見出し画像

ユージーン・スタジオ 新しい海 etc. 東京都現代美術館  11/20〜2/23

東京都現代美術館は1/2から開館していた。
実家に帰れなかったのでとても助かる。

今回は「ユージーン・スタジオ」「クリスチャン・マークレー」「MOTコレクション」に行った。

特に「ユージーン・スタジオ」と「MOTコレクション」は素晴らしかった。

「クリスチャン・マークレー」は僕はあまり好きじゃなかったが、音楽好きにはいいのかも。

クリスチャン・マークレー展


<ユージーン・スタジオ 新しい海>

ホワイトペンティングシリーズ

最近はこの真っ白な絵を提示している作家をちらほら見る。
作家ごとに意味は全く違うのだろうが、さして新しさは感じない。

だが、今回はこの白い画布に無数の人が口吻をしているというではないか。
この作品の向こう側を想像せずにはいられない。
今この画布の前の僕とこの画布の前に立っていた誰かが重なって感じる。



海庭

会場の中には海を模した白い擬似海がある。
周りには多くの鏡がある。
鏡に反射している無限の空間と白い海はどこか原始の海を想像させる。
美術館に水を張る作品はたまに見かけるが、スケールの大きさに圧倒される。



ゴールドレイン

降り注ぐ光る砂は二度と同じ形はなく、生きているようにさえ見える。
永遠に続く生と死の繰り返しを見さされているようだった。



同じ曲を別の場所でそれぞれがピアノなしに想像しながら弾いている。
同じことを別の離れた、まったく関係のない人間が共有する。
世界のどこかで誰しもがつながることができる可能性を感じた。


正直、わからないものも結構あったが、最後のピアノの連弾の映像作品を見て、作品のすべてが同じ命題に向かっているように感じた。

人々は全てを共有し、分かち合うことができるかもしれないということ。

作家は想像の場所を提供している。

芸術鑑賞の新しい意味を問うてくる。
「新しい海」が押し寄せてくる。



<MOTコレクション>

人生で観たコレクション展の中で一番よかった。
現代アートが好きということが理由に挙げられるかもしれない。

特に印象に残った二組を。

アピチャッポン・ウィーラセタクン

無数に舞う羽毛たちがこの場所に過去いた者たちの魂を代弁している。
今僕たちが佇んでいる場所にも大昔にもちょっと前にも同じような人間がいて、それなりのドラマがあったのかもしれないと思うと、ちょっとセンチメンタルになる。



クリスチャン・ボルタンスキー

ボルタンスキーは去年死んでいた。
この箱の中には軽くて重い命が入っている。
何度かこの作品を見たが、今回は彼の死により何か違った。

彼もこの箱の一部に、世界の一部になり、この作品が完成したのかもしれない。


他にもいろいろあるし、カタログももらえたし、このコレクション展は本当におすすめ。


いいなと思ったら応援しよう!