怒りのコントロールの大切さ
こんにちは!怒らない事で有名な内科医をしている者です。
医者というのはすぐ怒る生き物だそうで「怒らない」というだけで人気が出て評判が上がります。
最近は自らが壊れかけた病院の建て直しでいろんな医者と関わっていたり、Twitter上でもいろんな医者と絡んだり投稿を拝見するため、今まで以上に医者が怒りのコントロールが出来ない生き物なのだなと実感する毎日です。
そもそも医者に限らずですが、怒りの感情とはどのようにして生まれるのか?
・自分にとって不快な事をされる、言われる
・自分の意見と違う意見に触れる
・自分の希望と違う事が起きる
などが挙げられそうです。
よく怒る医者というのは上記のような事象が起きるとほぼ反射的に怒るタイプです。つまりその事象が起きる過程は一切無視で、結果に対してのみ反応する非常に思慮が浅いタイプと言えます。
そのタイプには無駄にプライドだけが高い医者も多いです。とにかく自分が正義と疑わない医者と言えます、いますねTwitterの「激推し」界隈には数多く。
1つの事を極めると言うと聞こえは良いのですが、「専門バカ」という言葉にもあるように、一歩間違えると本当の「バカ」になり兼ねないということなのだと思います。
そうなってしまうと自説を疑うことは決してないので、否定されると怒りが溢れ、自説を否定=誹謗中傷だ!などという医者アカウントも散見します。
つまり自説は持ちながらも、常に他の意見も取り入れながら自説をアップデートしていく姿勢があればそこに怒りの感情は少なくとも生まれず、健全な思考が生まれるのではないかと思います。
医者に限らず、怒りの感情が芽生えたら一歩立ち止まり
その対象はなぜ自分が怒るような事をしたのか、純粋な悪意ならその怒りは正統だが、何か背景があってのものかもしれないのなら一歩引いて冷静になりたいところです。
先日のTwitterのスペースでも例として挙げましたが
危険な割込みをしてきた車には腹が立ちます。
しかし単にせっかちな運転手なのか?何か急がなきゃならない理由があるのか?そこまで考えると怒りのメーターはさほど上がらなくなります。
答えは出ない話ではありますが、出ないからこそその方が精神衛生上はよろしいかと考えます。
怒りが増せば交感神経(緊張)が上がります。
ただでさえストレスが多く、スマホ、タブレットなど視覚に頼るデバイスが溢れ、副交感神経(リラックス)が優位になりづらい昨今において様々な不調(不眠、胃腸障害などなど)の原因にもなりえます。
少しファジーに生きる方が確実にからだも心も楽だと思うのですが、全ての事象に○か✕かを即時に判断したい人が多いようです。いまの多くの医者の世界はEBM全盛なのでエビデンスがあるものは○、ないものは✕とはっきりしています。なのでエビデンスが出た説は疑い無く推し、反対意見は悪であるくらいの勢いで否定する医者は多いです。
医者というのはそういう生き物なので医者の言うことを盲信するのは非常に危険だと言うことも最後に追記してペンを置きたいと思います。
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