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地域社会活性化への取り組み 故郷の美唄を盛り上げたい(5)

折角のお盆休みなので、ありあまる時間を(笑)自由研究に充てたいと思います。久しぶりに訪れた故郷に哀愁が漂っていたので何とかしたいと思ったのがきっかけで、まずは現状分析をしてみたのが(1)~(3)だったのですが、このあと数回はこの現状を打破すべく市が取り組んでいる施策について紹介していきます。

地域社会の活性化の目的ってなんだろう?

ある行政単位の人口が減り、それに伴って税収が減り、環境整備がままならなくなって更に人口が減る。(2)で取り上げた、ある生活圏人口が2万人を切るとQoLが急激に下がっていくのでは?というデータを考えると、地方行政担当者は、兎にも角にも「人口流出を止めたい」というのが最も直近の目標になるのではないでしょうか?言葉遊びのようですが、目的は?というと、市民の生活を守ること、になると思います。
市民の定義をどの行政単位に置くかによって解釈は分かれると思いますが、私自身が行政単位として市町村合併(行政機能の効率化)には懐疑的なので、ひとまず「市」の単位は外さないように考察してみます。行政単位としてではなく、市町村の連携は最重要と考えていますが、それについてはのちほど。

人口流出を止める=既存住民の満足度を上げる

通勤も苦にならず、必要ならパートナーの働き口もあり、近所付き合いもほどほどで、日常的な買い物ができるスーパーがあり、いざというときに頼りになる病院があり、子供たちにも安全で十分な教育を受けさせることができる。で、土日休日には少し遠出をして大きな街で買い物やレジャーを楽しむ。就労年齢にある人ならこのような生活環境があればまったく問題無いですよね?より若年層、逆に高齢者層の場合は少し様子が異なるとは思いますが、それぞれの世代で一般的に望まれる生活環境をまずは整えることが最重要なはず。(必要最低限の環境という意味ではないです)
そして、その前提の上で、「この町に住み続けたい」「この町じゃなきゃ嫌だ」と思ってもらわないとなりません。外からの押し付けやインセンティブ目的ではなく、自発的に喚起される「自分が住んでいる地域に対する誇り」の様な感情を、「シビックプライド」と呼びます。地域社会活性化の試みの第一歩として、このシビックプライドの醸成が必要とされています。
ただ、そうは言われているものの、都市部の住民がシビックプライドを持って今の街に住んでいるのか?といわれるとそんな感じは全くしません。都市部では住環境、生活環境、労働環境のバランスで居住地を決めていると思うので、地方の町は都市とは全く異なる居住地としての魅力をアピールしていかなければなりません。茨の道です。

美唄でのシビックプライドに対する取り組み

そして、美唄市も2022年、シビックプライドの醸成をテーマとしたシティプロモーションを開始しました。
Bibai Be Beautiful 美しくあれ。
です。

美唄の「美しさ」を市内外に向けて発信していく、市民参加型のワークショップの実施や、コミュニティスペースの運営などでアピアランスを高めています。
とはいえ、BBBの活動はまだ始まったばかりで、かなり広範な取り組みを手探りでやってみている、という状況のようです。
一方でBBBでは、美唄の軸となる魅力を3つ挙げています。
・未来につなげる食と農
・心落ち着く春夏秋冬
・世界に誇る芸術文化
今後これらの軸となる魅力に関連した活動に集約され、市民の誰もが共通認識としてBBBを捉えられるようになると、強いシビックプライドが生まれてくるでしょう。
それに加えて Bibai Be Beautiful という言葉やロゴは、シンボルとして強いメッセージ性を持っていると感じます。このロゴ自体をプロモーションすることで美唄の認知度を上げる、外向きの活動としても有効な手段になるとおもうとワクワクします!

外向きの、シティプロモーション

シビックプライドという既存市民をターゲットとした活動に対し、外向きのシティプロモーション活動も地域社会活性化には必要とされます。人口流出を防ぎたいのであれば内向きの活動に軸足を置くべきですが、内向きだけでは市民の承認欲求が満たされないという事情があるように思います。
美唄での外向きシティプロモーション活動としては、「ふるさと美唄応援団」があります。美唄の魅力を全国に発信し、美唄の知名度を高めるなどまちづくりの力になっていただこうという取り組みです。
もちろん市が主体となって各SNSにオフィシャルなアカウントを設け、積極的にイベント情報などを発信していますが、それに加えて応援団に任命された人々が、#ふるさとびばい などのハッシュタグをつけて美唄のプロモーションに参加するのです。美唄という町の露出が増え、知名度が上がることによって、住民の承認欲求が満たされてシビックプライドも醸成されていく。このようなポジティブスパイラルが回り始めればいいのですが、現在登録されている1500人ほどの団員の発信力は、私含めてまだまだだなと感じます・・・
応援団になると、美唄市内の登録飲食店等でサービスが受けられるようになるのですが、さすがにそのために美唄まで足を運ぶのも難しく、遠隔地に住む応援団でもモチベーションが維持できる恩恵が受けられると嬉しいので、制度が改良されることを願っています。
ふるさと美唄応援団は、どなたでも入団可能です。以下のリンクをご参考にどうぞ。

東川町のシティプロモーション

シティプロモーションについて調べていた際に同じ北海道の東川町の取り組みが目についたのでご紹介します。

ふるさと納税の体裁で寄付をしてもらい、町の株主になってもらおう、という制度です。ふるさと納税と同様に、金銭的に町の活動を応援できるとともに、株主優待(実際は返礼品扱い)として宿泊費の助成なども受けられるようになってます。美唄の制度よりも市外の人を念頭に置いた制度設計になっています。そして今も継続しているかがはっきりしないのですが、年に一度株主総会も行われていて、株主が資金拠出したプロジェクトの動向がしっかりと追跡できる仕組みもあったそうです。
美唄の場合は応援団への参加は無料、応援は個人の裁量で、インセンティブは美唄市内に来てくれたときのみ受けられる。SNSでの情報発信にいいね!が付けば若干の承認欲求は満たされますが、そもそもやりたいのは故郷の手助けだったはずなので、そこに貢献しているのかどうかが分からないというのは制度上モチベーションにつながりにくいのが難点です。
東川の場合は街づくり参加は有料、インセンティブは町への滞在助成と、街づくりに参加しているというプライド、投資したプロジェクトの報告。株主側からすればお金を払っているのですが、その投資に見合ったアウトプットを受け取っているのだと解釈できます。それが地域に貢献している、というシビックプライドと、自分の意志をプロジェクトに反映させているという自己肯定感。モチベーション3.0でいうところの内発的動機ですね。
片や知名度向上のための施策、片や資金調達のための施策、と目的が異なりますが、結果的に参加者の満足度が高く、町の財政にもプラスになっている東川町のやり方は理にかなっていると感じました。宿泊費だけでも助成されるのであれば、北海道に行ってみようかな?って気も起きますしね!

市外に住む個人としてできること

美唄が故郷ではあるものの、現在関東に住み、さすがに何度も訪れるのは厳しい状況の中で、それでも故郷のために何かできることはないか?
調べてみると、
・ふるさと納税する
・ふるさと美唄応援団に入り、SNS等で活動する
の2つが精一杯のようです。
小さい、、、、
ですが小さなことからコツコツと、積み上げていかなければ何も始まりません。ふるさと美唄応援団の一員として、noteでの情報発信を継続します!

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