人間の本性を考える(中巻):スティーブン・ピンカー著 書評
<概要>
上巻で展開された「人間はブランクスレート(空白の石板)でなく遺伝的な要素も大きい」という考えは、決定論的極論を生みやすいが、むしろ遺伝的影響を正しく見据えることこそが、人間を正しく理解することに繋がり、その可能性を見出すことができると提言した中巻。
<コメント>
◼️「遺伝子」という本体論(※)の展開
進化論や脳科学が明らかにしてきた人間の本性は、そもそもこの世に普遍的真理は存在しないとした相対主義(ポストモダニズム、脱構築主義など)に対抗し、遺伝子=盲目の時計職