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No.1 グアテマラ人も知らないウィタンの仕事

このnoteは、中米グアテマラを愛する日本人がバトンをつなぐ、エピソード・リレーです。このリレーは「新型コロナウイルスの影響を受けたグアテマラの貧困層への食糧配布プロジェクト」を応援するために企画されました。

↓グアテマラってどこ?と思った方はこちらから↓

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ブログリレーNo.1を担当します、加藤未希と申します!!

私は、現在農学部で主に畜産について学んでいる大学4年生です!

昨年の6月から今年の3月までの約10ヶ月間、委託養鶏を行うMAYSOL(マイソル)という社会的企業(ソーシャルビジネス企業)でインターンシップをしていました!

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このブログリレー企画が応援する食糧配布プロジェクトは、マイソルによるもので、この記事で紹介するウィタン地域に食糧を届けます!

↓マイソルについてもっと知りたい方は、こちらをチェック!!


今回は、インターンとしてではありますが、NGOでもJICAでもないソーシャルビジネスの経験者として、活動拠点であるウィタンの人々のお仕事についてお話したいと思います!


ウィタンは、グアテマラの西部、第2の都市と言われるケツァルテナンゴ市から車で1時間ほどの距離にある小さな町です。

標高は2600メートル、富士山でいうと7号目のちょっと下くらいでウィタンの人々は暮らしています。

とっても綺麗なお山でして、目覚めて扉を開けると毎日ヤッホーーーーと叫びたくなるような風景から1日がスタートしていました☀️

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↑朝は大体霜が降りております(汗)。このバギーは私の愛車です❤️


さて、このウィタンの住人たち。

基本的には、家で野菜や家畜を育てることを仕事としている人が多いです!

ウィタンでは、安定した水の確保が難しく(特に乾季)、また土地も海岸地域に比べて肥えておらず、気温も低いため、主にトウモロコシや豆類など、標高の高いところでもよく育つ作物を栽培しています。

トウモロコシは、グアテマラ人はみんな大好きトルティーヤ(トウモロコシの粉を水で練り、薄焼きパンのように丸く平たく焼いたグアテマラの主食)として、豆類の中でも特にFrijoles(フリホーレス)という黒い豆は、これまたグアテマラ人が大好きな食事の付け合わせとして、どんどん消費されていきます!

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↑この黒いお豆がFrijolesです。Frijolesロス続いてます、食べたいヨ、、、。


畜産では、鶏や、鳥類(特にチョンピペという七面鳥のような鳥)を飼育している人が多く、これをクリスマスシーズンに合わせて育てていくと、めちゃめちゃ売れるようです!

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(チョンピペ。雄では全長1m超え、体重10kg以上になるので、目の前を歩かれると若干ビビります、、。)

他には豚、牛、羊、馬、、、、など、ウィタンの人々は動物たちと非常に近い距離で暮らしています。

道には馬が歩いていたり、牛が道を塞いできたり、豚が私の足音にびっくりして暴走したり、、、

道に落ちていたウ◯コ💩も知らず知らずのうちに私の靴の裏に付着していたり、、、😱!!!

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(犯人はこいつです、、、笑)


🙋「はい、じゃあウィタンの人にとって畜産はとても良いビジネスということですか?」


家畜を飼うこと自体は、ウィタンの気候にも適していて良いのですが、問題は正しい生産技術や知識が不足しすぎていることです、、、、。

(私は大学で畜産の勉強をしているので、必要な人の元に情報が届いてないことがとてもショックでした。😱)

例えば、食肉用の豚は、6ヶ月ほどで125kgで出荷したいところですが、10ヶ月で100kgで出荷し、利益がなくなってしまう。または、病気にかかっている豚がいることに気づかず、他の豚にも感染し、全ての豚が商品としての価値を失い、利益どころかマイナスになってしまうこともしばしば、、、。

農業や畜産を含め、何かビジネスをしようとする時は、きちんと利益が出るか見極めないといけないのですが、ウィタンの人たちは数字がちょっと苦手😅。

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(昨日まで生きていた牛さんを解体するのは上手ですよ。あとロープワークも!!)

代々受け継いだ土地のある家庭では、林業で生計を立てている人も多いです。

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(私たちも手伝ってみんなで木を倒しています!ファイト!💪)

一方、家の外では、主に男性陣が日雇いの力仕事や、トゥクトゥクという小さな三輪タクシーの運転手をしています。


🙋「はい、もっと職種はないのですか?」


ウィタンでは人を雇用するほどの事業をしている人が少なく、さらに驚くことなかれ、会社という組織は私がインターンしていたMAYSOLしか存在していないらしいのです。

ウィタンの人たちの仕事面でのすごいところは、超人的に力持ちであることです。

(どうしてそんなパワーがあるのか誰か調べて欲しいな。マヤ系の遺伝子はとてつもない体の構造を作るのかな、、、笑。)

例えば彼、Ludwin(ルドゥウィン)。

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この真ん中でキメていらっしゃる少年でございます。

多分怒らないと思うので言いますが、彼の体重は99リブラ(45kg)。

↑Ludwinごめんね!!

彼が毎日運ぶのは、彼とほぼ同じ重量である100リブラ(45,3kg)の飼料。いつもこれを持って走っております(笑)。

ちなみに女性でも100リブラくらい持てる人が沢山います、、、。

彼女たちのような強い女性になりたい(笑)。


そんな力仕事いっぱいのウィタンには、仕事をこなすために必要不可欠な道具があります、、、。

その名もメカパル!!!!!

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↑こちらの写真の男性陣が頭につけている、太い布のようなものがメカパルでございます。

このメカパルは、長さ30cmほどの堅い素材の布で、この両端に紐を通し、紐と頭で荷物を支えるための仕事道具です。

この写真、ぱっと見、👍ポーズで余裕で持っているように見えるのですが、袋1つで40kg、2つで80kgはあります。

私も40kgに挑戦しましたが、おでこと首が痛すぎて断念いたしました、、、。

しかし!!

ウィタンで働くにはこの技術を習得しなければ!!!と思い、私も練習を積みねた結果、、、、、、、、

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ここまでいきました!笑


🙋「はい、ウィタンの皆さんは、なんだかんだ生活費を農業や日雇いでまかなえているということですね?


ウィタンの人は、基本的に、ほとんどの人が安定した収入を得られる状況ではありません

なぜなら、ウィタンの労働人口に対しての仕事、雇用数が少なすぎて、彼らが仕事をしたくても仕事そのものがないからです。

また、最低限の初等教育を受けていないために、文字を書けない人も多く、ウィタンの外で仕事を探すことも困難な状況です。

では、どうしてウィタンの人の生活が今の仕事量で賄えているかというと、ウィタンの約9割の世帯にはアメリカに出稼ぎに行っている家族がいて、毎月仕送りを送ってもらっているからです。

つまり、グアテマラで仕事がなくとも、なんとか生きていける状態ができています。ウィタンでは、最悪仕事がなくてもなんとかなると思い、意地でももがこうとする人はそんなにいません。

しかし、この状況は、すなわち、出稼ぎ先の情勢によって彼らの生活も左右されてしまうということです。

日本人の多くも、アメリカへの不法移民問題を1度はニュースで耳にしたことがあるのではないでしょうか?

皆さんならこの問題を解決するために何をすれば良いと考えますか?

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「仕事がないところに仕事を創る」

とても難しいことだけど、少なくともMAYSOLとともに仕事をしてきたウィタンの方には、安定した仕事を与えるだけなく、「仕事をする・仕事を創る」という考え方も芽生えていると感じています。

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少し真面目なお話になりましたが、この記事を通して、グアテマラ人も知らないウィタンのことを、仕事という面から知るきっかけになれば嬉しいです!!😀

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「新型コロナウイルスの影響を受けたグアテマラの貧困層への食糧配布プロジェクト」の詳細はこちら↓

グアテマラを、そしてそこに暮らす人々を応援したい!という方は、ぜひクラウドファンディングページ(日本語の説明あり)をのぞいてみてください。US5ドルからご寄付いただけます。

このnoteでは、この国に関わる様々な日本人による、魅力いっぱいのグアテマラ情報を発信しています。ブログリレーの他のエピソードはこちら↓

次回は、現地でペンションを経営する田代さんが、グアテマラにおける新型コロナウイルスの状況を解説してくれます!


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