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八ヶ岳にホテイランとツクモグサを見に行きませんか?

 八ヶ岳は長野県で人気の名峰です。関東からは日本アルプスに行くよりも近く、日帰り登山可能なコースも沢山あります。また、この山域の山小屋ご飯は豪華でどれも美味しく、山に登らずとも小屋に泊まって八ヶ岳を眺めるだけで十二分に自然を楽しめるスポットです。
 今回は八ヶ岳の横岳近くに咲く日本固有種「ツクモグサ」を見にテント泊で八ヶ岳を満喫するコースを紹介します。
 横岳近辺は切れ落ちた岩場や細い尾根があるので決して初心者だけで入ってよい場所とは言えません。ですが小屋に泊まるなどして体調管理し、悪ふざけせず安全に配慮して臨めば初級者でも十分楽しめる場所です。

時期

 初夏(2024年5~6月)

ご紹介ルート

 美濃戸口~美濃戸山荘~(南沢コース)~行者小屋~中山展望台~赤鉱泉(⛺テント泊)~硫黄岳~横岳~赤岳~(文三郎尾根)~行者小屋~赤岳鉱泉(テント回収)~(北沢コース)~美濃戸山荘~美濃戸口
 距離:22.6km 累積標高差:2048m
 1日目: 9.0km 登り: 982m 下り: 250m
 2日目:13.6km 登り:1,066m 下り:1,798m

美濃戸口~美濃戸山荘

 茅野駅から美濃戸口までの公共交通機関はバスを使うのが一般的です。しかし私が訪れたのは夏休み期間でもない平日でした。美濃戸口行きのバスは土日しか運航していないためタクシーを使うことにします。タクシーだと美濃戸口まで7000円弱かかるのでソロだとかなり懐が痛いです。
 美濃戸口には八ヶ岳山荘があり、こちらは平日でも営業しています。表には自動販売機と登山届ポストがあり、山荘内にはトイレもあってガス缶やナルゲンボトル等も売っています。最後の準備を整えていきましょう!

美濃戸口 八ヶ岳山荘

 暫くは林道歩きです。マイカーの場合はこの先の美濃戸山荘近くまで車で行くことができます。ただし、道はえぐれているところもあり車高が低いと腹を擦ってしまうしまうかもしれませんので注意して運転してください。乾燥していると埃が結構舞い上がりますので、歩行者をパスする際は徐行してもらうとありがたいです。
 歩行者には途中数箇所のショートカットルートがあります。ショートカットを歩いた方が車の危険が少なく埃を吸わなくて良いので、可能な限りそちらを通ることをお勧めします。
 「やまのこ村」と書かれた建物が見えたら美濃戸山荘まであと少し。この先で一般車は通行禁止となります。駐車場に車が停まっていますが、平日はまだ半分くらいしか埋まっていません。
 車両通行止めのロープを跨いで橋を渡り、少し登ると美濃戸山荘です。
 山荘前に水が出ています。ここの水は冷たくて美味しいので給水をしっかりしていきます。美濃戸山荘から先は行者小屋や赤岳鉱泉までトイレはありませんので心配な方はここでチップトイレを使っていきましょう!

美濃戸山荘~行者小屋(南沢コース)

 美濃戸山荘前が北沢コースと南沢コースの分岐になっています。林道をそのまま登っていくのが北沢コースで赤岳鉱泉に行くならこちらの方が近いです。本日は時間に余裕があるので、途中でホテイランが咲いているという南沢コースで歩きます。
 美濃戸山荘前から山道に入り堰堤を越えて歩いて行きます。途中ですれ違った方にホテイランの咲き具合を教えてもらうと、どうやら例年よりは少ない様子。でも綺麗に咲いていたという事で楽しみに歩いて行きます。
 沢を渡ったところから次の橋で沢を渡り返す迄の間がホテイランの群生地です。近年、写真を撮るために登山道外に踏み込んで踏みつぶしてしまう奴がいる様で、群生地はロープで区切られています。皆が楽しみにしている花なのでロープを越えずルールを守って鑑賞したいですね。
 ホテイランは可愛らしい妖精の様な紫の花でした。今日は時間に余裕があるので、結構のんびり花を探し鑑賞と撮影を楽しみました。ちなみに、私の写真撮影は全て携帯電話ですので、登山道からでも十分に鑑賞できる花があるという事ですね。

ホテイラン

 ホテイラン鑑賞を満喫した後はのんびりと先に進みます。南沢コースは割と起伏のありますが、適度にフラットな区間を挟みます。また、大岩や涸れ沢等景色変化も多く、この時期はたくさんの花が咲いているので楽しく歩くことができます。
 途中、沢沿いで休憩して茅野駅前の売店で買った胡麻味噌せんべいを食べてみたら意外と美味しく行動食に最適でした。次回も買おうかな?
 一旦林を抜けて枯れた広い河原に出ます。正面には横岳や大同心が見えてそろそろかな?と感じさせますが、再び林の中に入ってもう少し歩きます。2度目の枯れた広い河原に出て進むと右側の木々の影から主峰赤岳が姿を現します。ここまで来れば行者小屋はすぐそこです。

赤岳が見えたらもうすぐ行者小屋

 石垣に突き当たったら右から巻いて行者小屋に到着です。この日はまだ夏営業開始前でしたが、テント場には既にテントが沢山張られていました。一応、営業開始前にここでテントを張る場合でも赤岳鉱泉でテント泊料を支払うことになっています。

行者小屋~中山展望台

 明日の行程は行者小屋泊の方が効率的に回れるのですが、「夜、缶ビールが買いたい!」という一事の為だけに赤岳鉱泉でテント泊します。行者小屋は早々に後にし赤岳鉱泉方面に向かいます。
 フラットな明るい樹林帯を進みますが次第に上り坂になります。ですが、そもそも赤岳鉱泉は行者小屋より標高が低いので登りはとても短い距離です。頑張りましょう!
 一番高いところに「←泉鉱岳赤・行者小屋→」という表示のレトロな看板が立っています。ここまでくれば赤岳鉱泉までは下るだけです。まだまだ時間には余裕があるので、ここにザックをデポして中山展望台に寄っていきましょう!
 中山展望台までの坂はこれまでと違って結構急です。ですがテント泊装備の詰まったザックを降ろした直後はスーパーサイヤ人状態ですので、ぐいぐい登っていきます。坂は急ですが距離はそれほどでもなく、すぐにポッカリと空が開いた稜線に出ます。ここに中山展望台の標柱が建っています。

中山展望台からの眺め

 中山展望台では硫黄岳から阿弥陀岳までの山壁を間近に望むことができます。きっと、アーベントロートの時などは感涙ものでしょう。「明日はあの端から端まで歩くのか~」と思うと武者震いがしてきます。

中山展望台~赤岳鉱泉

 ザックを回収して進みます。この辺の階段はマムートが登山道整備をしてくれているので木段にマムートマークが埋め込まれています。途中、僅かですが残雪がありました。訪れたのは5月後半ですが、ここでも標高は2000mを越えています。下界は既に夏の暑さが始まっていますが、高山の夜は気温が全然違うのでご注意ください。
 左手にヘリポートが見えたら赤岳鉱泉まではもうすぐです。頭の中に飛ぶビール缶を追い払いながら慎重に歩いて行きます。
 外トイレ建物脇を通って赤岳鉱泉に到着。平日だけあってテント場は未だ開いています。本日は日差しが強くやや暑いので日陰のスポットを選択します。ちょうどソロテントがすっぽりハマる場所。トイレや水場にも行きやすい良い場所が確保できました。

テント設営完了

 テント設営前に小屋にて受付、1泊2,000円です。夕食のメニュー看板に名物の「ステーキ」の文字があったので食べていきたいところですが、夕食は要予約です。本日は食べ物もたくさん持ってきましたのでビール以外は自炊です。
 テントを設営してもまだ15時でしたが持ってきたソーセージやら味噌漬け肉やら焼いて食べ始めます。ビールは小屋で買いましたが、五一ワインのハーフボトルは茅野駅で買って持ってきました。思いのほか飲み食いする時間があったのでワインはフルボトルでよかったと、ちょっと後悔しました(笑)。

赤岳鉱泉のテント場でのんびり

 明日に備えて暗くなったら早めに就寝。本日は夕方から湧いて来た薄い雲に空が覆われてしまい、アーベントロートはなし。夜も星空は全く見えませんでした。

天気は悪くないが雲多め

赤岳鉱泉~硫黄岳

 翌朝は4時起き4時半出発しました。天気予報は曇りだったので、なるべく早めに出発して降りてくる作戦です。でも朝テントから出てみると空は澄んでかなり良い天気でした。このまま良い晴天なんじゃないの?と期待に胸を膨らませて出発します。
 大洞心沢を渡ってから硫黄岳への斜面は徐々に急になっていきます。とはいえコースは九十九折になっていて、登山道もほとんど段差がなく整備されているので非常に登りやすいです。木々の隙間から阿弥陀岳に日が射していく様子を見ながら歩いていると、もっと早く出発すればよかったかも?とちょっと後悔するくらいの天気でした。

阿弥陀岳

 樹林帯を抜け、横岳、赤岳、阿弥陀岳が綺麗に見えるようになると感嘆の声が漏れます。しかし本当の絶景はもっと先、赤岩ノ頭に出たときでした。麓は雲海が立ち込めて真っ白に輝き、雲の上には高峰だけが残っています。乗鞍岳、穂高岳、槍ヶ岳、剣岳、白馬岳の方まで綺麗に見えます。槍の穂先がピコっ!と立っているのまで見えるのはかなり空気が乾燥してコンディションが良い証拠です。暫く眺めた後、思い出したように硫黄岳への登りを再開します。
 高度が上がるほど更に見える山は増えていきます。甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、北岳、空木岳、木曽駒ヶ岳、御嶽山、四阿山、火打山、妙高山と見える山が増えるたびに足が止まってしまいGoProを構えます。

北アルプスと北八ヶ岳

 最後に大きな岩を右側から回り込んで広くガレた山頂に出ます。
 まだ山頂には人はほとんどおらず暫く山頂を独占できました。爆裂火口の先まで回り込んでみると火口の中には残雪が残っているのが見えます。そして今まで見えなかった八ヶ岳の東側にも雲海が拡がっていて太陽光を反射して輝いていました。東側には浅間山や甲武信ヶ岳、両神山を眺めることができます。

爆裂火口の中にはまだ残雪

硫黄岳~横岳(奥の院)

 今日は八ヶ岳に登って大正解!と既に満足してしまいましたが本日のメインイベントはここからです。ツクモグサを見に横岳へ向かいましょう!
 まずは硫黄山荘まで下ります。左手には雲海越しの甲武信ヶ岳や両神山、御座山などが見えていて歩いていて気持ちが良いです。
 硫黄岳山荘まで下ったら今度は登り返しです。先を見ると遠く大変そうに見えますが、下ったといっても硫黄岳山荘は2,600mを越えているのでそんなに横岳の山頂までは標高差はありません。頑張っていきましょう!
 しばらく登ると右前方に大洞心が見えました。見れば見るほど、あんなところに登りたがる人の気がしれませんが大洞心には踏み跡らしい道ついていて沢山の人が利用していることが分かります。
 登りが一段落するとなだらかな稜線になり、キバナシャクナゲやオヤマノエンドウなどを見ることができます。

横岳とキバナシャクナゲ

 厚みの無さそうな横岳の山頂が近づき、東側に少し下ると危険な岩場の開始です。ちなみにこの辺から今まで赤岳や横岳の向こうに隠れていた富士山を望むことができます。この日も富士山が綺麗に見えて元気が出ました。
 梯子を登り、人ひとり立てるだけの細い稜線に立ちます。すると、向こう側から歩いてきていた人が道を譲ってくれました。感謝です。横岳周辺はすれ違いできない場所も多いため、声をかけての譲り合いが大事です。
 一般登山道なんだよね?と思う様な場所もありますが、悪ふざけせず、しっかり三点指示に心がけて登っていれば初級者でも問題なく通過できますが、ヘルメット推奨です。
 最後に細い岩尾根を登りつめれば、横岳山頂に到着です。

横岳(奥の院)~地蔵ノ頭

 山頂についても危ない岩場はまだ続きます。気を引き締めて歩いて行きましょう!横岳には複数の山頂があり、奥の院が最高峰です。二つ隣の山頂、三叉峰に近づくと東側の杣添尾根からたくさんの人が登ってきているのが見えます。日帰りでツクモグサを見ようとする場合は、こちらのコースから来る方が近い様です。
 三叉峰の先辺りから西側の岩壁にツクモグサが咲いているのを見ることができます。危ない場所ですので植生のロープは絶対に越えないようにしましょう。また、登山道近くのツクモグサやその土壌には手を突いたり触ったりしない様にしてください。大砲の様な望遠レンズを持ってないとツクモグサの写真が撮れない様になってしまっては残念ですので、登山道近くの花や登山道を極力気づつけないようにしましょう!

ツクモグサ

 訪れた日にはまだほころんでいるだけのものが多く、満開ではありませんでした。ツクモグサはとても可愛らしいですが、白く枯草に溶け込んでいて見慣れないと咲いているのになかなか気づきません。でも一度認識すると、あっちにもこっちにも咲いてるのに気づくようになります。よく見るとかなり広範囲でツクモグサが咲いているのを確認することができました。
 地蔵ノ頭が近づくと、最後に急な岩坂(壁)をくだります。ここまで来ればツクモグサは終わりです。本当に横岳近辺しか咲いていないようなので見にくるのも一苦労です。岩坂の表面には細かい砂が在ったりして滑りやすいので、ステップのグリップを確認しながら着実に降りていきましょう。
 細いトラバースを歩いて稜線に戻れば、すぐに地蔵の頭があります。地蔵の頭には行者小屋から地蔵尾根を登ってくる人達が沢山います。ほとんどの方が赤岳方面に行きますが、この時期はツクモグサを見るために横岳の方に向かってくる人が多いので道を譲りあいながら進みましょう。
 お地蔵様にお参りしたら、いよいよ最後に赤岳山頂に向かいます。

地蔵の頭から赤岳 手前は赤岳展望荘

地蔵の頭~赤岳

 地蔵の頭からは横岳と違ってそれほど危ないところはありません・・・といっても、細いところはあるので悪ふざけは厳禁です。
 赤岳展望荘までは割とすぐです。ここで一旦休憩します。山荘はすでに営業を開始していてトイレも利用可能です。山荘前のベンチで味噌パンとカレーを食べて小休止します。目の前の北アルプスや乗鞍の山並みを見ながら食べると一層美味しく感じられます。

赤岳展望荘で休憩

 赤岳展望荘からは、いよいよ赤岳への最後の登りです。ここまで歩いて来た中で一番の急登が始まります。最近は冬に歩いていますが雪がない方が更に急坂に感じます。広めの安全な場所を探しながら休み休み行きましょう!

赤岳への最後の登り

 昇り詰めた赤岳頂上山荘前のところが赤岳北峰です。さすがに赤岳は人気があり沢山の人が休憩しています。
 人混みを避け、とりあえず最高標高の赤岳南峰に向かいます。南峰まではすぐですが細い尾根なので渡る際は注意しましょう。特に人が多い場合は声をかけて譲り合わないと途中で渋滞してザックが当たったりして危険です。
 天気の良い赤岳南峰山頂碑は撮影渋滞が発生しています。一応何度か登っているので、遠目に山頂碑を撮り三角点だけタッチしてさっさと降ります。やはり赤岳は人気が高く人が多すぎるので、地蔵尾根で下りてのんびりする方が良かったかも?とちょっと後悔しました。

赤岳山頂

赤岳~赤岳鉱泉(文三郎尾根)

 下りは文三郎尾根を使います。こちらも下り始めはハシゴや細い場所が多いため先の方までよく確認して譲り合いましょう。とにかく同じチームの前の人について歩くだけで、自分で判断できない人は登山道が広い山に行ってください。
 権現岳への分岐まで降りれば少し広くなり、下りはルートが複数選択できるようになります。とはいえ登ってくる方は沢山いるので「登り優先」を肝に銘じ、ルートを選択しながら下りていきます。無理をすると浮石を落としてしまいますので、浮石が多い場所ではちゃんと立ち止まりましょう。
 中山への分岐まで降りれば一安心。正面に見える阿弥陀岳の山頂にも沢山の人影が見えます。足を延ばすのも良いですが、本日はここから行者小屋に下っていきます。
 文三郎尾根にもマムート階段がありますが、この時期は雪解け後で地面が緩み木段がやや浮いています。体重をかけると崩れてしまうので、あまり木段は信じず避けて歩いた方が良いでしょう。

中山分岐からの眺め

 長いグレーチング階段を下ると樹林帯に入ってしまうので、その前に赤岳を振り返り山の景色を楽しみます。
 樹林帯をくねくねと下りて行くと、こちらにも若干の残雪が残っていました。足の筋力が疲れて弱っていると滑りやすいので注意しましょう。
 涸れ沢に出て道がフラットになったらすぐ行者小屋です。小屋開けは来週のはずですが本日も既にテントがいっぱいです。
 今日は中山展望台には寄らず赤岳鉱泉まで真っすぐ歩いて行きます。到着したら直ぐにテントの撤収開始です。まだ昼前なので昼食は下山後にします。既にテントは一杯で既設テントが撤収されるのを今か今かと狙っている人がうろついています。幸い、私の場所はソロじゃないと張れない狭めのスペースだったのでせっつかされずに済みました。

赤岳鉱泉~美濃戸口(北沢コース)

 帰りは赤岳鉱泉のアイスキャンディー跡の脇を通って北沢コースに進みます。
 序盤は山道ですが南沢コースと比べるとかなりなだらか。赤沢鉱泉の名前の通り「赤い沢」を見ながら下っていきます。あまり珍しい花は見つけられませんでしたが、こちらの水辺にもたくさんの花が咲き誇っていました。

赤沢は本当に赤い

 沢の渡渉を繰り返し堰堤の先まで降りれば橋の向こうに小さな広場があります。本日は歩荷準備中なのかマムートジムニーが停まっていました。カッコいいです。ここから先は林道が続くので歩くのは楽々です。
 林道を横切る水の流れを越えた先で、右に下るショートカットルートがあるので林道を離れて下ります。ここのショートカットは結構踏み跡がばらけているので迷わない様注意が必要ですが、林道を真っすぐ歩いてよりかなり時間短縮ができるのでお勧めします。
 再び林道に戻って歩いて行けば美濃戸山荘前にでます。因みに、私は帰り道でもここで必ず給水して家に帰った後水割やコーヒーを入れて楽しんでいます。
 一般車両通行止めの場所にある駐車場は本日(土曜日)はもう満車です。側道にも車があふれています。ここまで来れば美濃戸口までは50分弱で着きます。
 林道を歩いていると後ろから減速しない車に追い抜かれ、舞い上げられた埃で嫌な想いをしました。なるべく巻き道ショートカットを活用して車から離れて歩いて行きます。
 沢を渡ったら最後に少し登って美濃戸口「八ヶ岳山荘」にゴールです。

下山飯とお風呂

 八ヶ岳山荘は温泉ではありませんがお風呂に入っていくことができます(500円)。洗い場も湯船も3~4人でいっぱいですが綺麗になってから帰ったほうが断然気分が良いです。下山後に湯船につかるといつも生き返ります。
 風呂から上がったらスタッフの方が美味しそうなオムライスを食べていたのですが、メニューを見てもオムライスはありません。聞いてみたら今後の新作メニューの試作だったようで残念です。
 今度来た時を楽しみにしつつ本日はキーマカツカレーと生ビール。ボリュームあり!カツはここであげているので旨いです!

キーマカツカレー

豆知識

ホテイラン

 本州中部の亜高山帯(標高1500~2500m)の針葉樹林下に咲く花で漢字では「布袋蘭」と書く様です。花が布袋さまの袋に似た形状だからというのは実際に見て納得です。
 環境省のレッドリストランクはEN(近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの)に指定されていて希少な花。古くは珍しい形状と可愛らしさから乱獲が繰り返されてしまい絶滅危惧となってしまったようですが、盗って行っても非常にデリケートですぐ枯れてしまうそうです。自生地を守り、自然の中で鑑賞するのが一番ですので栽培地を荒らしたり摘んだりしない様お願いします。

ツクモグサ

 八ヶ岳、白馬岳、利尻岳等の一部地域でしか咲かない日本の固有種です。漢字では「九十九草」で、花を見てもどの辺が九十九?と思ってしまいますが、どうやら発見者のおじいさんの名前から名付けられた様です。
 環境省のレッドリストランクはEN(近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの)に指定されていて希少な花。チューリップの様な形状の花ですが、花びらの外側は白く髭があり高さが低いためチューリップと比べると控えめで清楚。そのせいか見慣れないと沢山咲いてても目に入らなかったりします。
 山に登るのを控える梅雨頃に咲き、梅雨明けには枯れてしまうため鑑賞チャンスが短い花です。八ヶ岳では割と危ない場所に咲いているので、近寄って落ちたりしない様注意しましょう!

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