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【アーセナル】PremierLeague/第19節/vsManchester United(H)【ごとこの備忘録】

試合前展望

 ムドリクの一件以降急転直下の迅速なトロサール獲得に始まり、キヴィオルやフレスネダといった若く他リーグでの実績十分な選手を獲得間近など堅実で的確な補強計画を進めているここ数日のアーセナル。CL権獲得、リーグ優勝に向けて良い動きを冬のマーケットで見せている。

 さていよいよリーグも折り返しの19試合目。相対するのは前回アウェイで今季唯一の敗北を喫したマンチェスターユナイテッドである。

 名門クラブとして復権の兆しを見せている両者。前回対戦時よりもチーム全体としての完成度が高まっていることは明らかで更にハイレベルな試合内容が予想される。スパーズ戦に続いて難敵に勝ちきり着実にポイントを伸ばしたいところ。

試合結果

ARS 3-2 MUN
ARS:エンケティア 24'(Aジャカ) 90',サカ 53'(A冨安)
MUN:ラッシュフォード 17'(Aフェルナンデス),マルティネス 59'
PL公式MOTM:エンケティア
ARS,個人的MOTM:ジンチェンコ

スターティングメンバー

左アーセナル、右ユナイテッド

試合展開

 例年より今季特にホーム勝利数が多く、またサポーター達の声援もここ数年で最大と言える熱量を放ち、まさに要塞と化しているエミレーツスタジアム。だが予想とは裏腹にユナイテッドがボールを持ち攻め立てるシーンが試合開始から何度も見られた。

 ユナイテッドは可能性の低いロングボールを用いたダメ元の攻略法でなく的確に選手が連動しショートパスを繋いでくることが出来ていた。継続してアーセナルのボックス付近に迫ることができ、早々にスコアとしてその攻勢が現れた。

17' アーセナル陣内でボールを奪ったところからラッシュフォードがドリブルで前進、そのまま狙いすましたミドルでユナイテッド先制

 対するアーセナルはここまでトーマスやウーデゴール、マルティネッリら核となる選手のパスずれが気になる展開であった。それが結果として攻撃の停滞だけでなく相手の先制点のきっかけに繋がるミスとなってしまい芳しくないスタートに。

 ただこの先制点で目が覚めたのか、徐々にいつも通りボールが循環するように。即座に立て直したアーセナルが僅か7分後に試合を振り出しに戻す。

24' ショートコーナーから左サイドでオーバーロードする形を作り、フリーになった大外のジャカが上げたクロスにエンケティアが頭で合わせアーセナル同点

 その後も互いに攻める時間を作り出す展開に。ただ決定的に違ったのはその攻撃の終着地点である。相手ボックス内タッチ数からも分かるように、ユナイテッドに対してアーセナルの方がゴールに近い形で攻撃を終わらせることが出来ていた。

 だが結局どちらも追加点を得ないまま後半へ突入。ここで前半の早い時間にイエローが出され強度高く当たることが出来なかったホワイトに代わり冨安が投入される。

 この冨安との連携が良好であったサカが青天の霹靂といえる勝ち越し弾を記録することに。

53' エリア外でカットインしたところからゴール右隅へスーパーなミドルを放ちアーセナル逆転

 ただ冨安は守備面では好調ラッシュフォードに手を焼いていた様子。ここの1vs1を御しきれず取られたCKからユナイテッドが追いつく事に。

59' CKからマルティネスの救い上げるようなヘディング弾でユナイテッド同点

 まさに好調上位陣同士のハイレベルなシーソーゲームという格好。両チーム攻め手を多く持ち互いの良さを押し付けあう、迫力ある後半戦の佳境へと突入した。

 ただユナイテッドは前節PLがミッドウィーク開催という事もあり徐々にインテンシティを落としていったように見えた。トロサールのデビューも挟みつつラスト20分程度はアーセナル優勢の様相を呈していく終盤。そして波状攻撃をかけチャンスを決めきったのはアーセナルであった。

90' トロサールがHSでドリブルしフリーの大外ジンチェンコへパス、折り返し合わせたウーデゴールのシュート性の浮き球にギリギリ触ることの出来たエンケティアが勝ち越し弾を記録、アーセナル3点目

 際どかったがVARの結果ジンチェンコ、エディ共にオフサイド無し。残り数分落ち着いて時計の針を進めたアーセナルが無事逃げ切り勝ち点3ptを獲得。

ピックアップ選手

アレクサンドル・ジンチェンコ

 前節に続きまたしても素晴らしい活躍を見せたジンチェンコ。特に前半は右サイドでの繋ぎにミスが多く見られたことも重なり、ピッチの至る所に顔を出してはボール回しの潤滑油となっていたジンチェンコが左サイドを活性化させていた。周りが良く見えているからこそ散らしの作業で無駄な動き無くプレスが来る前に捌くことが出来ており、それでいてWGへのサポートも忘れることなく捨て走りで手厚く行っていた。

エディ・エンケティア

 ビハインド経験が少ない今季のチームのピンチを救う同点弾、そして90分に劇的な勝ち越し弾を記録し、2Gという堂々たる結果を残して見せた新エース。ボールが来そうな場所に適切に飛び込む嗅覚、ゴール前でのワンタップシュートが得意というジェズスとはまた毛色の違うCFとしての強みを遺憾なく発揮した試合となった。

ブカヨ・サカ

 最近のマルティネッリの、ボールを持った時の引き出しの少なさによる行き詰まり感も相まって、明確にアーセナルの強みとなり右サイドで輝きを放っていた。アーセナルの2点目はまさに何もない所からの個人の技術力全振りなゴラッソで、そのスター性を感じさせるゴールとなった。

全体雑感・次戦に向けて

 かつて覇権を争った名門アーセナルとマンチェスターユナイテッドがこんなにもレベルの高い打ち合いを演出しただけでも感慨深いのに、先制されても落ち着いて逆転し追いつかれても勝ち越す確固たる強さを発揮したアーセナルが本当に本当に誇らしい。

 前回対戦時よりもユナイテッドがさらに強くなっていたことは誰の目にも明らかだった。その相手に劇的な逆転勝利を収め歴史的な瞬間に立ち会えた事をとても誇りに思う。この試合のことは死ぬまで忘れないだろう。

 さてこれで19試合を消化し勝ち点は丁度50ptと、勝ち点100ptペースという100点満点に近いリーグ前半戦を演出出来たアーセナル。他のビッグ6の不調も重なり抜き出た結果を残している現在、夢のリーグ優勝ももしかしたら本当にあるかもしれないと期待せずにはいられない。引き続き目の前の一試合一試合を大切に戦い続けて欲しい。

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