枷(かせ)屋は呉服問屋の傍ら、地主でもあり
裏長屋をいくつか所有していた

この時代、家主が直接住人を管理することはなく
差配人を介し、直接出向くことはなかった

ゆえに住人を知る由もない

だが、息子の異変には気づいており、
病の副産物として長屋に住み着いた女に難色を示していた
血痕2

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