楽をしようとする、おまえ

書くなら、調べなければならない。物書きの基本らしい。皆、有益で面白い文章を探している。私の頭の中が気になるひとはいない。私の文章ならなんでも読みたい、などと言うひとはひとりもいないのだから、調べなければならない。調べた事実を正確に書かなければならない。嘘をついてはいけない。ひとはすぐ嘘をつく。一番頻度の高い嘘は「うそじゃないです」だ。

話を戻しましょう。書くときに、頭の中身を言語化するだけなら容易いでしょう。何もいらない、スマホだけあればいい。思ったことを書けばいいのだから。楽でしょう。ほらほら。すぐに楽をしようとするでしょう。ごめんなさい。頭の中にあるストーリーや語彙力のみでは到底有意義な文章が書けるはずないもの。であればどのように楽して乗り切りますか。たとえば切り口の斬新さであるとか、アイデアの唯一無二感とかで乗り切ろうとするでしょう。でも、それができたとしても、所詮は出来損ないの脳みそなんだから、文章のおもしろさや、奥行きや、思慮深さで、読者に感動を与えることはできないんだよ。薄っぺらいんだよ。おまえ。書きたいくせに、ベストセラー作家に憧れているくせに、調べない、楽をしようとする。書くことに限らず、なんでもそうだ、楽な方へ、楽な方へ。おまえ。

今日も、最後まで読んでいただきありがとうございます。自分に向けて言ってみても、なにが変わるとも思えない。おまえは変わらないな。

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