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思想(哲学と宗教)

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価値観の学問そのものといって良い哲学、価値観そのものといってよい宗教を勉強する事で「価値観とは何か?」に迫りたいと思っています。
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2023年8月の記事一覧

『西国巡礼の寺』五来重著  読了

<概要>西国三十三所巡礼の主要な霊場を紹介しつつ、著者五来重の宗教民俗学的視点からの霊場への独自かつ新たな解釈を見出した著作。 <コメント>10月に京都府をフィールドワークするにあたり、お寺に関する情報を深掘りするため、敬愛する宗教民俗学者、五来重による本書『西国三十三所の寺」を通読。  ▪️西国三十三所巡礼とは上のホームページによれば、718年、奈良にある長谷寺の開山徳道上人が仮死状態の時に、閻魔大王が現れて世の中の悩み苦しむ人々を救うために三十三の観音霊場を開き、観音

『コーラン』を読む:井筒俊彦著   読了

<概要>イスラム教の聖典『コーラン』を読むことで「イスラーム教の本質」と「言語の本質」の双方を私たちに知らしめようとした言語哲学者「井筒俊彦」の講演録。 <コメント>アラビア哲学専門家にして早稲田大学准教授小村優太先生の「イスラーム思想入門」の講義で紹介されていたので、さっそく読んでみました。小村先生によると本書は『コーラン』を題材にした井筒思想、ということだそう。 以下長くなりますができるだけ、今の私たちのコトバに翻訳して紹介したいと思います。 ⒈『コーラン』の成立