助けてくれ、スプラの神様

皆さんはSplatoonのプロゲーマーにどのようなイメージを持たれているだろう。任天堂と言う業界随一の制作物のプロなんだから、そこまでゲームをよく知らない人たちも、もしかしたらちょこっと耳にしたことがあるかも知れない人もいるのではないだろうか。

メジャーなチームで言うと『GGboyZ』『Calamari』なんかが浮かぶと思う。もしかしたらそれしか浮かばないかも知れない。競技シーンを知っている方なら『うまこ』や、記憶に新しい『夏影』なんかがプロチームではないものの、半固定チームもしくは大会限定のチームとしては浮かんでくるかも知れない。

しかし、Splatoon2の競技シーンと言われるレベルで今現在結果を残せているプロチームは存在しているだろうか。結果というのは少なくとも3位以内、つまり入賞圏内である。残念な事に存在していないのだ(pixio monsterも解散してしまった・・・)。Splatoonの競技シーンはアマチュア選手によって支えられている。レベルが低いと言いたいわけではない。むしろレベルが高すぎるとすら思ってしまう選手が大勢いる。

では何故、そのアマチュアにも関わらず高いレベルで戦っているプレーヤーがプロという肩書きを背負わないのか。もちろん個人の事情や考え方がある事は前提にあるのだが、Splatoon2のメジャー化最大の障壁ことゲームバランスの調整が大元の原因にあると思われる。

大乱闘スマッシュブラザーズSPECIALのバランス調整は、上位の実力者に合わせた調整を行うという前提を基に行われている事は有名な話だ。ではSplatoon2はどうだろう?

初期環境はヒッセンが全ての短射程武器の上位互換として君臨し、またある時はスプラチャージャー(ハイパープレッサー)が全ての長射程武器の存在意義を文字通り無きモノにした。今現在はチャージャー種、ジェットスイーパー種以外の長射程は競技シーンではまず活躍する事は難しく、直近の競技シーン最上位の大会であるエリア杯(54回)では、予選突破した11チームの内、スピナーはクーゲルシュライバーヒューが1チームのみ、その他にエクスプロッシャーカスタムが1チームのみで、ジェットスイーパー系が4チーム、チャージャー系が5チームと後衛武器種に明らかな環境上の性能差が見える結果になっている。勿論前回、前々回と遡っても基本的に後衛武器はこの2カテゴリの武器が上位の大半を占めており、入ってしまえばエクス、もしくはスピナー種の武器は死に武器となってしまっている。

勿論、その死に武器でのし上がってくる猛者もいる事にはいるが、環境に逆らうにはそれだけの練度が必要だ。XP3000達成武器にバレルスピナーリミックスという武器があるが、競技シーンにおいては狩られる側になってしまっている。また、もう一つのXP3000に到達したスピナーであるバレルスピナーデコに至ってはほぼ見ない武器だ。

ゲームにおいて弱武器と強武器が存在する事は決して悪いことではない。しかしそれはカテゴリ内においての強弱があって然るべきであって、カテゴリ丸ごと弱武器という扱いはあってはならない事だと思う。バケットスロッシャー種にしても1〜2人の圧倒的実力を持つプレーヤーはいるものの、実際は環境の塗り重視がそのまま立場を悪くさせている。エクスプロッシャーに関しても、環境的に塗りの強いシューターが多くを占める環境でイマイチその塗り特化した性能を活かし切れていない。

このような調整は全てスプラの神様こと運営、制作のみなさまによって行われている。確かに世代問わず熱くなれる素晴らしいゲームであると思うが、そうであるが故にもう少しプレーヤー側に寄り添った調整は望めないのだろうか。せめて武器調整の基準だけでも教えてくれないだろうか。想定した性能とは異なる強さを発揮した武器なるモノに、調整が入ることが多いが、調整内容に納得のいくものがこんなにも少なくなるだろうか。H3リールガンのインク容量を調整して塗りという特徴を奪ったり、クーゲルシュライバーの長射程モードを何故か弱体化して、近付いても倒されてしまうと言われていた短射程モードに殆ど手に付けなかったり。オーバーフロッシャーが公式大会でひと騒ぎ起こして弱体化されてしまったが、今の環境なら少なくとも調整前の性能でも十分だろう。

某Splatoon1にて名を轟かせていたスピナー使いの方がレベルデザイナーとして働いていたと暴露した生放送があった。レベルデザイナーというのは簡単に言うと武器やステージの調整を行う方々のことである。確かにコンプライアンス的に彼の行った事は良いことではない。しかし、聞くに間違いなく実績(現GGboyZのたいじ選手、ダイナモン選手、無所属のぱいなぽ〜選手と共に一時期の大会タイトルを総ナメにしていた)のある彼がやらせてもらっていたのはステージの細かい調整のみだと言う。武器の調整は殆どSplatoon2をプレイしていない上の立場の人間だと言う話であった。勿論、この話の信憑性はよくて60%程度のものだと思う。ただ、幾度もあった武器調整アップデートの内容を見るとあながち間違いでないと思えるのだ。

この問題を解決しないと、ユーザーは上手くなるにつれて離れていってしまうだろう。プレイ環境が安定せず、アップデートが入るたびに皮は同じで中身が全く別物状態、前環境で必死に練習して競技シーンレベルまで練度を上げた結果、すでに強みを取り上げられて中身すっからかんな武器になってしまったなんて事が起こり得るゲームでそれこそプロになりたいなんて思えないだろう。なんせ、努力が無駄になる可能性があるのだから。中途半端なX帯プレーヤーである自分ですら、今のSplatoonをプレイするのは少しばかりの体力がいる。だからこそSplatoon3では良い方向にプレイ環境が傾いてくれればと思う。