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[書評] 「組織開発の探求」を読んでみました

こんにちは!GUiDEE開発チームのモイです!

今回は最近読んだ本について書きたいと思います。
それは「組織開発の探求 理論に学び、実践に活かす」(中原 淳・中村 和彦著、ダイヤモンド社)という本です。

ページをめくって読み始めると、冒頭から刺激的な文章が目に飛び込んできました。「現在、日本の組織開発は『最大のチャンス』であると同時に『最大の危機』を迎えている」というのです。

本書を読み始めたばかりの時点で、僕にはこの文章の意味するところは、よく分かりませんでした。ただ現在日本のHRを巡る環境が大きく変わりはじめていること、組織に着目した新しい考え方が出てきていること、僕たちが日々感じているそんな空気感と関係がありそうだな、と思いました。

「組織開発の探求」はそのタイトル通り、組織開発について、多面的な角度から解説し、400ページ以上に渡って考察をしたとても内容が濃い本です。著者のひとり、立教大学の中原淳教授は人材開発の専門家。そしてもうひとりの著者である南山大学の中村和彦教授は組織開発の研究者で日本で組織開発が広まるきっかけのひとつとなった「入門 組織開発——活き活きと働ける職場をつくる」の著者でもあります。

組織開発の入門編から未来まで、内容は盛り沢山

本書は5部に分かれています。

第1部は「初級編」と題し、(僕のような)初級者に向けて「組織開発とは何か」を、専門用語を使わず分かりやすく解説しています。分かりやすく、といっても十分手応えがありましたが。

第2部と第3部は、「プロフェッショナル編」として組織開発の歴史にあてられています。第2部ではフッサールやフロイトといった哲学、心理学、科学的管理法や行動科学といった経営学の考え方など、組織開発を学ぶ上で必要な知識を解説。第3部では組織開発がどのように生まれ、発展してきたかを説明しています。

第4部は「実践編」として、実際の会社での事例が紹介されています。登場する会社はキヤノン、オージス総研、豊田通商、ベーリンガーインゲルハイム、ヤフーの5社。いずれも大企業ですが、それぞれ異なる課題を持った企業が異なる手法で組織開発を進める様子が具体的に紹介されているので、まず自分の会社に近い事例を探してみるとイメージしやすいかもしれません。

そして最後の第5部のテーマは、ずばり「組織開発の未来」。著者の2人の対談形式で構成されています。それぞれ人材開発の専門家、組織開発の専門家という立場から語るのですが、この2つは密接に関連し合っていて境界があいまいであるということで意見が一致します。そして、それがまさに僕がGUiDEEの開発に携わりながら感じていたことだなと思いました。

対話は、組織開発のコアである

僕たちが開発しているGUiDEEは、ペアの関係改善を通じて部下のパフォーマンスを向上させるという面を捉えると、人材開発ツールかもしれません。ただペアの対話を重ねることで、最終的に働きがいのある組織へと育っていくはずだと考えています。「対話は、組織開発のコアですよね」という中原氏の言葉には勇気をもらいました。

さて、冒頭で紹介した文章、何が「最大のチャンス」で何が「最大の危機」なのか。興味を持たれた方は、ぜひ本を手に取ってみてください。次回はGUiDEEプロダクトオーナーの川俣と、本書について語ってみたいと思います。

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