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環境によって形質は収斂する「ブループリント」より
引き続き「ブループリント(下)」からの知見をメモる。
■収斂進化→環境によって形質は収斂する
収斂進化は、本書の事例よりも、もっとわかりやすい事例があります。真獣類と有袋類の収斂進化によるそっくりさん動物の出現です。
収斂進化とは、全く違う進化系統なのに、似たような姿形になること。
オーストラリア大陸は1億年前にゴンドワナ大陸から分離して以降、哺乳類のうちわれわれ真獣類とは別の種=有袋類が全く異なる系統を進化させたにも関わらず、ほとんど同じような生き物を誕生させました。以下の通りです。
真獣類 → 有袋類
モグラ → フクロモグラ
ネコ → フクロネコ
オオカミ → フクロオオカミ
真獣類&有袋類以外の、本書の事例では、(人間含めた)脊椎動物の目とタコ(軟体動物)の目。下図の通りソックリです。
<ブループリント(下)>より
したがって、仮に地球と同じような環境の惑星が他にあれば、きっと地球と同じような進化がみられるのではないかと古生物学者サイモン・コンウェイは主張。
例えば知能は環境適応上、圧倒的優位性を持つという観点から、それは必然だとしています。
生命はひとたび出現すると、いずれ必ず知能まで上り詰める。いかなる環境においても、それが必然的な回答であるからだ。「大きな脳は、少なくともある種の状況下では、おそらく適応として有益なのだろうし、単にたまたま一瞬だけ輝かしく現れて、いずれ自ずと混沌とした春歌のるつぼに帰してしまうようなものではない」
でもさすがにオーストラリアには、ホモ・サピエンスみたいな知能を持った有袋類は生まれませんでした。あと数千万年ホモ・サピエンスがオーストラリアに進出しなければ、今頃は有袋類の人間が誕生したかもしれません。
*写真:2018年 那須どうぶつ王国 マヌルネコ
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