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【WBC】どっちが勝つか最後まで分からなかった決勝

2023年3月22日。
WBC決勝戦、日本対アメリカ。
初代・2代目王者である日本と、前回大会王者であるアメリカ。
アメリカが1次POOLをまさかの2位通過したことで、めぐりめぐってこの2国で野球世界一を争うことになった。
なんという巡り合わせだろうか。

当然この日は平日。現地観戦組でもなければ、会社が融通を効かせて休みにしてくれるわけでもない。
Twitterでは #WBC休暇 というトレンドが生まれ、MLB公式直々に会社に休み申請ができるようにフォーマットを用意してくれた。

その他にも独自に午前休、あるいは会社で視聴しても良いと許可が下りた企業が話題になっており、うらやましいことこの上なかった。

正真正銘、最後の大舞台。今度こそ、ネタバレ無しで侍ジャパンを見届けて見せる。
準々決勝の時は最後の最後でやらかしてしまった。それでも素晴らしい準決勝であったが、やはり幾分の後悔は残る。


今回は一日会社で仕事をしたうえで、会社内の噂話や街中の広告版など、さらにネタバレ情報源要素が増えた中を生き延びなければならない。
難易度エクストリームのミッションであった。
結果から言えば、無事にネタバレを回避し、家に帰ることができた。
社内で決勝の速報を追っかけていた人にも事前に釘を刺し、「やめてください(真顔)」とお願いした。

電車内では常に下を向き、ドア上の広告映像が視界に入らないように。
突然ニュース記事を流したりしてくるから奴らは。
駅構内のサイネージなんかも注意が必要で、中で流す映像を自由に変えられるため、帰り道では侍ジャパンの活躍が掲示されてしまう可能性も考えられる。
自宅最寄りまであと電車一本、というタイミングで乗った電車。
ドア上のモニターがつい視界に入ってしまったとき、そこには山川の笑顔が。
やっちまったかと思ったが、山川が所属する西武ライオンズの広告だった。ちょうどオープン戦の時期だし。

思い切り肝を冷やしたが、どうにか無事に帰宅。
準々決勝の時はPrime Videoのトップページでやられたが、今回は大丈夫だった。

これなら安心して見られるというもの

これで正真正銘、どちらが勝ったかの前情報なしで決勝戦を楽しめる。
缶ビール片手にプレイボール。

とにかく接戦だったので、9回表になっても勝敗の行方の想像がつかなかった。
「今永がホームランを打たれ1失点、直後の攻撃、先頭打者村上の初球ホームラン」
この部分を切り取るだけでも相当なドラマである。
というか村上がここで帰ってきた。
今までの苦労は何だったんだってくらい、あっさりライトスタンド2階席に放り込んだ。
結局そのあとの全打席はダメだったんだが、WBC決勝という大一番で、しかも先制点を取られた直後に同点に引き戻すホームラン。
これを値千金と言わずして何という。
心折れずに踏ん張り続けた村上本人と、その村上をクリーンナップから外さず辛抱強く起用し続けた栗山監督を称えたい。

岡本のホームランも素晴らしかった。準決勝の時はあとちょっとのところでアロザレーナにファインプレーを許していただけに嬉しい一本だった。

投手陣は継投継投でつなぎ、9回までで2失点。どちらもソロホームランという怖い一発を打たれているが、逆に言えばランナーをためずに守り切ることができた。アメリカ相手に無失点は現実的ではない。どこからホームランが飛び出すかわからない打線対手に、そういう一発を打たれたときに「それはそれ」と割り切れていたように見える。

8回ダルビッシュ -> 9回大谷の継投はこの先一生見られないんじゃないかってくらいの光景だった。
9回表に入った時点で1点差。
野球において1点差は全く安心できない。1点でも取られれば9回裏の攻撃をしなければならず、そこで点を取れなければ延長戦、あるいは点差がひっくり返っていればゲームセットとなってしまう。
ものすごくヒリついた終盤戦。

しかし、点もランナーも許さずに3人で抑えることができれば、アメリカの最終打者はトラウトになる。
大谷とはエンゼルスでのチームメイトであり、アメリカ代表をここまで引っ張ってきた中心選手。
互いにワールドシリーズに出た経験はなく、そして国際試合での対決はこれが初めて。
大谷は9回の先頭打者を四球で出してしまうものの、後続で内野ゴロゲッツーを奪う。力業で2アウトをぶんどったような展開。見ていて興奮しかしなかった。
そしてWBCの決勝、最終回ツーアウトに大谷とトラウトの対決が実現したのは、もはや運命に導かれているとしか思えない。

結果は皆さんもご存じの通りで、外に逃げるスライダーで空振り三振。
2009年以来のWBC制覇を成し遂げた。
大谷がグローブと帽子を投げ捨ててチームメイトともみくちゃになるのを見て、目頭が熱くなった。

この試合、両チーム合わせて得点は5点。うち4点がソロホームラン4本というとんでもないぶつかり合い。
そして最終回、真っ向勝負の果ての決着。

準決勝は、日本が勝つと知っていてもあまりにも劇的過ぎた決着。
そして決勝は、最後の最後まで、最後に大谷がトラウトから三振を奪うその瞬間まで、どちらが勝つかわからなかった。

リアルタイム視聴ができない中、ここまで濃密にWBC決勝ラウンド2試合を堪能できるとは正直思わなかった。
それこそ、1日中神経すり減らしてネタバレに気を付け続けた甲斐があるというもの。

こうして、実に10時間遅れで自分のWBCは幕を下ろした。
今は余韻に浸りながら、Youtubeでインタビュー動画を漁ったり、ネット記事を漁ったりしている。ヌートバーの生い立ちなんかはかなり面白い。

3年後、今よりもっと強くなった日本代表に期待したい。
おめでとう侍ジャパン!!!!




中岡発見した


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