秋田市街から行きやすいけど知られていない地蔵田遺跡にふらりと立ち寄る
出張で秋田に行くことになったので、空き時間に立ち寄れる遺跡はないかと調べたところ、空港から市中心部に行く途中に国指定史跡の地蔵田遺跡があり、弥生の村を復元した「弥生っ子村」と、旧石器から弥生までの遺物を展示する出土品展示施設があることがわかったので行ってみることにしました。
地蔵田遺跡があるのは「秋田市御所野地蔵田」、岩手の有名な御所野遺跡と同じ「御所野」という地名ですが、これは「大名行列が通る際の休憩所」という意味の江戸時代由来の名のようです。
さて、この地蔵田遺跡が位置するのは御所野台地の一角、行ったときちょうど「縄文時代晩期の御所野台地」という企画展をやっていたので、このあたりの遺跡の様子が少しわかりました。
地蔵田遺跡がある御所野総合公園とその周辺の住宅地、そしてイオンモール秋田を含む全体が台地になっていて、旧石器から近代に至る遺跡があちこちから出ているとのこと。秋田市遺跡地図からもその様子がわかります。
なかでも、地蔵田遺跡は木柵で囲まれた弥生時代のムラが全国で初めて発見された場所だということで、竪穴式住居を復元し展示しているそうです。そして、旧石器と縄文中期の遺物も出土していて、それらが出土品展示施設に展示されています。
まずは土偶
土器などいろいろ(縄文と弥生の区別はありません)
最後の環状石斧はあまり見たことがないですが、旧石器時代から弥生時代まで出土例があるそうです。
続いて、縄文時代晩期の御所野台地のものも。
これらも質感はザラザラとしたものが多く、細工もそれほど細かくはありません。最後の土面は亀ヶ岡遺跡のものに似ている感じもして、文化的な交流があったことを伺わせます。
秋田はアスファルトが豊富に算出する地域で、そのアスファルトを使って青森や北海道の人々と交易を行っていたことをうかがわせる資料も出ているといいます。
県北の大湯環状列石や伊勢堂岱遺跡は南北海道北東北の縄文文化券の一部になっていますが、県央、県南の縄文遺跡はあまり知られていないような気もします。この地蔵田遺跡はイオンモール秋田の近くにあり、秋田市中心部からもアクセスが良く、公園内にあるのでふらりと行くには最適ではないでしょうか。
こういうなにかのついでに行けるような場所も、機会があれば少しずつ探索していきたいと思います。