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プランクショルダータップってどんなエクササイズ?

はじめに

つい先日、抗回旋での有効なエクササイズとして「パロウプレス(パヴェルプレス)」についてnoteに書きました。

今回noteに書くのはこの「パロウプレス」よりもポピュラーですが、強度・難易度の高い「プランクショルダータップ」について書きます。

この「プランクショルダータップ」についてぜひ正しい方法を知った上で取り入れていただきたいエクササイズの一つです。

プランクショルダータップとは?

プランクショルダータップは、高強度の体幹トレーニングの一種で、プランクのポジションから片手で反対側の肩を軽くタッチする動作を交互に繰り返すというエクササイズです。

このエクササイズは、プランクを保持した状態で、肩をタッチする動作によって全身の抗回旋能力を高めることを目的としています。

効果

1.アンテリアチェーンの強化

体の前面の運動連鎖である「アンテリアチェーン」を強化することができます。
特にプランクショルダータップは片手になるため、指示している手と反対側の下半身を連動させる「アンテリア オブリークチェーン」の活性化につながります。
「アンテリア オブリークチェーン」はスポーツシーンではもちろん、歩く、走る、投げる、殴る、蹴るなど日常も含めたあらゆる動作で用いられる運動連鎖です。

2.抗回旋能力の向上

片方の手を持ち上げることで体に回旋力が加わり、これに抵抗することで体の抗回旋能力が養われます。

3.バランスと安定性の向上

片手を離すことで体を不安定な状態にし、それを制御することで体のバランスと安定性が向上します。

4.怪我の予防

今までも書きましたが、日常の不用意な動作で怪我をする際には直線的な負荷がかかった時よりも回旋方向の負荷によって発生することの方が遥かに多いのです。
それを防ぐためにも段階的に抗回旋のエクササイズを取り入れることが有効です。

エクササイズの実施方法

ステップ1: スタートポジションを取る

1.ハンドプランクのポジションになります。
これは、体を直線に保ちながら、手とつま先で体を支えるポジションです。

2. 手は肩幅より少し広めに、直接肩の下に置きます。

3. 足は腰幅か、それよりも少し広めに開きます。足を広げるとバランスを取りやすくなります。

4. 顔は床を向き、首は中立の位置に保ちます。
 全身の外部標識(耳たぶ、肩峰、大転子、くるぶし)が一直線になるように意識してください。

ステップ2: エクササイズの実施

1. 体幹を中心とした全身に力を入れ、体を安定させます。
この時、ハンモックのように腰が下がらないように注意してください。

2. 右手を床から離し、左肩を軽くタッチします。
この動作は、体を極力動かさずに行います。

3. 右手を元の位置に戻し、同じ動作を左手で右肩に対して行います。

4. この左右の動作を交互に繰り返します。
動作中、腰が左右に振れないようにコアの筋肉をしっかりと使って体を安定させます。

ステップ3: 繰り返し回数とセット

1. 初心者は、まず一回ずつから始め、最初の目標を10回(各手5回)を1セットとし、2~3セットから始めることを推奨します。

2. 慣れてきたら回数やセット数を徐々に増やしていくことで、より高い効果が期待できます。

注意点

1.腰が落ちないようにすることが重要です。
腰が落ちると腰への負担が大きくなり、怪我の原因になります。

2.急がずにゆっくりと正確なフォーム動作を行うことが大切です。
速さよりもフォームの正確さを優先しましょう。

3バランスを崩しやすいため、最初は壁や手すりなどを使ってバランスを取りやすい環境で行うのも一つの方法です。

動作のポイント

このエクササイズをアンテリア オブリークチェーン(体の前面の対角線での運動連鎖)の強化として考えるなら、以下の方法は非常に有効です。


この画像のように片手を床から離す前に、支える側の支持手と反対側の足の対角線上の2点で床を支え、支持手側と同じ側の足は床についていますが体重を支えないようにします。

つまり3点ではなく対角線の2点で支えるようにするわけです。

こうすることで「アンテリアオブリークチェーン」の活性化と強化につながります。

プランクショルダータップを行う際は、これらのステップと注意点を参考にしながら、自分のペースで徐々にレベルアップしてください。

このエクササイズが向いている人


このエクササイズは、基本的な体幹とそれに連動する全身の筋力がある程度備わっている中級者以上の人に適しています。

運動経験が豊富で、特にアンテリアチェーンの強化や抗回旋の安定性、バランス能力をさらに向上させたい人に有効です。


プランクショルダータップの問題点

1.過体重や筋力不足の人への負担

体重を手と足だけで支えるプランクポジションは、過体重や筋力レベルが低い人にとっては非常に困難であり、腰への過度な負担がかかるリスクがあります。

2.シニア世代への適用性

シニア世代では体幹を含めた全身の筋力の低下が見られるため、このエクササイズを安全に行うことが難しい場合があります。

3.正しいフォームの維持が難しい

片手を肩にタッチする動作は、特に初心者にとっては正しいフォームを維持しづらく、不適切なフォームでの継続は本来の目的から逸脱してしまうことが考えられます。

代替エクササイズの提案

プランクショルダータップの効果を得たいが、上記の問題点に該当する場合は、パロウプレスのような強度調整が容易なエクササイズから始めることをお勧めします。
パロウプレスでは、側方のアンカーポイントで固定したバンドを前方に押し出す動作を通じて、コアの安定性を鍛えることができ、体重を支える負担が少なく、初心者や筋力レベルが低い人、シニアにも適しています。

プランクショルダータッチを取り入れる際は、自身の体力や筋力レベルを適切に評価し、必要に応じてトレーニングの強度を調整することが重要です。
安全にエクササイズを行い、健康的な身体を目指しましょう。

最後に

上記のように非常に有効なエクササイズなのが「プランク ショルダータップ」なのですが、TikTokなどでは本来の目的とはかけ離れたエクササイズとしてバスっていることも多いようです。
特にトレーナーの方にはトレーニング指導で最も重要な「Why」について考えた上でエクササイズ選択をしていただければと心から願っています。
その際の「Why」が「バズるため!」でないと良いのですが・・・

このnoteでは今後も「トレーニング」「エクササイズ」「運動」「健康」などに関する様々なトピックを取り上げますので、ぜひフォローをしてお待ちください。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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