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思想(哲学と宗教)

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価値観の学問そのものといって良い哲学、価値観そのものといってよい宗教を勉強する事で「価値観とは何か?」に迫りたいと思っています。
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2023年7月の記事一覧

『コーランには本当は何が書かれていたか?』 書評

<概要>フェミニストで啓蒙主義の価値観をもつアメリカ人のジャーナリスト、カーラ・パワーと、インド出身の保守的イスラム学者アクラムの交流を通じて、イスラム教の本質について迫った感動せざるを得ない著作。 <コメント>本書を読むと、アッラー(神)とアッラーの預言者だったムハンマドの意図するところを、恐れ多くも本質的な形で理解できたような感じもします。 というのも本書に登場するインド出身のイギリス在住イスラム学者、モハンマド・アクラム・ナドウィー師は、本来の意味でのイスラム原理

コーランをそのまま実践するとISになる?『イスラム2.0』飯山陽著 私評

<概要>ネットやSNSが普及したことで、イスラム教の啓典が直接信徒が触れるようになったことでイスラム原理主義が増大していることを「イスラム2.0」と表現。 この結果「コーランをそのまま読めばISになる」とした、イスラム教過激論を紹介。 著者の一貫した主張には原理主義的な、きな臭いニオイを感じますが、インドネシア、エジプトなど各国の宗教事情の解説や最後の「イスラム教と共存するために」などは興味深い内容となっています。 <コメント>これまでずっとイスラム関連の著作、コーラ

「アリストテレス」ゆかりの地を巡る

アリストテレスは現ギリシア領スタゲイア出身の人ですが、アテネのアカデメイアを出て以降、彼がアレクサンダー大王の家庭教師になるまで(BC347年−343年)、エーゲ海沿岸の古代都市アッソス→レスボス島ミュティリネに滞在していました。 アッソスで彼は『政治学』『ニコマコス倫理学』を構想し、ミュティリネで『自然学』を著したと言われています。 ▪️聖地「アッソス」聖地「アッソス」は、レンタカーでないといけない場所にありますが、別途紹介した哲学発祥の地「ミレトス」とは違って、地元向

哲学発祥の地「ミレトス」に行ってきました

今回のトルコ・ギリシア訪問の目的の一つは、トルコ、イオニア地方の古代都市ミレトス。 哲学はどうやって生まれたのか?その生まれた、まさにその場所に行ってみたかったのです。その場所はトルコ、西アナトリア地方の古代都市「ミレトス」。 ミレトスは、そこそこ遺跡も残っているものの、観光ツアーで行くような場所ではないし、 バスなど公共交通機関もないような辺鄙な場所なので、空港でレンタカー(フィアット クロス)借りて行ってきたのです。 ▪️なぜ哲学は誕生したのか?古代ギリシアでは、