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NFTを作ってみよう❕ ーその1ー


NFTはアート作品の高額取引で話題になり、昨今ではメディアでもNFTを取り上げ、身近に耳にするようになってきていますね。

NFTというと「アート」のイメージが先行していますが、最近はビジネスで活用されてきています。デジタルビジネスがリアルビジネスに近づきより身近なものになってきました。

内閣官房が主催の地方活性化の取り組みを競う「令和4年度夏のDigi田甲子園」の表彰式では、副賞にデジタル証明となるNFTがPOAPの設計で発行されました。このように政府もNFTを起用しつつあります。

昨年は流行語大賞にもノミネートされました。

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  1. そもそもNFTとは何 ❓

  2. どこで売買ができるの ❓

  3.  NFTを実際に作ってみよう
        デジタルアートを作成しよう
        デシタルアートをNFTにしよう       

  4.  NFTをListing(出品)しよう

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我々大人は、子供の目を失いがちです。
あの幼い日々、足元のアリさんに心を奪われ、その働きぶりに目を見張り、そっと見つめていた日々......

大人になってしまうと、足元の アリ には目もくれず、それどころか踏みつぶしてしまっているかもしれません。
 
同じように、界隈にどっぷりつかってしまいますと、当たり前のようになってしまい、何気なく使っている単語は「暗号資産」「Wallet」「web3」「NFT」「トークン」「ブロックチェーン」「スワップ」「ブリッジ」...…等と数えるときりがありません。

今回はその中で今とっても注目を浴びるようになってきた「NFT」についてお話したいと思います。

1)NFT

「NFT」は、2017年に「CryptoKitties」というイーサリアムブロックチェーン上のゲームに始まっています。私たちの目に留まりましたのはTwitter創業者のジャック・ドーシー氏が出品しました彼の初ツイートが、約3億円
で落札されたことではなかったでしょうか。

その後、テスラのイーロン・マスク氏が出品した音楽作品には約1億円の値が付きましたし、日本人では、VRアーティストのせきぐちあいみさんの出品作品が約1,300万円で落札されるなど…注目を浴びたNFTが色々とあります。

2)NFTマーケットプレイス

NFTの売買ができる「NFTマーケットプレイス」と呼ばれるサービスの中でも「OpenSea」は、21年1月1日時点で11万ドル(約1,200万円)ほどだった取引高が、2022年1月26日には約9000万ドル(約100億円)にまで急増し、21年9月には過去最高の3億ドル(340億円)を記録しました。

3)そもそも「NFT」とか「FT」とかって何?

FT(Fungible Token)に対してNFT(Non Fungible Token)です。
和訳しますと、Fungible(代替可能な)、Non Fungible(代替可能でない)ということです。

Fungibleは他の類似した物によって交換が可能であることを意味します。

実際の例を挙げて説明しますね。

1万円札が2枚ありますが、C  の1万円札と D  の1万円札の価値は変わりません。その為、C の1万円札と D の1万円札とは交換できますし、交換しても価値は変わりません。そういったものを Fungible (ファンジブル)といいます。同様に暗号資産のBTCやETHもファンジブルです。1BTCは他のどの1BTCとも交換できます。

一方で、NonFungibleは、他のモノと交換が不可能であるということです。

実際の例を挙げて説明しますね。

りんごの絵が2つありますが、A と B は同じりんごの絵ですが、同じものとしては交換できません。こうした唯一無二の「一点物」で他の物とは交換できないものをNon Fungible (ノンファンジブル)といいます。

例えば、コンサートのチケットは、特定された演目が特定の日時に見られるチケットであり、どの曲目でもどの演目でもどの日時にでもチケットの交換が可能になるというものではありません。
そうしたものが Non Fungible (ノンファンジブル)なのです。

4)さて、NFT(ノンファンジブルトークン)とは何でしょう?

トークン(Token)というのは証明書のようなものを言います。
つまり、NFTとは、唯一無二であることを証明するものと言えます。

例えば、会議の資料をパソコンで作ったとしましょう。出席者には同じ資料を何枚もコピーして渡せますよね、訂正部分があれば、元のところを変更してコピーすることもいとも簡単にできます。

レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画「モナリザ」「最後の晩餐」「サルバトール・ムンディ」など、途轍もなく高額ですが、ネットで検索すれば、絵を無料で見ることができますよね。そこの違いはといいますと現物には「唯一無二の本物という価値」があるという事です。

デジタルデータ自体はコピーが簡単に出来ます。
ブロックチェーン技術が開発されるまでは、デジタルデータに価値を証明できなかったのです。

ところが、デジタルの世界でも、ブロックチェーン技術を使うことでインターネット上のデータの価値を「唯一無二で、改ざんできない」ようにするための仕組みが生み出されたのです。それがNFT(ノンファンジブルトークン)なのです。

5)NFT はブロックチェーン上に存在します。

ブロックチェーンとは、取引を記録する分散型の公開台帳のことです。
ネットワーク上の取引の記録を、暗号技術を使って複数の場所で管理して
処理、記録する技術なのです。

ブロックチェーンを簡単にいうと、お金の取引履歴を記録したデータベースというとざっくりイメージを浮かべて頂けるでしょうか❓

トークン(Token)というのは、要するに証明書のようなものです。

NFTは、誰かが作成した絵画や書、音楽などを表すデジタルデータから作成されます。NFTを新たに発行することをmint(ミント)といいます。

例えば絵画ですと、原画をデジタルで複製できる状態でも、最初に発行するときにブロックチェーン上に書き込む〈ミントする)ことにより、それが唯一のものと証明されるのです。

NFTもデジタルデータなので何らかのデータ(メタデータ)がどこかに記録されている(インデックスデータ)のです。ブロックチェーン技術でそれらが紐付いていているため、元の対象データ単体ですと唯一無二ではないものを特定できるものとすることが出来たわけです。
そしてブロックチェーン上に記録されているので改ざんできないのです。

ただし、オンチェーンのデータに関しては改ざんできないことが当てはまるのですが、ブロックチェーン外の外部サーバ等に記録されているオフチェーンのデータについては当てはまりません。

NFTの出現によって、アーティストは自らの権利と作品を守ることができ、そのNFTを購入したコレクターは本物と証明されたデジタルアートを手に入れることができるようになったのです。

これまでは、絵画でも贋作と称される偽物が出回ることがありましたが、
それが本物かどうかは、制作した当の本人でしか証明できませんでした。
作者が亡くなってしまうとその証明も難しいものとなります。
しかし、デジタルにしてNFT化することで、それが本物であるという証明ができることになったのです。

NFTは売買も可能ですし、その取引はブロックチェーン上に次々と記されていきますので、アーティストにとって有利な取引が可能になりました。といいますのも、従来であれば、アーティストが作品を売りますと所有権はコレクターに移っています。ですから、コレクターが作品を転売しますと、所有権は次のコレクターのものですのでアーティストには報酬はもう関係のない話でした。

しかしNFTにおいては、アーティストがプログラムに手数料の設定を登録しておけば、二次流通市場で売買されましても収益の一部を得ることが可能になります。従来の転売とは異なり、転売され続けることによってアーティストにも報酬が還元されつづけます。いわゆる印税のようなものですね。

ここまでに書きましたことをまとめておきます。

さていろいろ説明しましたが、私たちにとって一番重要な事はこれです。

誰でも作成できて販売できる

デジタルアートの作成とNFTアートの出品・販売は誰でも可能です。
紙に描いた或いは書いたものや写真などをPCに取り込んでデータ化する。
そしてそれを、NFTマーケットプレイスに出品する。
たったそれだけのことで販売が可能なのです。

6)著作権や商用利用権の取得は不可

NFTはデジタルデータの所有者を保証しますが、作品そのものの著作権や商標利用権などの権利は取得できません。

厳密に言いますと、NFTとは、ブロックチェーン技術を活用して改ざん、複製が不可能なデジタルな証明書であり、個人間で譲渡、売買を可能にする技術という事で、NFTを所有していても、元の作品を所有しているわけではありません。

ブロックチェーン上のデータの登録・移転があったからといって法的権利の発生・移転がなされたとは限りませんし、ましてやブロックェーン上のデータの登録・移転があったことにより、自動的に法的権利の発生・移転が発生することはありません。

ブロックチェーン上の記録の発生・移転と法的権利の発生・移転の区別をベッカムさんのサイン入りTシャツという事で説明します。

何処でも売っている無地のTシャツに、ベッカムさんがサインします。
それを写真でとってデジタルデータとしたうえで、OpenSeaなどでNFT
として販売しますと、下図に示しましたようになるのです。

● サインが入ることで、何処にもある誰でも入手できるTシャツは一点物になる。
● それをNFT化することによって、ベッカムさんの所有するものという法的権利が発生する。
● 購入者さんは、ベッカムさんのTシャツであるという登録データのみ保有することとなる。
● そして、次々と移転するたびにその登録データのみ移転されます。

法的権利はベッカムさん自身にしかないのです。ですから、NFTを購入した人は、売るとそれで手元から離れておしまいですが、ベッカムさんには売られる度に報酬が手元に入る仕組みになっています。

デジタルデータに唯一無二の価値を持たせることを可能にしたのがNFTなのです。また、NFTは非中央集権的なブロックチェーン上に明記されているため、NFT所有者は、それを自由に移転することができ取引可能です。
NFTを活用することにより、国や既存の枠組みにとらわれることなく、デジタル資産は従来以上に自由な取引が可能になります。

ブロックチェーンは素晴らしい技術ですね。
これまで様々なブロックチェーンテクノロジーが登場してきましたが、
NFTはデジタル資産の価値化という側面から、様々な産業での活用が期待
できる技術と言えましょう。


※ 参考までに

 IT用語辞典ではトークンは、以下のように記されています。
「トークン」とは証拠、記念品、代用貨幣、引換券、商品券などの意味を持つ英単語。ITの分野では、長いデータを最小の構成単位に分解したものや、何かの証や印になるようなデータや装置、器具などのことをトークンということが多い。

 暗号資産にもNFTにも使われている共通の技術がブロックチェーンです。ブロックチェーンを一言で説明すると、管理者が不存在の情報を記録する台帳です。ネットワーク上でのデータ管理する仕組みとして、「分散型台帳」という技術があります。

分散型台帳技術は、ユーザーがネットワーク上で同じ台帳を管理、共有することができる技術で、DLT(Distributed Ledger Technology)とも呼ばれます。分散型台帳は、誰が、いつ、何の情報を台帳に書き込んだかを確認することができ、偽装や改ざんを行うことが非常に困難です。これらを記録・保管して、複数のユーザー間で共有する技術として使用されています。

この分散型台帳の技術領域の一つがブロックチェーンです。

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さて今回は、NFTについて、そもそも何なのかという事について説明しました。長々とお付き合いくださり有難うございました。
次回は、「何処で売買できるの?」についてお話したいと思います。
お楽しみに!

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