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ffffffffff(フォルティッシシシシシシシシモ)歓喜に歌え歌え歌歌歌!!!!

その人にとって生きることが不幸な場合、幸福とは何なんだろうか。

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何回宝塚に行ってもなんか記念に撮ってしまう像。
これ見るとワシャ宝塚に来たんじゃあ!って感じがするんで好きです。

つまりそう、雪組公演の感想です。ネタバレしないと感想話せない内容だったので、ネタバレあります。
そうっすね、まあ大体どんぐらいかと言うと謎の女の正体とかは書いてない程度。

関係ないけど東京公演のデザートがあったなら、
名前は「ドルチェッシッシモー柑橘に歌えー」とかじゃないのかなと考えてました。
答え合わせしたかったすな〜。

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さて今回チケット争奪戦にことごとく惨敗し
肩が落ちすぎて地面にズルんじゃねえか?と言うほどの感じで過ごしてたんすけど、
なんやかんやあって元旦に観劇しました。そんな事ある?

その後もこうね、人の心の温かさに感謝するような出来事が色々あり、
宝塚好きで良かったな〜と思う瞬間がいっぱいあったんすよ。
宝塚ファンは本当に優しい人がいっぱいだぜ。

しかしワシャこの元旦に全てを賭ける。Fate City宝塚市。


いやね、ずーっと憧れだったんですわ、元旦観劇。
まさかかなう日が来ると思ってなかったから、嬉しくて嬉しくてね、もうその時点で歓喜に歌ってました。
網膜に焼き付けたあと、家帰って絶対網膜剥がして保管しようと思ったもんな。
まあ実際そういうわけにも行かないので記事にしたんすけど。

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正月といえど例年と違いログインボーナス(三が日に配られるポストカードの事)とか、
ロビーの演奏とか何だっけ、あの酒樽叩き割るヨイショー!的な奴はナシです。まあしかし鏡餅がデカくて良かったので見てください。
元旦にタカラジェンヌが酒樽叩き割る行事は元から無いです。)

今回心が浮き足立ってたので公演ジェラートつうやつも食いました。

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チョコレートの濃いヤツで美味かったです。

大劇場のジェラートには「すみれ味」てのがあるんすけど、宝塚来たぜ!って感じがするからそれもオススメ。


どんな味か?と聞かれたらすみれ味としか言えないけど好きっすよ。美味しいよね。


でまあ席に着いてですよ。プログラム、熟読しますわな。
どの演出家の先生もそれぞれ好きなんすけど、上田久美子先生と生田大和先生は
どっちも人間の内部で爆発するエネルギーの表現に強みがある人達ってイメージなんで期待大なわけです。
感情としての名詞が付けられる前の、エネルギー源みたいなものが作品に出るというかね。
読んじゃうよな寄稿された文も、全部。

生田先生「追囁の輪廻」

つい?ついし・・・ついしょう?のりんね??

いや一体何て読むんだ、あの昔あった演目の伝説的振り仮名のサブタイトル、「BUND/NEON上海 ー深緋の嘆きの河-(こきあけのコキュートス)」的にフリ付けてくれとね、思いながらも。
生田先生のフルスロットル感に期待が高まるわけですわ。

ちょうど読み切ったあたりで周りの人が「生田先生文字多過ぎて読む気にならない」って言ってて

ヘヘッ目にもの見せてやりな大和ぅ!って何故か敵の幹部みたいな気持ちになりました。

誰の立場なんだよ。


そうこうしてる間に緞帳が開くわけですわ。一幕は芝居。
この緞帳が開いた時の幕も観劇の楽しみってやつですよね。

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今回芝居のfff-フォルティッシッシモ-~歓喜に歌え!~は
ベートーヴェンがどうして交響曲第9番を作曲するに至ったかという話。

この芝居の演出家の上田久美子先生にとって「ベートーヴェンがどういう存在なのか」というのは、


2013年の宙組公演「翼ある人びと」を観てたら大体わかるんすけど。
観たことない人は本当に是非ね、観て欲しいですね。

個人的に上田久美子先生の作品に出る音楽家や芸術家に共通するキーワードは「至高、高み」なんだと思ってます。

翼ある人びとは音楽家仲間同士の友人関係や情愛の美しさが際立ってたんすけど今回のfffもまた、友人の描写が素晴らしかったんすよね。
優しいんだよな。ベートーヴェンの周りの友人たちが。

まあ先人たちは死後に神の世界からわざわざ降りてきて、智天使様の機嫌取りの為、耳に綿をぶっ刺して聴覚殺しに来るけどね。

サリエリだけがずっと楽しそうで良い。

友人もこう、優しいんだけども、その優しさが必ずしも相手に寄り添うわけではないのが見果てぬ夢届かぬ恋すべては蜃気楼つって。(ENDLESS DREAM)

またそう、翼ある人びとの主演だったブラームスが朝夏まなとさんでfffの主演のベートーヴェンが望海風斗さんってのがねグッと来ますわな。

どちらも花組出身、一期違いで仲が良く、それぞれ宙組、雪組に人事異動があった後、トップスターになってるわけですよ。
ルーツを同じくして、持ち味は両者違う。
その二人が上田先生の演出する音楽家を演じるって何つうこっちゃ必見すぎると、なるわけですわ。

翼ある人びとで描かれるベートーヴェンは後世の音楽家にとって偉大な存在であると同時に、呪いみたいな側面もあるんすね。
どの音楽家がどんな交響曲を書いても無意識にベートーヴェンに引っ張られるような描写が結構あったりして。

主人公ブラームスはベートーヴェンを心から尊敬していると同時に、幻影みたいな物まで見てしまうほど囚われてもいる。
そんなブラームスがベートーヴェンのどんなところが好きか答える場面があるんすけど、

「あるべきものが全部あって、無駄なものがないところ。」と答えるわけですよ。

そして今回の公演fffの中で演奏会の後、恋人(なお後でフラれる)に自分の曲の感想を聞き、
「素晴らしかった、息が止まるほどに」と言われたベートーヴェンは言うわけですね。

「それが全てだろう!」


このセリフを聞いた時に、ブラームスはその楽曲を通して正しくベートーヴェンの姿を捉えてたんだなつって、なんだか胸が熱くなりましたわな。
楽曲に全てを込めてるわけですよベートーヴェンは。
そしてそれは後世に確実につながったんだなつうのが見えるというかね。

ハッハ〜〜〜ン!!!(やったーーー!!!)

ってなりましたね、観てて。すぐ歓喜するからねもう。
メッテルニヒの言う通り「ラクになれたら音楽でも革命でも何でも良い民衆」そのものなもんで、都合良い解釈しがちですよ。こちとら。

あとはやっぱ謎の女とウェルテルとゲーテとベートーヴェン、
ベートーヴェンの夢の中のナポレオンの繋がり。ね、これももうどうすんだと、たまんねえだろと。何がどうたまんねえか、ちゃあんと言語化すると、

ベートーヴェンは死ぬ直前にみるロシアの雪原の夢でナポレオンと邂逅し
生きることとは不幸なことであるという潜在意識に気が付くんですよね。

ここで道を示すのがゲーテじゃ無いというところが、ハッハ〜〜〜ンですわ。
この雪原のシーンで提示される道こそ「我が戦闘は人間の願い」という言葉で登場するナポレオンの伏線がようやく回収される瞬間なんすよね。ホォオオオオ〜〜〜オオンつって。たまんねえよな。

では登場時に「我が文学は人間の光」という言葉と共に現れたゲーテという存在は、その光でベートーヴェンにどういう道を照らしたか。
ベートーヴェンの「月光」をBGMに進む「若きウェルテルの悩み」のシーンでは
ウェルテルがロッテとの叶わぬ恋の果てに自死を選択するわけですが
「手段として現世という牢獄からいつでも自由に脱することができる」
つうことをゲーテが説いており、まあつまり「人間が自由を得るための死」を選択肢の一つとして提示してるわけですね。そのシーンの背景に「謎の女」が現れるのが印象的です。

物語終盤で謎の女はベートーヴェンの前に現れ、自身の正体を語ります。
そして「死は救いなのよ」と説く謎の女が構えるのは「形見に貰った銃」であり、突きつけられた銃口に真っ向から向き合うベートーヴェン。

人間の光と願いが提示する、不幸から脱却するための死。
それに向き合う人間の心なわけですよ、なんちゅうこっちゃじゃないすかこんなもん。

「お前の名前がやっとわかった。
強くて綺麗な人類の**。お前の名前はー」

「   」

Foooooooo〜〜〜〜〜なんつうこっちゃRemix。


そしていよいよ「我が音楽は人間の心」という言葉で登場したベートーヴェンが最後に苦悩を突き抜けた先の歓喜に到っていくわけですね。

もうこの辺から真骨頂って感じですわ。
願いは人間全体が主語になるけども、だけは人間一人一人が主語になる。
どうすれば音楽で皆を救えるかを追求し続けた果てにたどり着くのが

ここか〜〜〜〜〜!!!GOOOOOAAAAAAALLLLL!!!!!

って観ながら思いまくりなんすよ。マジでこの盛り上がり半端ねえよな。

第九の「歓喜の歌」と呼ばれる箇所は4楽章目の第一主題で、ベートーヴェンがボンの大学在学中に出会った詩+ベートーヴェンの加筆編集で歌詞が出来てます。

勉強家だったベートーヴェンはニーチェとかと同じ大学にしっかり通ってたわけですわ。

で、加筆部分の歌詞3行が

「おお友よ、そのような音では無い!
もっと心地良い歌を、
もっと歓びに溢れた歌を歌おうではないか」

なわけですわな。
さてこの友とは作中で誰の事を指すのか。というのを考えるとグッと来るぜ。

ちなみに第九の歌詞の中には「智天使ケルビム」も出てきますんでね、な〜んで智天使とか天上界出てくんだ?って人は歌詞調べてハッハァーンてなると良いと思いますわ。

最初に書いたとおり、名前の無い感情の源が生まれるような感覚を味わうわけです。それをおそらくこの舞台では「歓喜」と呼ぶんだろうな、fff!!


観た後の年末感凄かったっすわ。本当に今日元旦だった?なんか全ての終末みたいな気持ちですけどねえつって。これからショーやるって、マジすか?

俺はワ〜ル〜だぜぇ♪

なんて飛び跳ねながら陽気に歌う元ベートーヴェンこと望海風斗さん。ニ幕のショーの話です。

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おいおい体力無限か?
もしかしてさっき一回死んで生まれ変わって来たのか?

ほんでですよ、真彩希帆さんが歌い出し何て言ったと思いますか、

「愚かなる結末のは〜じまり〜♪」


こりゃ生田大和ですわ。(敬称略)

可愛い娘役の人が開口一番「愚かなる結末の始まり」とかそういうのね、サンキューじゃないすか。なんというかこう、気持ちが?胸がざわめく的な。
おいおい、愚かなる結末、こっち見てるか〜!?ってなるでしょうよ。

真彩さんはまた去り際に高笑いしてたので、
今回の公演はいろんな真彩さんの高笑いが聴けて最高だなつって、思ったよな。

あとそう、朝美絢さんはいよいよ美しすぎて、美しい人ばっかり寵愛する国を建国してました、今年から元旦は朝美王国建国記念日になるのか〜と思いながら観てましたね。というお話。


ていうか娘役の人たちのあの衣装すごくないすか?見て良いのか?と思ったけど、めっちゃ腹筋見てしまったすんません。

そしてまさかの「BUND/NEON上海 ー深緋の嘆きの河-(こきあけのコキュートス)」で出たクラブ、大世界(ダスカ)の再登場。

こりゃ生田大和ですわ。(敬称略)

そして下手では女をはべらせまくる望海さん、上手には彩凪さんと彩風さん。チャイナドレスを最高に着こなす娘役の皆さん、全部観たすぎる。
チャイナドレスも中華服もスーツ系マフィアも全部載せ。

目を皿にしても全部こぼれるんすけど!!

あるべきものが全部あって無駄なものが無いところ!って思いましたね。

今だけ眼球草食動物の配置にならねえかな?とも思いました。

※ならなかったです。残念。

あと神の国へご案内〜みたいなやつね。

神「HEYHE〜〜〜Y!!!HO〜〜HO〜〜〜!!!!」

陽気。神は元旦から相当に陽気です。
と思ったら途中邪神同士の小競り合いみたいなのが挟まったので、年明けから神の機嫌乱高下だなと思いました。

もう神見たから初詣大丈夫だな。

キャラバン隊の方々が退団者の方中心ってのも良かったですね。キャラバンって賊に襲われんように
色んな人たちが手を組んで結成したものなので各々が様々な目的地を持って協力して砂漠越えるわけじゃないすか。なるほどね〜って。

行かないでくれ〜!!!!待って待って待って〜!!!!

ジャ、ア、ネ!!!!つってええ!?つってなるわな。ええ!?!!?何すかあ!?!!?

生田先生がもう作品通して「愛してんで〜!」って言ってんの聞こえてくる感じがしましたからね。

そうそう今回の公演は謎の二つの勢力が争ったあと全員死んで後からトップスターが出てくる
伝統的なくだりが採用されててよかったんすけど、

何も見たくない〜〜〜!!!ジャジャジャジャジャジャン!!!!ジャジャジャジャン!!

的なシーンで曲かっけーなーと思ってたら後ろの幕が目の形になったので衝撃的でした。

あとそういう場面では神としてトップスターが現れるのが通例なんすけど、

なんと盗賊のまま現れて、時を超えて色んな人の手に渡り続ける宝石に向かって

「お前の最後を俺が奪おう誰にも渡さない」


とか歌うので

ヒューーーー!!ヒューーーー!!!やるう!!!!ヨッアツいねぇお二人さん!!!!

ってなりましたね。

そんでもって黒燕尾ですよ。

みんな大好き退団の時に1番シンプルな黒燕尾を着て踊るトップスター。

みんな大好き薔薇を持って踊るトップスター。(公演コンセプトに因んで青色)

みんな大好き階段で並んだ男役が真ん中を開けてその間から次期トップスターが降りてくる奴。

全部乗せです。サンキューつってな。

そして薔薇をね、託すわけですわ次期トップの彩風咲奈さんに。京都銀行のCMくらい脚が長い彩風さんにな。

終わったらデュエットダンスですわ。このなんつーか神聖な雰囲気みたいな奴、

宝塚観てるな〜。

感がもう素晴らしいわけですよ。笑顔が眩しいんだわ真彩さんの。真彩さんの笑顔てめっちゃなんつうかなんだろうな、キュートですよね。

キュートの権化みたいな笑顔してきますからね。その度にこっちも七福神並みに目尻垂れ下がりまクリスティーヌですよ。

出来たばかりのこのパリの歌よ!?つってこっちも歌いそうになるもんな、声低いから毒飲まされる前からカッスカスの声になるけども。

いや〜長いこと書いちゃったけど何より

これ2回公演やる日があるって、マジですか?

が1番の感想ですね。そこかいて感じですが
退団者の方それぞれの見所とか色々ありますけど、何よりこれ2回もやるんすか!?スゴ!!!!ですね。

2021年の観劇初めがこの公演で良かった。

ちなみにタイトルのシシシシシシ…の数は退団者の数と揃えてみました。

そういう愛が相応しい公演だったつうわけです。

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