二兎追うものは三兎目を得る!?

美人副社長と清純系女子社員ハルカ、二人からアプローチをかけられた前回

本当の愛とは何か。
果たしてどちらか一人を選ぶことだけが正しいのか。
二人ともを幸せにする道もあるんじゃないのか。
思い悩む僕が下した決断とは。
劇的結末が待ち受ける物語が今、始まる。




始まりません。すいません。
そもそも二人からアプローチなんかありません。
あるはずがあろうか、いや、ない。

そんなわけで、

『美人副社長とイク!社員感謝祭ドキドキセミナー』編

スタート。

希望者のみ参加の社内セミナー。
丸々2日間みっちりのスケジュール。
自分が伸ばしたかった分野の内容となれば、意識の高い僕が参加するのは必然の流れであった。
講師が副社長だから鼻の下を伸ばし、すきぴのハルカさんが参加なのを確認して鼻の下を伸ばし、参加したわけでは決して断じて全くない。ない。ないからね。うん。

会社近くのレンタルルームでの開催。
レンタルルームと聞くと某M性感が同ビル内のレンタルルームでもプレイできるシステムだったことを思い出し、感慨深い顔をしてしまった。

元気かな、ひなのさん、、、

僕に文才があるって褒めてくれたんよな、、、
また文通(訪問後にメッセージを送り、御礼日記で返事をもらうこと(それを文通とは言わない))したいな、、、

ひなのさんへの想いが膨らむ中、運命のセミナーが幕を開ける
参加者は僕を含め8人。
座学とグループワークが交互に行われる構成。
ひなのさんとのグループワークを思い返しつつボーッと席に着くと、ハルカさんと離れた席に…!
今世紀最大の失態。
グループワーク時に席で2グループに分けられる際、ハルカさんとは別のグループに…
いやしかし、ひなのさんの前で晒していたちんぐりがえし痴態に比べれば、こんな失態は大したことではない。
セミナーは2日間。
明日の方がグループワークが多い。
明日にハルカさんと同じグループになって挽回してみせるぜよ。

この男、セミナーを何と心得ているのか…
オキニ嬢とオキニ同僚のことで頭が一杯である…

否。
舐めてもらっては困る。
女のケツを追うばかりのぱにおではないのだ。
そこは流石のぱにお、こう見えて地頭は良い。
セミナー内容も理解して、グループワークも率先はせんが…足手まといにもならずでそれなりにこなしていた。

1日目の同じグループは新卒の子、ムードメーカー的な明るい女の子、イケイケファッションの兄ちゃん。

新卒女子オカダさん、クール系美女でしっかり自分の意見を持っている。
一見近寄り難い雰囲気だが、人当たりもよく、天は美人には五、六物与えることを痛感。
僕の数100倍しっかりしており、残念無念凡庸僕では気軽に話しかけられない。

ムードメーカー女子タキさん、裏表なく天真爛漫なキャラで社内の雰囲気をよくしてくれる。
キャッチコピーをつけるなら、間違いなく「一社に一台、タキ」。
副社長のオキニ社員。席替えがあろうと必ず副社長の隣席になるらしい。
美人副社長にバブる攻略のカギ。ぱにおキングバブ…失礼、ぱにおキングダム建国のために抑えておかねばならぬ超重要人物。

イケイケ兄ちゃんナカバヤシさん、見た目と裏腹に超穏やかな話し方、かつ超優しい兄貴分。
頼られるとしっかり面倒見てくれるタイプ。
そのギャップにやられ、心の中の乙女ぱにおはイチコロであった。
ナカバヤシさんちゅきちゅきマンとして余生を過ごすことを決意。

タキさんのテンションにちょこちょこ合わせつつ、ナカバヤシさんに甘えていれば基本的にうまくいくグループ。
グループワークが親の仇より憎いコミュ障の僕でも問題なく立ち回れた。

前職でタキさんと似たタイプの後輩とよく話していたおかげで、同じようにヘラヘラ冗談を言っていたら、

タキ「ぱにおさんって思ってたより面白いですね!!」

僕「思ってたより……??」

タキ「あっ、違います違います!えっと、もっと暗い人やと思ってたから!!」

僕「…(白目)」

まあ、分かる。
もちろん、分かる。分かっている。分かりきっている。
伊達に30年以上も根暗顔で生きてきたわけではない。
ただ、ここまで面と向かってハッキリ言われることはなかなかなかないわけで、、
「…(白目)」なんて古い表現、久しぶりに使ったわけで、、、
でも、リアルに白目だったわけで、、、、

タキさんの鋭いナイフは深く突き刺さったものの、おかげでセミナー参加者みんなの笑いはとれ、ぱにおは“思ってたより”面白いヤツという印象は残せた。
よかったのか悪かったのか分からんが。

マイナスからのスタートで少しでもプラスな面を見せられたら、振り幅の大きさのおかげで普通よりも評価されやすい法則
今までこの法則でやってきていたので、いつも通りではある。
ただ、いつもこの後の立ち回りが下手なのである。
「おっ、こいつおもろいかも?」と思わせられるが、その先は人間としての薄さがどうしても滲み出てしまい、「“思ってたより”面白いヤツ」からは抜け出せない。
“思ってたより”がとれないのだ

「お前には芯がない」

何百回も言われた言葉が浮かぶ。
何も考えず流されるままに生きてきた代償。

30歳過ぎて言ってる場合ではないが、しっかりしなくてはならない

とまあ、ぱにおさんにはしっかりしてもらうとして、1日目のセミナーはそんなこんなで終了した。
美人副社長ともハルカさんとも距離を縮められなかったが、隣席のイケイケ兄ちゃんナカバヤシさんとはすっかり仲良くなっていた。
ナカバヤシさんになら抱かれてもいいかも、、、

急遽浮上したBLルートに突入するかどうか気になるところだが、メインイベントはここから。
1日目終了後は親睦会がある。


誰と親睦を深められるか…

ハルカ純愛ルート!?
美人副社長不倫ルート!?
ナカバヤシBLルート!?

終電に揺られるぱにおの隣りに寄り添う陰。
その正体とはッ!?

次回ッ!!
『チーズフォンデュのように熱々でとろける恋にハチミツで甘みを添えて』

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