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思想(哲学と宗教)

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価値観の学問そのものといって良い哲学、価値観そのものといってよい宗教を勉強する事で「価値観とは何か?」に迫りたいと思っています。
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2021年11月の記事一覧

アリストテレス「ニコマコス倫理学」を読む:菅豊彦著 書評

<概要> アリストテレスの講義録を息子のニコマコスが編集した「ニコマコス倫理学」の内容をソクラテス・プラトンから続く古代ギリシア哲学の流れの中に位置づけた上で、その詳細について哲学に馴染んでいない人にも分かりやすく解説した著作。 <コメント> 「ニコマコス倫理学」通読後に、その理解の一助として読ませていただきましたが、非常に分かりやすく、かつ内容も整理されているので原典を読むのが億劫な方は本書の通読をお勧めします(時間のある方は原典にトライすべきですが)。 以下ニコマコス

アリストテレスの幸福論「ニコマコス倫理学(下)」 書評

<ニコマコス倫理学(下巻)の概要>幸福(エウダイモニア)に至るための知的なアレテーの解説含めた人柄のアレテーとの関係、そして社会的動物としての人間関係のあり方としての友愛(フィリア)と、人間の欲望を制御するための意志の持ち方をを踏まえたうえで「幸福とはどのような状態を指すのか?」を提示した著作。 <ニコマコス倫理学に関するコメント>下巻に至り、はじめてアリストテレスの著作を通読しましたが、講義録という性格上か、はたまた息子さんの二コマコスが講義録を編集した影響かは不明ですが

アリストテレスの幸福論「二コマコス倫理学(上) 書評

<概要>幸福(エウダイモニア)とは何か、より深く理解することで善き人になり、この結果として幸福になるためのアリストテレスによる指南書。このうち上巻は、幸福とは何か?性格の良さとは何か?正義とは何か?について。 <コメント>プラトン著作は、ほぼ終えたので、今後はアリストテレスに移行。今後本書に加え「形而上学」「政治学」を通読予定。 プラトン著作は、読み物そのものとしての面白さがあるので、飽きずに長時間読むことが可能ですが、アリストテレスの本著作は、読者向けではなく「自分の講