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People Get Ready

ここ数年憧れだった人たちがどんどんこの世からさよならをしている。
10代の頃に聴いたり見たりした先人たち。

確かに70年代にはトップを走っていた方々を自分は00年前後に追いかけていたのだから,やはりそういう時期にさしかかったのは間違いない。
悲しいけれどこれが生きるということ。


先日Jeff Beckが逝去された。
朝起きて混乱した。2022年もあんなに元気だったではないか。
しかし昨日大丈夫だったから今日も大丈夫という保証は全くない。なんだってそうね。


Jeffをはじめて聴いたのは高校生だったと思う。

ある日家族で出かけた車内でEric Clapton特集をやっていて、そのときにCream時代の"Sunshine of your love"が流れた。
ギターリフのあまりのかっこよさに心も耳も震えた。
父はとても懐かしがっていた。すでに車内にはChange the worldの入ったベスト盤はあったが当時のベストだったのでClaptonがこんなにかっこよかったのかと驚いたのだった。
そこから私は60-70年代の音楽に足を踏み入れ出したのである。

そうするとJeffに行き着くのに時間はかからない。
Jimmy Pageとともに三大ギタリストと呼ばれているのはギター誌で知っていた。

TSUTAYAで"Blow by Blow"を借りた。
よく通ったどちらかのTSUTAYAなのだがそれは思い出せない。
Jimi Hendrixは絶対駅前。これは確実。


当時すごく音が良いと信じていたSHARPのCDデッキで再生すると小難しいギターインストが流れてきた。
かっこいい!と懸命に思ってはみたものの
"Cause We've Ended As Lovers"
"Scatterbrain"
くらいしか当時はあんまりピンと来なかった。
今思えば"Guitarshop""Who else"あたりを借りた方が当時の自分にはピンときたのかも知れない。

少し時は流れて上京した。

お金はなくても毎月ギターマガジン誌はしっかり買っていた。
そんな頃Jeffの特集が組まれた。
確か当時ネットショップでしか購入できなかった"Live Beck"の国内盤リリース記念だったのではないだろうか。
当時はJeffのライブ盤や映像が本当に貴重だった。
今でこそ色々リリースされているがその頃は
約30年越しでついに!
のようなギター界ではお祭り騒ぎ(だったんじゃないだろうか)。

私もそのライブ盤を手に入れ、聴いた。
まだ例のSHARPのデッキだ。

あまりの美しさと荒々しさに驚愕した。高校生の頃に聴いたBlow by Blowとは別人のようだった。

中でも"People Get Ready"は夢中になってコピーした。父とその音楽仲間の皆さんとも仙台で演奏した。懐かしい。
"A Day In The Life"はTHE BEATLESの名曲だがそれはカバーとしての究極の到達点のような気がした。

それからまたJeffの過去作を聴きなおし、その現在も追った。
東京国際フォーラムで念願の初ライブも体感した。正直あまりその日はJeffのプレイが冴えておらず実はあんまり記憶が鮮明ではないのだ。
ただしアンコールでなんの前触れもなく、後日リリースされることもなかった新曲を演奏したことは鮮明に覚えている。
あれはなんだったんだろうなぁ。

ちなみに専門学校時代私も彼に倣ってピックを置いた。学校の授業は基本全部指弾き。
その2年間が今に活きているかというと
活きているような、無いような。
ピック弾きが明らかにお下手になったのは間違いない。


そんな感じで私と同じように
彼のプレイは世界中のギター弾きの血となり肉となり。
きっとこの先もそうだろう。


"People Get Ready""A Day In The Life""Over the rainbow"
"Brush with the blues""Nadia"
crossroad fes.での"Cause We've Ended As Lovers"…
たくさんの思い出。
一生追いつけないなぁと思った。追いつく追いつかないの人ではない。


ありがとうJeff Beck。

大好きなLive Beckはサブスクにない。
次の世代が知らないのはかわいそうだけど、
それでも知りたい人はここまでおいで。

Jeffについて言葉にならなかった期間に
高橋幸宏氏も逝去された。
サディスティックミカバンドにどハマりしたタイミングの再結成
嬉しかったなぁ。
高校生でYMOを聴こうとした自分、えらいぞ。

ご冥福をお祈り申し上げます。


この1枚が人生をまた変えたのかも

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