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アメリカの陸上部を訪れて

米軍基地内に位置する横田高校の陸上部を訪れました。
基地内には立派な400mトラックが設けてあり、部の練習もトラックを利用して行われました。部員は男女合わせて15人ほどで多くはありません。
9月より新学期が始まったばかりの現在は陸上未経験の生徒が大半を占めます。
ましてこの米軍基地の高校では軍人の転勤も多くそれに伴い生徒の入れ替わりも頻繁だといいます。

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グランドに一礼をして、きっちり2列、3列に整列して走る環境で過ごした私の高校時代とは違い、まったりとした雰囲気の中で練習がスタートしました。
この日のメニューは1マイル(1.6km)を3本、その後200mを3本行いました。広い米軍基地内ではトラックの外には1周1マイルのコースがあり、ロードとトラックの両方を使える利点があります。レベルの違いも大きいのでグループというより実力の近いペアのように分かれて、トラックで1マイルを行う生徒もいれば、ロードを使う生徒もいます。
自分の時計を持っている生徒も2人だけでした。長く走っていると時計を持っているのが当たり前という認識でしたが始めたばかりの生徒からするとそんなことはないのでしょう。
言われたメニューをタイムもペースもよく分からないままガムシャラに走っていた時期の自分を思い出しました。
みんなスピードに自信を持っているのか、それとも単に長い距離が嫌なのかコーチも言っていましたが長い距離のインターバル、テンポ走はみんな大の苦手のようです。
しかし200mに入ると先ほどまでとは違い生徒間で少し競争ムードが漂い始めます。

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チームでの練習は週4日。コーチ曰く、その間を個人で練習する生徒は稀で基本は他のスポーツやっているか、何もやらないかのどちらかだと言います。
チームの中でも熱心に練習を取り組む男女2人に練習について話を伺いましたが、私の高校時代の半分以下の練習量でした。
個人の状況にもよるので一概に週間、月間何キロ走るが多い、少ないとは言えませんが日本の強豪校の練習量はやはり彼らからすると冗談を言ってるのかように思えるようです。
しかし生徒たちを見ていると私が学生時代にできていなかった事が1つはっきりとありました。それはコーチに対して自分の意見を伝える事。この年代として少しわがままや惰性もあったかもしれませんが、やはり分からないことは質問して、自分がそうしたいのか伝えている姿がありました。

日本では中学、高校で部活に入ると基本は一つの部に3年間所属するのが一般的ですが、アメリカの制度ではシーズン毎に部活動が入れ替わるため生徒は高校の間様々なスポーツを行います。
いろんな経験ができる一方でコーチが懸念するのはシーズンの期間が短すぎて一貫した練習ができず技量が上達する前に次に移ってしまい結局全てがどっちつかずに終わってしまう事だと言います。
コーチの1番の悩みはモチベーションの維持にあるようです。
アメリカ本土にいけば部活制度にも幅があると言いますが、アメリカにはアメリカなりの部活制度の問題が色々存在するようです。

さて少しまとまりのなさを感じる場面が多かったですが最後はキャプテンの子が指揮の元、ペアでのストレッチ、全員での補強エクササイズに取り組みます。


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少し狭い範囲での考えに陥りがちになっていたこの頃でしたが、また改めていろんな世界があるのだなと考えさせられました。どうしても今の自分の周りを基準に物事を判断してしまい、それが当たり前のようにもなっていました。
もし自分がこのチームを指導するとなった場合などを考えると、指導に対する優先事項、アプローチを変えないといけないなと思います。
決まった型にはまらず、目の前の状況に応じて考え直すことを心がける良い経験となりました。



日常からの学び、ランニング情報を伝えていきたいと思います。次の活動を広げるためにいいなと思った方サポートいただけるとありがたいです。。