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感覚

3時50分。布団の中から早めのおはよう。

靴下を二枚重ねて履いている感覚が嫌で脱いでしまった。うつ伏せで書いているため布団からはみ出た上半身は、うすら寒い。

雨が降っている。強く屋根や窓に中る雨音から物語るべくはなにもない。

今日はたった一人の、じぃちゃんの命日だ。少ない親戚が集まるらしいが膝を壊しあまり歩けない私は参加しない。バスなら行ける距離ではあるがバス停から歩かなくてはならない。

苦手なのだ、明るい装いをするのもされるのも両方。親戚たちは私の本当の病気を知らない、母すらきっと忘れているかもしれない、ラピッドサイクラーだと云うことを。知らなくとも気にはしないが、無理に気を使われるのも嫌なので。

お盆は今まで無縁だったが、じぃちゃんが縁を結んでくれた。人が居なくなる感覚を教えてくれたのもじぃちゃんだ。たった一度だけ誉められたこと、それは嫌いな人が私にいないと云うところ。
一時は心底イヤな奴が居たりもしたが、どうでも良くなった。どうでも良いから嫌いな人が居ない感覚に戻れたのもなにかの縁だろう。

じぃちゃんが教えてくれたことを思い出せて良かったと思う、お盆。雨はまた止んだ。

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