【第一回】結局どの音楽メディアのTwitterアカウントが影響力を持っているのか？Twitter広告で検証してみようとしました。

先日、私のブログメディアTapioca Milk Recordsで、「台湾のインディーズ音楽カオスマップ」を公開しました。

これは、台湾のインディーズアーティストを視覚的に紹介しようとする取り組みです。

多くの方が関わって下さった企画であり、記事をなるべく多くの方に見てもらいたいなぁと思い、認知拡大のためにさまざまな施策（SNS拡散、プレスリリース など）を行いました。

その一つとして、Twitterプロモーション（広告出稿）を実施したところ、面白い結果が得られましたので、ご報告いたします。

この記事には有料部分がありますが、無料部分だけでも十分お楽しみ頂けます。（有料部分には、エビデンスとしてのスクリーンショット、比較対象としてのオーガニックツイートのパフォーマンス、その他感想を書きます）

Twitter広告のご経験がない方は「背景」から、
Twitter広告がある程度わかる方は、「結論」からお読みいただくことを推奨します！

前提として

私はお仕事として、普段、広報業務を行っております。また、前職の関係からWebマーケティング領域にも一定の知識があります。しかし、SNS広告は専門外であり、今回の実験は自由研究色が強いものであることをあらかじめお伝えしておきます（きっと専門家の方からすると、設定が甘いところがたくさんあるかと…！ぜひご教示ください！）

背景（読み飛ばし推奨）

今回、「台湾のインディーズ音楽カオスマップ」を広めるために、さまざまな施策を行いました。そのひとつが、Twitterプロモーションです。

Twitter広告では、年齢性別、興味関心などに基づいて、ターゲティングができます。

ターゲティング方法のひとつに、「フォロワーターゲティング」があります。フォロワーターゲティングとは、特定のアカウントを指定し、そのフォロワーと興味関心が似ているアカウントにリーチすることができるものです。

ここで私が思いついたのは、「フォロワーターゲティングを通して、パフォーマンスが高いWeb音楽メディアを知ることができるのでは？」ということです。

音楽・カルチャー界隈が、露出メディアを選定する際、Twitterのフォロワー数は一つの指標になります。特に、アーティストサイド（マーケティングサイド）では、「フォロワー数が大きいメディアに載りたい」と考えるものです。

音楽・カルチャーメディアの公式Twitterでは、Web上で記事を更新した際にTwitterで告知しクリック誘導することで、自サイトへの流入を促します。

一般的には、フォロワーが多ければ多いほど流入が多いであろう（＝影響力が高いだろう）と考えます。

しかし、パフォーマンスの実態は、Webメディアを運営するWeb解析担当者にしかわかりません。

たとえば、フォロワー1万人のアカウントで記事を告知し100クリック取れている場合と、フォロワー数1,000人のアカウントで100クリックされている場合では、後者の方が、パフォーマンスは高いと言えます。

せっかくの機会なので、今回は、Web音楽メディアのパフォーマンスをフォロワーターゲティングにより測定することにいたしました。

仮説

Twitter広告で、「Web音楽メディアに対しフォロワーターゲティングして広告グループを作成し、各指標を測定することで、

（1）パフォーマンスの良い（フォロワーの質が高い）Web音楽メディアがわかるのではないか？

（2）自サイトのコンテンツが、どのWeb音楽メディアのフォロワーと相性が良いのかわかるのではないか？

結論

・予算1,700円で10アカウント（＝10メディア分）のデータを取ろうとしたんですが、さすがに無理がありました。笑
・しかし、大手音楽Webメディア×2（CINRA、ナタリー）、カルチャーメディア（BRUTUS）に加え、何かと話題のBasement-timesのパフォーマンスも取れました。

広告キャンペーン概要

・予算：1,700円／日
・目的：ウェブサイトのクリック数
　　　　URLはhttps://www.tapiocamilkrecords.jp/entry/taiwan-indies-music-chaosmap-2020
・期間：12時間（2021年1月11日 11am-11pm）
・測定方法：Web音楽メディアごとにフォロワーターゲティングを設定した広告グループを作成する
・クリエイティブなどその他のパラメータは一定とする
・見る指標：CTR（クリック率）とCPC（クリック単価）
・ゴールライン：予算を使い切り、何らかのインサイトを得ること（初回なのでハードル低く）
・特記事項：Imp500以下の広告グループはレポート対象外
　　　　　　→なぜ？：今回投下できる予算が限られており、Twitter広告の自動最適化によりインプレッションに相当のバラツキが発生すると考えられるため

今回測定したWeb音楽メディア

CINRA(@CINRANET)
音楽ナタリー（@natalie_mu）
Qetic（@Qetic）
TAIWAN BEATS @ JP（@TaiwanBeatsJP）
Rolling Stone Japan（@rollingstonejp）
BASEMENT-TIMES（@basement_times）
and_Premium（@and_Premium）
rockinon.com（@rockinon_com）
BRUTUS（@BRUTUS_mag）
オトトイ（@ototoy_info）

※一部音楽専門メディアではないものがあります。

結果

消化金額：￥1,689
総リンククリック数：38
総Imp：8,946

　【Imp500以上】CINRA、ナタリー、basement-times、BRUTUS、rockinon.com
　【Imp500以下】上記以外

＜サマリ＞
CTRでは、高い順にCINRA＞rockinon.com＞Basement-times＞BRUTUS＞ナタリー
CPCでは、安い順にBRUTUS＞CINRA＞Basement-times＞rockinon.com＞ナタリー

・ナタリー（128.7万フォロワー）とCINRA（15.9万 フォロワー）では、今回はCTR／CPCともにCINRAに軍配が上がった。⇒クリエイティブとの相性か？
・Basement-times（2万フォロワー）は更新停止している（なんならサイトが落ちてる…ｗ）にもかかわらず、フォロワーの質が安定している⇒Basement-timesの姿勢に共感し、インディーズアーティストに意欲の高いフォロワーが多い…？
・BRUTUS（13.8万フォロワー）はCPC低い。BRUTUSに特化してフォロワーターゲティングやクリエイティブを作りこめば今後良いリードが取れるかもしれない
・rockinon.com（26.1万フォロワー）はCTR高いがCPCも高く、今後同様の取り組みをする場合は、一定の広告費を投じる必要がありそう

この実験、やって意味があったのか？2つの視点から考える

無料エリアのまとめとして、「これやって意味があったのか…？」という点をお伝えします。

今回、インプレッションベースで言えば失敗、インサイトベースで言えば成功と言えると思います。

（1）1,700円払ってImp8,946は正直もったいない…

今回、予算1,700円に対し、総Imp8,946を獲得しました。（1imp=0.2円計算）ここをどう評価するか、という話になるのですが、、、

①オーガニックとの比較

今回は、プロモーションツイートの他、オーガニックでも拡散しています。

↓オーガニックツイートはこれです

【新着】

「台湾インディーズ音楽カオスマップ 2020年版🇹🇼」を公開✨

ジャンル分けされた中から、あなたの好みに近い音楽を簡単に探せます。
約200アーティスト掲載🎈✨

今すぐアクセス🙌https://t.co/57eNhMLDn7#台湾インディーカオスマップ

— 中村めぐみ / ぐーちゃん (@Tapitea_rec) December 30, 2020

プロモーションツイートとオーガニックツイートを比較すると、オーガニックで獲得したインプレッションの方が遥かに高いです…ｗそういった意味では、1,700円投じて無駄だった…といえるかもしれません。

※オーガニックツイートのパフォーマンスを有料エリアに貼ります。

②相場との比較（できてません）

1インプあたりのコストで言うと、どうなんでしょう。ググっても相場が出てこなかったので、だれか詳しい人教えてくださ～い！！

（2）今後の発信の方向性のベンチマークができた⇒有益！

SNSプロモーションでは、クリエイティブが重要と言われます。今回、パフォーマンスが高かったWebメディアの方向性＝自サイトのクリエイティブと相性が良いと言えます。

たとえば、ナタリーはCTRもCPCも低いのですが、ナタリーのフォロワーの質が低い、と考えることもできますし、今回のクリエイティブとは相性が悪かっただけ、と考えることもできます。

逆に、CTRの高かったCINRAやrockinon.com、Basement-timesあたりは相性が良いと考えられるため、これらのメディアをベンチマークして情報発信を続けていくこともできます。

測定が終わった後、まじまじと見てみたのですが、ナタリーさんの見出しのつけ方や企画の方向性は自サイトとはちょっと異なり、逆にCINRA、rockinon.com、Basement-timesは少なからず共感できる部分がありました。

この感覚を数値ベースで裏付けることができただけでも、大きな収穫かなと感じています。

結論として、「ベンチマークできたし、やってよかったわ～！」と言えるかと思いました！＾ー＾

有料エリア（クリエイティブ、エビデンス、調整で苦労したところ など）

以下、有料エリアに、

・広告グループ（＝Web音楽メディア）ごとのImp／CTR／CPC情報（スクリーンショット直貼り、加工なし）
・プロモツイートのクリエイティブ
・オーガニックツイートのクリエイティブとパフォーマンス
　（＝お金かけずにどこまでいけるか。パフォーマンスはスクリーンショット直貼り、加工なし）
・パラメーター調整で苦労したところ
をお伝えします。

それ以外の情報はありません。めっちゃ興味ある方だけお買い上げください。笑

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