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【書評】売れないパン焼き機をヒット商品に仕上げた秘策からみる「行動経済学」

私が、読み潰すほど何度読んでも毎回発見と気付きがあるというバイブル「予想どおりに不合理」という本をご紹介します。

ダン・アリエリーによる著。「行動経済学」の分野に関する書籍です。
「行動経済学」とは、経済行動に大きく影響しているにもかかわらず、これまで無視され誤解されてきた人間の不合理性を研究している学問分野です。勉強嫌いな私がこの「行動経済学」の虜になったのは、これまでの職歴が起因しています。

<「行動経済学」への興味は必然だった?>
デジタルマーケティングに関与し始めた頃、当初は、バナー広告やリスティング広告、アフィリエイト広告といった、いわゆる「枠売り」をしていました。
しかし、大師匠のMUSB宇佐見さん・関橋さんと出会い、コミュニケーション戦略そのものを目の当たりにしてから、「マーケティング」の奥深さにのめり込んでいきました。
お二方に多大なご協力をいただいて実施したプロモーションが、TIAAのインテグレーテッドキャンペーン部門で銅賞を獲得できたという経験が最大の原因だと思っています。
お二方には、本当に感謝いたします。

それからは、マーケティングに関する情報を貪りながら、帰納と演繹を繰り返し、ひたすらに「モノが売れるプロセス」を考えていきました。
ですので、「モノが売れるプロセス」から「モノを買うプロセス」への興味転換は、ある意味必然的な流れでした。

「モノを買うプロセス」を解読する一つに「行動経済学」という突破口をみつけ、上記でご紹介した書籍以外にも、もっとアカデミックな書籍から、ライトな書籍までジャケ買いしまくったのですが、オススメは前述の「予想どおりに不合理」という書籍です。

今日は、この一部を抜粋しながらメモります。

<売れないパン焼き機を売る秘策>
もしあなたが、このパン焼き機のメーカーだったらどうしますか?

価格を下げる?
おまけをつける?
試供機をバラ撒く?
もっと消費者に受け入れられる機能を追加する?
大々的な広告宣伝費をかける?

色々と対策は考えられると思いますが、このメーカーが打ち出した秘策は、
「当初の機械よりも大型で値段も1.5倍もする新モデルを開発して売り出す」というものでした。
全く売れない製品に、上位モデルを追加投入するという、一見荒技ともとれる秘策です。

結果、当初の小型モデルのパン焼き機が飛ぶように売れるようになったのです。

<この秘策から見る「行動経済学」理論>
大型高価な新モデルの登場により、消費者は・・・「パン焼き機のことは良く分からないけど、良さそうだし、どうせ買うなら小さくて安価の方かな」という具合に「選択」を行って、「選ぶ(価値を見いだす・定義する)」という行動に出たのです。

おかげでパン焼き機が売れるようになったという話です。

ここで気づいていただきたいことは、人間は合理的に選択をしているようで、実は意外と不合理に(安易な方法で)選択するということです。
今回のパン焼き機は、消費者の「相対的選択」を促した秘策と言えます。

更に、この時代のパン焼き機は、それ自体が「これまでに無い価値」の製品だという点にも注目いただきたい。
「これまでに無かった価値」だからこそ、「相対する他の価値」を設定する必要があったのです。

人が選択する際の価値観って、「大きいよりも小さい」とか「赤より青」とか「ポイントをもらうより、その場で現金値引」とか、意外と単純で分かり易い(自分で納得し易い)価値観に頼っていくという不合理な面が往々にしてあるようです。

みなさんのサービス・商品を購入いただくための「価値観づくり」って、戦略的に設計されていますか?ぜひ一度、再考してみてくださいね!

余談ですが・・・
1 to 1 の営業さんも、この「相対性」を利用した営業トークをしますよね?
以前から、1 to N のマーケティング戦略も、個人営業も、元は同じ理論が通じると思っています。
※私も大学新卒の最初の会社が、実はシロアリ消毒の営業だったんですw 悪徳じゃないですからね(汗)
なので、その時の個人営業のスキルが、そっくりそのまま、今のマーケティング戦略立案に活かされてたりします(ぶっちゃけ)


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NIKKO→外資系ベンチャー日本支社立上げ→イノーバ執行役員→NewsPicks 広告営業部統括「教育を変える」おっさん起業家。マーケティング、マネジメント、チームビルディング、経営、教育、雇用を変えたい「志」で生きてます。