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【アーセナル】PremierLeague/第13節/vsChelsea(A)【ごとこの備忘録】
CHE 0-1 ARS
ARS:ガブリエル 63'(サカ)
🍿 Watch it all again...
— Arsenal (@Arsenal) November 6, 2022
😍 The perfect end to the week
📺 Highlights | Chelsea 0-1 Arsenal pic.twitter.com/QDlSRyVQmH
試合前展望
前節はホームでチューリッヒに辛勝を収めるなど、ノッティンガムフォレスト戦以前のような不安なパフォーマンスを見せてしまったアーセナル。
ただ、10月におけるMOTMにアルテタが、またGOTMにトーマスとPOTMにジャカがそれぞれノミネートされるなど苦しいながらも良い記録を残していることも事実である。
対するチェルシーは9月にポッターがブライトンから引き抜かれ就任し現在チーム作りの最中、また怪我人が主力組から何人か出ている。加えて直近のスタンフォードブリッジ2戦はアーセナルの2勝と記録的にも相性は悪くない。
またかつてのエース、オーバメヤンが出場することが予想される。新エースジェズス率いる生まれ変わったアーセナルの力をぜひとも見せつけ勝利を収めたい。
各選手の評価
GK アーロン・ラムズデール
飛び出しからのクリア含め、数少ないチェルシーのシュートシーンをストップ。後ろの憂いが全くない安心感をもたらした。
LSB アレクサンドル・ジンチェンコ
怪我から復帰後慣らし出場無くいきなりスタメン出場となったジンチェンコ。だがその理由を遺憾なく発揮、類まれなるポジショニングで自陣から脱出する糸口を作り出していた。
LCB ガブリエル・マガリャンイス
サリバの活躍に目が行きがちだがこの男も安定の一言、イメージ的にはサリバが100点ならガブリエルも90点レベルのプレーを見せただろう。また何といってもCKに上手く足で合わせ待望の先制点をチームにもたらした。ビッグゲームに本当に強いガブリエルである。
RCB ウィリアム・サリバ/アーセナル公式,プレミアリーグ公式,個人的MOTM
最早笑う事しかできない、文句なしのハイパフォーマンスを存分に披露した。簡単に蹴り出さず意地でも繋ぎ続ける技術と落ち着き、チアゴシウバに全く負けない1vs1の制圧力、更に高い位置でのボール奪取から本職WG顔負けのドリブル突破等挙げればきりがない活躍っぷり。チェルシーの攻撃シーンにおけるスタンフォードブリッジの盛り上がるホームファンを一人で完全に黙らせた。この若さでこの完成度、なんという男なのだろう…。各所からのMOTM受賞も納得の働きであった。
RSB ベン・ホワイト
ホワイトの今シーズンベストゲームクラスではなかっただろうか。特に攻撃時の存在感はピカイチで、早い時間に良い位置からシュートを2本記録したのがまさに象徴的だろう。また決死のプレスバックでチェルシー側1のチャンスをクリア。攻守に奔走した最強のユーティリティ選手だった。
DMF トーマス・パーティ
後頭部に眼でもついてなきゃおかしいくらいの失わないドリブルでタメを上手に作り出していた。相手が足を出そうとする直前に散らすので、次から守備に行きにくくなるような厄介さがトーマスにはある。特に相手を嘲るようかのような浮き球での配給はかなり前進の手助けになっていた。
LIH グラニト・ジャカ
難易度の高い、狭いパスコースにズバズバ通しては攻撃を大幅に加速できるハイリターンを得るようなパスを試合開始から見せつけた。トーマスと似たように、相手が触れるギリギリのところで意表を突くようにサイドを変えるので、手薄なサイドのチェルシー陣形側から効果的に前進出来るように配給出来ていた。
RIH マーティン・ウーデゴール
ウーデゴールは特に低い位置での囲まれた自選手たちの出口となるような活躍が一番目立っていた。視野が広いので詰められても焦らず突破、中距離のパスでポジトラ開始のスイッチとなっていた。
LWG ガブリエル・マルティネッリ
大外をえぐるドリブルはやはり脅威で、ガビ得意のエンドラインぎりぎりを攻めて最低でもCKを獲得するプレーを今節も見せた。そして試合終盤でもエネルギー切れを起こさずファールを貰える胆力も同様に発揮。2年前の独走弾を演出したヤングスターは今季もスタンフォードブリッジで輝いていた。
RWG ブカヨ・サカ
試合序盤にククレジャからファールを貰い良い位置でFKを獲得するなど悪くない入りであった。が、決定的な仕事をさせてもらえないというか、ククレジャに封じ込められてる訳ではないがシュートまでは持っていけないという微妙な印象があった。それでもCKからガブリエル弾をアシスト、不調なりに結果を残せた。
CF ガブリエル・ジェズス
今節こそ得点を決めて欲しかったがまたしても無得点で終わってしまった。独力で3人ぶち抜いてのシュートや高い位置でボール奪取しショートカウンター発動後シュートなどチャンスはあるものの決められず、本人にとっても歯がゆい展開だっただろう。ただそれ以外の仕事は素晴らしいのも同様に続いており、チームにとってやはり必要不可欠な選手であることに疑いはない。
試合展開
スタンフォードブリッジでのビッグロンドンダービー。チェルシーは中盤から後ろは固定的なものの前線が流動的な4312と4231を使い分けての守備陣形となっていた。少々変則的なフォーメーションを使い分けるところにポッター節が感じられた。
これに対しアーセナルは、復帰したジンチェンコの適切なポジショニングを筆頭に、自陣におけるビルドアップでは後ろ5枚で相手の前線4枚に対し優位を持って繋ぎ前に運べていた印象。ここはチェルシー側の前プレがそこまで圧力高めではなかったこともプラスに働き、あまり苦にせず突破できていた。
特にサリバ、トーマス、ホワイトのパス回しは異次元であった。失うと即ピンチの低い位置であるにも関わらず引くほど落ち着いてのワンタッチ打開でファーストプレスを突破し、前がかりになり間延びしたチェルシー陣内への侵入の大きな助けとなっていた。
印象的なのが以下のシーン。
Here you go! What a move 🤤 https://t.co/qlrA0NdFaK pic.twitter.com/kAD3TmR34a
— Arsenal (@Arsenal) November 7, 2022
ただ肝心のシュートシーンは数えられるほど。例えるならシュートの一歩手前までは100点に近い内容でも、その後は60点レベルといった内容で中々得点を決められない歯がゆさがあった。
対するチェルシーは、ボールを奪取しても長い球を送るか横パスでお茶を濁すかの2択しかほとんどの局面において選択しておらず、アーセナルとは対照的に良いビルドアップの形を作れなかった。
ただハヴァーツがチャンネルランを執拗に狙い、張ったスターリングから配給されるシーンなどは何度かあり、決してアーセナルのゴールが安泰というわけではなかったのも事実。それでもオーバメヤンには全くと言っていいほど仕事をさせず完全に沈黙させた前半であった。
後半も大局は前半とそう変わらなかったが、若干チェルシーサイドの攻撃に迫力が増してきたような展開に。それでも共にゴールは生まれないお堅い試合推移に。
前半はマルティネッリ、後半はサカと入れ替わってサイドに張り違いを生み出そうとするジェズスなど、どうにかしてゴールを生み出したいアーセナル。
そして待望の瞬間はセットプレーから生まれる。63分、処理の難しい鋭い弾道のCKをサカが蹴ったところからガブリエルが押し込んで先制点がアーセナルにもたらされる。どっちに転んでもおかしくない展開になりつつあった中での得点で、ただの1点以上の価値があるゴールとなった。
サカのコーナーからマガリャインスのゴール⚽️#マガリャインス #サカ #アーセナル pic.twitter.com/rICQBThAZb
— MUSA (@2BakedSausages) November 6, 2022
それでもポッターは交代策を織り交ぜながらどうにか盛り返すことを狙った。実際に、ブロヤ、ギャラガーらの投入で攻撃局面に新しい風が入り、少し息を吹き返したように思えたチェルシーではあった。が依然シュート自体は打たせてもらえず、徒にボールを持つ時間が増えただけのように見えた。
ただアーセナルも同じような展開に。かなり良い位置でサカ、ウーデゴールそれぞれにシュートチャンスが生まれるも決められずチャンスを無駄にしてしまう。追加点を狙いに行くことと先制点を守り切ることの折り合いを上手く付けなければいけない時間帯に。
そうして78分にはティアニー、86分にエルネニー、94分にはホールディングの投入とチーム全体における逃げ切り成分を徐々に高めていくアルテタ。ティアニーはギャラガーのイエロー誘発、エルネニーとホールディングで伝家の宝刀5バックを発動するなどしてチェルシーの攻撃をシャットダウンする方向に。
そうして、時間稼ぎ目的のジャカによるチャロバーとの小競り合いなど適度にエンタメ性もビッグロンドンダービーに飾り付けつつ、無事にガブリエルの先制点を守り切ったアーセナル。今季執り行われたビッグ6直接対決において、唯一アウェーで勝利したチームとなった。
全体の雑感
ホームでのNLDとリバポ戦に加えアウェーでのBLDも勝ち切ることが出来、もはやその強さはまぐれではなく本物であることを証明したアーセナル。まさに"North London is RED."である。
それも決して数少ないチャンスを半ば偶然ゴールにして命からがら守り切った、などという消極的な勝利ではなく、スタンフォードブリッジの雰囲気を跳ね返すような、自信に満ち溢れたゲーム支配力を持って上からねじ伏せた、そんな表現がぴったりと言える試合だったのではないだろうか。
その中でもサリバ、トーマスは別格の働き。好調な試合運びを見せるアーセナルの中でもこの2人は主人公かのように全局面で輝きを見せていた。2人がボールを持って何かアクションを起こせば凄すぎて毎度笑ってしまう、そんな風に1ファンとしてワクワクする試合であった。
W杯前の過密日程における最後の難関であったチェルシー戦を無事勝ちきっての首位キープとなった。これはヤングアーセナルが更なる高みへと昇るという意味合いにおいてとてつもなく大きいものであるだろう。
そしてこの第13節(女王の崩御に伴なう延期分の試合があり実際には13試合消化)時点においての総勝ち点数が34ptとなり、これはプレミアリーグの創設以来アーセナルにとって最高の勝ち点数となった。他にも様々な名誉ある記録を打ち立てており、素晴らしいリーグ前半戦を現在進行形で送っている。
次戦に向けて
次節は木曜日。対戦相手は、好調で話題となっている三笘が在籍しており、こないだもチェルシー相手に4-1大勝を上げたブライトンである。
ただカップ戦という事である程度メンバーを落としてくるだろうことが予想される。アーセナルも勿論大幅なターンオーバーを行い、主力組の怪我人など万が一にも出さないよう注意して臨むべきところ。W杯突入前に良い勝利を収めた中、水を差すような禍根を残さないで欲しい。
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