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海を目指して坂を登り続けること

「あの坂を登れば海が見える」中学校の国語の教科書に載っていた杉みき子さんが書いた短編『あの坂を登れば』の言葉がずっと印象に残っている。いくつもの坂を登り、少年が海を目指すという話。

海のむこうにある超一流の世界=メジャーリーグで3000本安打を目前にしたイチロー選手の話題が連日ネットのニュースにのっている。40歳を超えて、今も超一流の世界で、とくにスポーツの世界で仕事を第一線で続けるのはものすごいことだと思う。今日も含めてこれまで過ごしてきた1日1日の積み重ねが、今イチロー選手が3000本安打に近づいている結果になっているんだと思う。イチロー選手は自分の海=ゴールに向かってつねに坂を登り続けているんだろう。

ぼくは元来ものぐさで怠け者である。朝は寝床でグーグーグーしたい、働かずにギターでも弾いて毎日映画と芝居を観て、時々人を集めて芝居や映画をつくるような道楽尽くしの生活に憧れているただの道楽者である。しかし道楽者だけでは飯を食えないから、仕方なく働いている。仕方なく、本当に仕方なく働いている。もっとふや〜っと生きていきたい。

そんなふや〜っとしたいぼくは毎日欠かさず、時々日付をまたぐことがあるけれど絵日記を書いている。このnoteで公開しているあれだ。あれをやることに決めたのは、なんでもないほぼ日の糸井氏の『今日のダーリン』に触発されたからだ。かといって毎日文章にするほどのネタもないなと思い、その時の心情や、自分の状況を落書きであらわそうと考え絵日記をつけることにした。そこに加えてこの月一のブログをやることにした。つまり怠け者からの卒業を目指したのだ。

月一だけ文章を必ず書くことにしたのには理由がある。ただ単純にぼくは文章を書く人だから、まとまった文章をどこかで書かないとストレスがたまるからだ。

ぼくは『通信制大学生へ贈るレポートの書き方』を書くまでは、基本的に文章しか書いていこなかった。しかし、かの『・・・レポートの書き方』からイラストを加えて説明することにしたため、特に『ぼくらワールド解体新書』からは文章よりも絵を描いている時間の方が圧倒的に長くなった。大阪芸術大学を出たと言っても、ぼくは通信の文芸学科なので絵は全く単位に無関係だ。当然デッサンもしなかったし、アクリル絵具や油絵の具や顔料染料などを使うことはほとんどなかった。

ではなぜ絵を描き始めたのか? いや、正確にはラクガキを始めたのかが正しいだろうか。文章だけで伝える自信がなかったからではなく、文章を読む技術がない人が多いと感じたからラクガキイラストをつけることを思いついたのだった。特に『通信制大学生へ贈るレポートの書き方』は、文とは? 文章とは? ということをイラストを使うことによってイメージできるようにしたつもりだ。と言っても、『通信制大学生へ贈るレポートの書き方』の後半はほとんどが文章になるんだけど、それは文章を書くための指南書だから絵を増やそうにも増やすアイデアが浮かばなかっただけなんだけど・・・。

更新自体は止まっているけれど『ぼくらワールド解体新書』は文章よりも絵が中心となっているので、『通信制大学生へ贈るレポートの書き方』の時よりもさらに文章を書く時間は減っている。もともと描けない絵を、なんとかシックハックしながら今も毎日描いているわけで、やはりまとまった記事として文章を書くのはこの月記くらいなのだ。

というわけで今日もイラストレーターを起動して、1本1本線を引いている。リアルにアシスタントが欲しい。アシスタントの方が自分より絶対描けるんだろうな・・・と思うけど。それでも欲しい。でも、アシスタントに出すだけのお金もない。かといってそれを嘆いても始まらないので、『ぼくらワールド解体新書』完成という名の海を目指して、自分の眼の前にある坂を登り続けようと思う。

皆様からくださったサポートは『ぼくらワールド解体新書』の作成費として利用します。もし良ければサポートお願いいたします!