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外国人同僚とのハグ - イタリア風とドイツ風の控えめなハグのお作法

イタリアから来ている同僚で、ジュリア(仮名)という人がいる。
彼女はとっても人当たりがよい。分け隔てなくオフィス内のメンバーとコミュニケーションを取っている。ランチタイムに人が集まった時もいろんな人に上手に話題をふって、雑談がいい感じに進むようにしている。

そして物理的な距離もごっつい近い。日本人感覚からすると。

あれは今年の年明け、オフィスに初めて出勤した日のこと。
ぼくはランチを買いに外に出て、オフィスに戻ってきたタイミングでオフィスの入り口前でジュリアとばったり出会った。
久しぶりだったので "Hi, Guilia!" とややテンション高めに挨拶したところ、向こうは "Hi, Gucchi!" と言いながら一歩近づく。

その瞬間に察した。「はっ!まずい!ハグがくるぞ」と。
体が硬直する。
(えぇっ!ハグ!?ハグってどうするんやっけ?セクハラと捉えられる可能性があるから男からするなとか、オフィスでの挨拶でハグはめったにないからそんなに気にしなくていいよとかアドバイスもらってたけどあるやないか。いや、ここはギリオフィスの外ではある。待て。そんなことはどうでもいい。たしかハグって国によってお作法が違うはず。え…イタリア流は…??)

なんて言葉が脳内で高速再生されているうちにことは済んでいた。
当たり前の挨拶を済ませただけの彼女の前で、明らかに動揺しているぼく。
もっとスマートにハグができるようになりたい…。
この経験を機に、ぼくのハグの探求が始まった。
おかげでもし世の中に「ハグ検定」があったら、今なら3級ぐらいは取れると思う。

せっかくなので、この記事ではぼくが1年かけて身に付けたハグのコツを紹介しておきたい。
ハグの中でも、日本人男性が同僚の外国人女性とハグをするときのちょっと控えめなハグの方法。
国によって方法が違うので、ぼくが経験したイタリア風とドイツ風の方法を紹介しておく。

イタリア風の控えめハグ

イタリア風のハグは、チークキスとも言われている。
本家の方法は、相手の左右の頬に1回ずつキス。たまに2回もあるらしい。
とはいえ、同僚の関係では相手の頬に本当にキスをするのはさすがに避けておいたほうが賢明。
イタリア風の控えめハグの方法は、手はそっと相手の両肩横に触れる程度にしておいて、自分から見て左側の方向から相手に顔を近づけていき、自分の右側の頬を相手の左側の頬に寄せる。続きて逆側の頬へ。
頬はくっつけないようにしているが、親しい仲なら合わせてもOKだと思う。
左右の順番は逆の場合もあり得るので相手の動きに合わせて対応しよう。
上で登場したジュリアとのハグはここに書いた方法でするようにしている。
ちなみに、イタリア人同僚を見ていると、男性同士ではあんまりハグはしなくて、女性同士、もしくは男女間でハグをする印象がある。

ドイツ風の控えめハグ

ドイツ風のハグは、両腕でやさしく相手を包み込むような感じのハグ。
本家の方法は、しっかりと相手と体をくっつける。
とはいえ、これも相手との関係性を見ながら調整しよう。
ドイツ風の控えめハグの方法は、手はそっと肩の後ろぐらいに回す程度、体は相手に密着させず少しスペースを開ける。
これも親しい仲なら、しっかり腕を後ろまで回して、体もくっつけてOKだと思う。
ちなみに、ドイツ人同僚を見ていると、ドイツ人は男性同士・女性同士・男女間のどの組み合わせでもハグをしている印象がある。
男性同士で親しい仲の若者だと、ハグからヘッドロックにもちこんで、ごちゃごちゃしてる姿も見たことがある。微笑ましい。笑

ハグはなかなか難しい

と、ここまで書いたが、やっぱりハグはなかなか難しい。
人によって、する/しないがあるし、するにしてもどこまで体をくっつけるかがかなり差がある。
なので、同僚間ではこちらから積極的にハグをすることはせず、相手からハグをする雰囲気を感じたら、上に書いた控えめのハグぐらいにしておくのがいいと思う。

体の動きはあまり細かく考えず「相手のお作法に身を委ねて、やや控えめにしておく」ぐらいで対応すればそこまで変なことにはならないはず。
これぐらいの前提知識があれば、少なくともぼくのように置物みたいになることはないでしょう。

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