2023年12月の短歌
毛布に挟まって寝る。
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[12月4日]
あの駅のホームで君に出会えたら話したいことたくさんあるよ
来年のふたりはどんな輝きだろう 幾つもの夜を過ごして
[12月7日]
この夜の星に願いを懸けといた きみがゆっくり眠れるように
[12月8日]
こたつに潜ってうたたねすれば このつめたい夜だってひとっ飛び
みかんをいっぱいたべたから、指がみかん色になる、そういう季節
とりあえず今日は湯船につかったら電気毛布の力も借りる
[12月14日]
わたしね、きみから困難を取り除く神様になりたいんだった
背中の熱を感じて、君がここに生きていると、この身体で知る
ごうごうと大きな波がうねってる この夜の船は小田原行き
[12月16日]
世界は美しい気がしていたけど恋が散ったらそうでもないな
[12月22日]
コンタクト、左の目から家出した 右の目を頼りに街をゆく
やむを得ずウインクをして歩き出す 別れは突如、電車の中で
[12月25日]
オレンジのライトが照らす沼津駅 午後4時半のイルミネーション
[12月29日]
帰還した熱い身体を抱き締める、優しい微笑み聖母のよう
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