2023年 3月 真宗法語カレンダー 「こころに じごくがあるよ ひにちまいにち ほのをがもゑる」
〇真宗法語カレンダー 3月
「こころに じごくがあるよ ひにちまいにち ほのをがもゑる」
浅原才市
〇肝要
地獄一乗すみかぞかしのこの私に仏様のお慈悲が届いている
〇お話
今日は真宗法語カレンダーの3月の法語、島根のご出身で浄土真宗の妙好人という毎日の生活でご法義を味わわれた方に、浅原才市さんという方がいらっしゃいます。才市さんが書かれた詩の一節です。
「こころに じごくがあるよ ひにちまいにち ほのをがもゑる」です。
われわれは日頃、他人の悪いところは見えるけれども、自らの悪いところはなかなか気づきません。
また、『歎異抄』という本の中にも「人はだれでも、しかるべき縁がはたらけば、どのような行いもするものである」とあります。しかるべき縁があれば他人を攻撃してしまったり、他人に恐ろしいことをしてしまうのが、このわたくしの本来の姿です。
ですが、のちに浅原さんはほかの詩でこのようにもお話されています。
大悲のおやは 寝ずのばん もえる機を ひきとりなさる おやのお慈悲で
才市さんは、地獄の絶望の中に生きておられるのではなく、その地獄に大悲の親様(阿弥陀如来様)が目がけてはたらいてくださり、阿弥陀如来様、そして阿弥陀様と同じさとりを開かれた故人様のお慈悲のお心をありがたいと喜んでおられるのです。
阿弥陀様は、そのような弱い存在である私たちのために、「機会があれば、何をしでかすかわからないのが自分だと気づいておくれ」と喚びかけ続けてくださいます。そのように阿弥陀様がわたしによびかけ続けて下さっている毎日に、私は生かされ、生きています。
浄土真宗では南無阿弥陀仏といいますが、阿弥陀様は南無阿弥陀仏の名号となって自分の心に届いてくださり、一つになってくださっています。私を、「放っておくことはできない、自分の姿に気づいておくれ」、とはたらきかけて下さいます。この私をいつも気にかけて下さる仏様に南無阿弥陀仏とお念仏申させて頂きましょう。
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