇っていた。しかし今季は開幕一軍を逃し、4月に昇格したが結果を残せずまさかの5試合登板に終わる。年齢的にも、一軍でこの成績は厳しいものがあり、採点もかなり厳しめにした。巻き返しを。

24.東妻勇輔(25) 75点

1軍成績 37試合 34.1回 2.88 1勝0敗 5HP

 6月に初昇格後、与えられた役割で結果を残し、閉幕まで一軍で一定の数字を残した。火消しの役割で存在感を見せ、大量リードorビハインド時は試合の締めくくりも担った。数字以上に、痛恨の一発の悪い印象が残ってはしまったが、ある程度の評価はしてもいいのではないか。

27.山本大貴(26) 13点

1軍登板なし

 20年は、左のリリーフやロング要員として一軍で長く帯同し、今季更なる飛躍が期待されたが、一軍登板なし。来季は正念場だ。

28.松永昂大(33) 0点

1軍登板なし

 かつてはロッテのリリーフといえば益田松永の二枚看板と言って差し支えなかった。セルフ戦力外未遂から迎えた今季、一軍どころか二軍でも登板はなかった。1点も与える理由はないだろう。さらには日本シリーズ最中に戦力外通告、育成契約が発表された。彼のプロ野球人生はこのまま終わってしまうのだろうか。。

29.西野勇士(30) 90点

1軍登板なし

 登板なしの選手に異例の高得点となってしまった。20年6月にトミージョン手術を受け、10月のフェニックスリーグで待望の実戦復帰。来季の完全復活が待たれる。

30.石崎剛(31) 0点

1軍登板なし

 阪神時代には侍ジャパンにも選ばれた剛腕投手だが、トレード加入したロッテでは戦力にはなれず、戦力外通告を受けた。

33.南昌輝(32) 100点

1軍成績 1試合 0.1回 0.00 0勝0敗

  伊東帝国の一員としてブルペンを支えたリリーバー。18年に黄色靭帯骨化症を発症し、その後見事に一軍復帰は果たしたが、惜しまれつつ今季での現役引退となった。しかし引退登板では、二木康太より素晴らしい真っ直ぐを投げていた。第2の人生も応援したい。

34.土肥星也(26) 18点

1軍成績 1試合 2回 13.50 0勝1敗

 佐々木朗希の登板回避により、まさかの先発となったソフトバンク戦で、案の定炎上。申し訳ないが、おそらく今季の全試合で、試合前の時点で勝てないと確信した1番の試合であった。山本大貴同様、来季は正念場だ。

35.鈴木昭汰(23) 53点

1軍成績 23試合 79.1回 4.08 1勝4敗 1HP 5QS

 早川隆久の外れ1位として入団した期待の大卒左腕。開幕ローテを掴み、開幕直後はエース級のピッチングを見せ期待を抱かせたが、無援護に無き、シーズン通してまさかの1勝。シーズン途中からは、谷間の先発、敗戦処理、ロングリリーフと大卒ドラ1らしからぬ便利屋起用に。お世辞にもロングリリーフがハマったとも言えず、来季からセットアッパー本格転向か?

37.小野郁(25) 58点

1軍成績 49試合 51.1回 3.48 0勝3敗 8HP

 移籍2年目の今季、開幕から勝ちパターンとして7回や8回に積極的に起用されたが、全く結果が出ず4月時点防御率が10点を超えていた。5月と6月は抜群の安定感で成績こそ落ち着き、最終的にも見栄えの悪くない成績を残せたのだが、やはりガチャ的登板の要素が強く、安定感を欠き、シーズン終盤は完全に首脳陣の信頼を受けていなかった。来季こそ、殻を破りたい。

41.成田翔(23) 22点

1軍成績 3試合 3回 0.00 0勝0敗

かつて侍ジャパンにも招集された期待の左腕も、今季も1軍登板は増えず。2軍成績は良かったが、上位争いする1軍からお呼びがかからず。そろそろ結果を残したい。

42.ハーマン(37) 38点

 1軍成績 45試合 43.1回 5.19 1勝1敗 25HP

 今季も開幕から7回や8回の勝ちパターンを任されたが、昨季のような安定感は影を潜め、開幕カードで2試合連続救援失敗で開幕5連敗の要因に。25HPこそマークしたが、大量失点も目立ち、防御率は来日以来ダントツワーストに。どの場面でも文句を言わず投げる姿は流石だったが。。

43.小島和哉(25) 81点

1軍成績 24試合 146回 3.76 10勝4敗 3完投 2完封 13QS

 開幕から暫くは、昨季同様安定感とは程遠いピッチングに終始。防御率も4点台後半だったが、9月以降に覚醒。3完投2完封などでプロ初の2桁と規定投球回に到達。チームを牽引した。とはいえ最終盤の10月は、好投するも痛恨の一打も目立ち、1勝しか挙げられず。防御率は序盤の不振もあり昨季の3.73を上回った。来季は痛恨の失投を減らし、防御率2点台を。

46.岩下大輝(25) 73点

1軍成績 23試合 120回 4.43 8勝8敗 1HP 10QS

 開幕から試合を壊すことなくローテを守り、前半戦だけで8勝するなど、エース級の活躍で、一時は山本由伸や髙橋光成と並び最多勝の争いにも加わった。しかし中断明けはまさかの0勝で2桁にも規定投球回にも届かず。1年間投げ続けるスタミナ、長いイニングを投げるスタミナ、それぞれをさらに鍛えて、来季こそ2桁と規定到達を。CSファイナルでの力溢れる投球が光明。

47.田中靖洋(34) 68点

1軍成績 38試合 33.2回 4.54 1勝2敗 11HP

 昨年の手術の影響で、登板機会は多くなかったが、頼りになるベテランで、開幕からブルペン待機で時には火消し、時には6回や7回のホールドシチュエーションで登板し、難なく抑えてというのが9月途中まで。そこまでは防御率1点台前半をキープしていたが、9月のほっともっとでサヨナラ打を喰らった辺りから突如安定感が消え、10月はまさかの防御率20.25。シーズン防御率はまさかの4.54と大爆発。それでもなくてはならない存在なのは間違いなかった。

48.中村稔弥(25) 43点

1軍成績 14試合 38回 3.08 0勝2敗

 先発、ロング、敗戦処理と様々な場面で起用されたが、防御率3.08相応の安定感はなく、0勝に終わった。小島に差をつけられたが、それでも貴重な左腕であることは変わりなく、来季こそ殻を破れるか。

49.本前郁也(24) 62点

1軍成績 8試合 37.2回 4.78 1勝2敗 1QS

 シーズン前に支配下登録され、先発の6番手として開幕ローテ入り。プロ初登板で5回4失点ながら打線の援護に恵まれ、チームのシーズン初勝利をプロ初勝利で飾った。その後も谷間でチャンスを貰うも、その1勝に留まり、QSも1度のみ。スタミナと安定感を身に付け、来季はさらなる成長を。

52.益田直也(32) 82点

1軍成績 67試合 64.1回 2.24 3勝6敗38S 3HP

 押しも押されぬ絶対的守護神。接戦が多い故に登板はリーグ最多。9回に味方が追いついた後に、同点の場面であっさり三凡で片付けるという試合が何度もあった。独走で最多セーブのタイトルも獲得。しかし、例年に比べて同点の場面の登板が桁違いに多いとはいえ、6敗は多すぎた。打たれた場面も悔やまれる攻め方も目立ち、もう少し何とか出来なかったかと悔やまれるシーンが多かった。残酷だが、益田の6敗がせめて半分にでもなれば、そして、9/30のあの1発さえなければ優勝出来たかもしれない。

56.中森俊介(19) 80点

1軍登板なし

 高卒1年目の今季は、しっかり体作りに励み、2軍でも登板はなし。秋のフェニックスリーグで実戦経験を積んだ。今後に期待大だ。

58.河村説人(24) 84点

1軍成績 20試合 41.2回 3.46 4勝1敗 1QS

 ルーキーの今季は開幕から一軍で主にビハインドや大量点差でチャンスを貰った。その後2軍落ちで先発調整し、プロ初先発から無傷の4連勝。長いイニングこそ投げられなかったが、試合を壊したことは1度もなく、もっと先発登板をさせるべきだっただろう。消化試合となった日本ハム戦で5回1失点で負け投手となったのは残念だが、来季のさらなる活躍に期待。

60.横山陸人(20) 76点

1軍成績 10試合 9.2回 4.66 0勝0敗

 サイド気味から投げ込む直球が魅力の高卒2年目右腕。シーズン序盤に、大量点差の試合でチャンスを貰い2桁登板。ソフトバンク戦の4失点の影響で防御率は高かったが、イニングを上回る奪三振を記録するなど、大器の片鱗を見せた。楽しみな逸材だ。

62.永野将司(28) 0点

1軍登板なし

 貴重な中継ぎ左腕も、今季は1軍登板なく、戦力外通告を受けた。

64.大嶺祐太(33) 26点

1軍成績 8試合 11回 4.09 1勝1敗 1HP

 トミージョン手術を経験し、育成契約から這い上がったベテラン右腕。今季は1軍で復活勝利を記録するなど、5月〜6月に存在感は見せた。しかし中継ぎ事情もあり1-1の8回に登板した巨人戦で4失点炎上。その後交流戦明けに1試合登板した後は2軍暮らしとなった。そして日本シリーズ最中、残念ながら戦力外通告を受けた。

65.古谷拓郎(21) 15点

1軍登板なし

 地元千葉の星。球界屈指の雨男だが、昨年無事に1軍デビューを果たし、順調にステップを踏んでいるかと思ったが、今季は1軍登板なしに終わった。まずは来季こそ"マリン"で先発を。

69.土居豪人(21) 71点

1軍成績 14試合 14.1回 7.53 0勝0敗

 高卒3年目の今季は開幕から1軍に帯同。勝敗を左右する場面での登板はなく、防御率はかなり高かったが、貴重な経験を積むことが出来た。来季はさらなる成長を期待。

76.フローレス(32) 46点

1軍成績 10試合 13回 1.38 1勝0敗 1HP

 保険的な意味で今季もチームに残った格安助っ人。外国人枠の関係でなかなか出番が訪れなかった。頑なにハーマンと入れ替えなかった采配は今季の謎の1つと言えるだろう。

91.ロメロ(30) 86点

1軍成績 4試合 23.1回 1.54 1勝0敗 3QS

先発の救世主としてシーズン途中に入団。期待通り、いや期待以上のピッチングを披露し、チームの先発陣に好影響を及ぼした。9/5の日本ハム戦7回1失点の熱投は感動もので、あの試合きっかけでチームの先発陣が軒並み好調になったと言っても過言ではない。だからこそ、4試合投げただけでシーズンアウトは本当に残念でもあり、厳しかった。来季はシーズン通して、チームを支えて欲しい。

92.国吉佑樹(30) 85点

1軍成績 25試合 25回 1.44 2勝0敗 19HP

 中断前にトレード加入し、中断後から1軍へ。首脳陣の期待を胸に、即勝利の方程式入。相変わらずの制球難で、ランナーは出しまくるものの、要所で0に抑えるシーンが目立った。9月の大躍進の原動力で間違いないだろう。ただし、WHIP1.40で防御率1.44は出来すぎ感は否めず、来季成績を落とす不安要素は高い。

投手総評 45点

 MVPは佐々木千隼だ。彼のブレイクがなければと思うと、恐ろしい。おそらくBクラスだったのではないか。誤算は二木康太と美馬学。こちらも異論は無いだろう。総合的に先発陣の強化は必至だ。CSでは軒並み先発が仕事はしたが、6回2失点で"試合を作る"だけでなく、"チームを勝たせる"ピッチャーが1人でも出てきて欲しいものだ。

続いては野手編へ〜

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?