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【開催報告】「最強★Ally道場〜日常生活にゴロゴロ転がる差別を倒そう!〜」(2023/12/8)

Ciao a tutti! みなさん、おはこんばんちは😘 学生スタッフのもちです! WASEDA LGBTQ+ ALLY WEEKS「最強★Ally道場〜日常生活にゴロゴロ転がる差別を倒せるようになろう!〜」の報告記事をお届け🎁

「LGBTQ+って言葉は知っているけど、具体的にどう力になれるかがわからないよ〜」
「授業でモヤっとする発言に出会ったけど、どう動けばいいのかわからなかった…」
「インクルーシブ(包括的)な言葉遣いや制度を、会話やサークル運営に取り入れたい!」
「LGBTQ+やアライについて一から学びたい」

そう感じたことのあるあなた!ぜひお読みください!
⚠️ここから先、「よくない例」として差別的なトピックを取り扱います。


(1)最強⭐️Ally道場とは!?

本イベントは「Allyたちが集まり、グループワークやロールプレイを通じて、日常に潜む差別への立ち向かい方を身につける」ことを目的とした、笑いあり寸劇ありの体験型ワークショップです!昨年度のこちらの二つのWSの意思を引き継ぎ、さらにパワーアップ!


本イベントは学生スタッフの「もち」と「けい」の2人がパワフルに企画!参加者(ありがとうございまふ…)はスタッフ含め25名でした〜!しかもいただいたアンケート結果によると、参加者の満足度は星5つ中5!頑張った甲斐があったね、けいさん!

なぜこのイベントを開催しようと思ったか

「◯◯の女/男」
「ここには男子/女子しかいないから」
「彼氏/彼女いるの?」

これらは、私が実際に受けたことのある言葉です。

「偏見なんてないよ!」と表明している人やLGBTQ+の当事者性が高い人でも、これらの言動を日常で行なっているという背景があります。
明確な悪気なく、無意識に行っているからこそ、問題点や他者の心に与えるダメージに気づけない。

その原因としては「周りにLGBTQ+などいない」という思い込みや、「実際にどんなことをすればいいのかわからない」という情報不足があげられます。

今回は、「今日からできること」を参加者に身につけてもらい、周囲の人々へひろげてもらうために、イベントを実施しました。

(2)イベントコンテンツ

①自己紹介&用語確認


スライドには、まずはウォーミングアップ 自己紹介&用語確認 事前にお配りした資料をご確認ください。 呼ばれたい名前 参加したきっかけ 好きな〇〇 、吹き出しの中に 知らない用語あった?わからなかったことは?、資料には載ってなかったけど この性のあり方聞いたことある!と書かれています。左上に10mins、右下に犬のイラストがある

 まずはウォーミングアップ!4-5人のグループに分かれ、
「呼ばれたい名前」「参加したきっかけ」「好きな〇〇」を共有し、これからのワークに向けて自己紹介!
 「SOGI」「アウティング」「 ジェンダーノンコンフォーミング」など、今回のイベントを進めるにあたって必要な重要用語リストを事前に配布。当日は「わからなかった単語」「リストにはないけど、聞いたことのある性のあり方」などを確認しました。

②事例検討

このワークでは、もちとけいが2つのシチュエーションの寸劇を上映。その後、この場面の「何が問題なのか」「どんなアクションを起こせるのか」などを考えてもらいました。

見出しにはCASE.1マイクロアグレッション 社会的に周縁化されているグループに対する、しばしば無意識の偏見や思い込みが言葉や制度に現れ、しばしば意図せず相手に傷や不利益を負わせてしまうこと と書かれている。左の枠内に もち=学生 性別表現 どちらかというと いわゆる女性的 性自認   非公表 小説を書きたくて この講義を受講 ドレスを着た人のイラスト、右側には けい=教授 魔法使いのイラスト、下には、状況 授業「文学論X」で、教授が「もやっとする発言」を 繰り返している..!考えること ①どの発言がなぜ問題なのか②あなたが〇〇の立場だったら、どう対応する?と書かれている
CASE①講義内のマイクロアグレッション
見出しにCASE.1何が問題?あくまでも一例です と書かれている。左上にプログレスプライドフラッグと差別に気づくと書かれている。吹き出しの中にそれぞれ そこの彼女!人間は誰しも恋に落ちるものです 特に女性は本能的に子孫繁栄のために、ハイスペック男性の気を引こうとします。そのために派手なメイクや露出度の高い服を着る傾向があります。とあり、それに対する吹き出しにそれぞれ、ジェンダー表現で勝手にきめんな!主語が大きい!ステレオタイプ強化すな と書かれています
CASE①スタッフが用意した回答例
見出しに 何ができる?と書かれている。四角枠の中に挙手して指摘する、TAとして教授に意見する、リアクションペーパーに書く、保護者として所属教育機関の事務所に通報、もちのメンタルケアをする、個別相談を利用する と書かれいる。魔法使いとオウムのイラスタとがある。
CASE①スタッフが用意した回答例
見出しにCASE.2 カミングアウト アウティング inサークル活動と書かれている。左の四角枠に もち 後輩 性別表現いわゆる男性的 性自認女性 「男子部屋」に割り振られていたと書かれている。髭の生えた人のドットイラストがある。右の枠内に けい あなた(先輩)合宿の幹事「LGBTQ+」の言葉は知っているが、"周りにいない"と思っている。と書かれている。魔法使いのドットイラストがある。下の枠内に 状況 あなたはサークル合宿の幹事です。 メンバーの一人からジェンダーについてのカミングアウトがあり、 部屋割りやお風呂トイレについて個室を利用したいという相談を 受けました。 考えること ①相談された後の情報共有で気をつけるべき点は? ②同じ事態を引き起こさないためには? ③サークル活動で、Allyとして何ができるだろうか? と書かれている
CASE②カミングアウト・アウティング inサークル活動
見出し CASE.2 と書かれている①情報共有で 気をつけるべき点は? カミングアウトの内容を どの範囲にまで伝えてもいいか 確認する。無断で言わない!!! (幹部、合宿所の担当者etc...)と書かれている。右側に②同じ事態を 引き起こさないためには 各自で部屋割りを決めてもらう個室・個室バストイレを利用したい人が いないか、積極的に問う。ジェンダー&セクシュアリティに関係なく 必要としている人はいる。と書かれている
CASE②スタッフが用意した回答例
⓷ALLYとしてサークル活動で 何ができるだろうか? その下に 全種のトイレを案内 「ちゃん/くん」で分けない。 「そこの男子/女子」という言葉を避ける 個室更衣室のあらかじめ存在を伝える 普段から相談しやすい姿勢を示す。  ex.「🏳️‍🌈」の絵文字をプロフに書く   レインボーグッズ と書かれている。新歓に役立つねと言っている魔法使いのイラストとオウムのイラストがある
CASE②スタッフが用意した回答例


各グループから出た意見の中には、私たちが思いつかなかったようなアイデアや視点がたくさんあり、勉強になりました!
「トイレの場所を聞かれた際に、全ての種類を案内する」など、今日から使えるTipsが盛りだくさん!ぜひ活用してみてください❤️

③性の多様性の理解〜ジェンダーユニコーン&おもち危機一髪(!?)〜

これまでに学習したことに対する理解と汎用性を深めるために、性を構成する要素について復習しました。過去イベントでもお馴染み、ジェンダーユニコーンが登場。早稲田大学には至る所にこのポスターが貼られております!

ジェンダーユニコーン

ジェンダーユニコーンは、性のあり方には複数の要素が含まれていることを示してくれる図のことです。図には5つの要素があり、それぞれ自認するジェンダー(性自認、ジェンダー・アイデンティティ)、見た目で表すジェンダー(性別表現、ジェンダー・エクスプレッション)、生まれたときに割り当てられた性別身体的・性的に惹かれる対象(性的指向)、恋愛的に惹かれる対象(恋愛的対象)となっています。

さらに、事例検討やロールプレイの学習効果に現実性を持たせるために、もちの「性」を構成する要素今までに出会った「もやもや」について語りました。詳細をnoteに記載するのは恥ずぴーので、気になる人は私の勤務時間にGSセンターへカモン😚(シフト表はこちら)

④ロールプレイ

ロールプレイとは、現実に起こり得る場面を舞台に、複数の人が役を演じ、その体験を通してある事柄が実際に起こったときに備えてスキルを磨き、適切に対応できるようにする学習方法です
前半で得た知識やTipsを実践的にアウトプットするために、2つのシチュエーションを用意。
この状況でどうやって対応するのかを話し合ってもらい、その場面を実演してもらいました。

ミッション①「ハラスメントを止めろ!」

MISSION ハラスメントを止めろ!と見出しに書かれている。右側に時期 11月の文化祭に向けて動き出す    8月頃 場所 居酒屋 備考 先輩ネコはサークルの幹部で次回の公演の演出を担当。キャスティングの権限も持っています。下に状況 ミュージカルサークル新人公演の打ち上げにて  先輩ネコが、(異)性愛者であるという前提でハムさんの 恋人の有無や性経験を聞き出そうとし、「童貞いじり」をしています。と書かれています。左側に ひよこ、うし、お前って彼女おるん?と発言するねこ、困っているハムスターのイラストがある
状況/設定
MISSION ハラスメントを止めろ!と見出しに書かれている。右側に ・ネコはできるだけハラスメントを      続けてください  ・介入者はハラスメント返しは禁止 ・その他の役は配布された資料にしたがってください ・時間内に介入が成功しなくてもOK 話し合い4分.上映3分(最大) 下側に考えること ①配役 ②ネコのハラスメントを止めるために、どのような アクションが 起こせるだろう ポイント 先輩ネコとハムの力関係 と書かれている。
状況補足/考えてもらうこと

ミッション②アウティングを阻止せよ!


見出しにアウティングを阻止せよ!と書かれている。右側に時期 クリスマス前の12月 場所 ファミレス 備考 サークル規模は50人ほどで、 情報が拡散される危険性がある。下に、状況 サークル後にご飯を食べている 先日、ウシさんが、ハムさんとネコさんに対して「恋愛対象が自身と同性である」とカミングアウトをしました。 後日、ハムさんとネコさんが別のメンバーと恋バナをしている最中、ネコさんが ウシさんの恋愛的指向についてアウティングをしようとしています。と書かれている。左には、実は、私の恋愛対象って..と発言するうし、ハムスター、ねこと書かれている。後日と書かれた矢印の右に、「この前ウシが話してたんだけど」と発言するねこ、不在のうし、犬、ハムスター、ひよこ のイラストがある
状況/設定
右側に 状況補足 ・ネコはアウティングの危険性を知らない ・介入者はハラスメント返しは禁止 ・その他の役は配布された資料にしたがってください ・時間内にミッションが成功しなくてもOK 所要時間 話し合い4分/実演3分(最大)、下に、考えること ①配役 ②それぞれの立場でどのようにアウティングを阻止しますか?またネコに伝えるべき言葉は一体どのようなものなのでしょうかと書かれている。
状況補足/考えること

現実の状況に際して力関係や立場に汎用性を持たせるために、各グループには異なる配役表を配布しました。

飲み物をわざとこぼして、ハラッサーを移動させ、物理的な距離を取る。「店員」と協力して差別的な会話を遮る。etc…各チームユニークな介入方法と物語の展開を披露していただきました。

話し合いは4分という短時間。ほぼ即興だからこそ、前半で学んだことを臨機応変に実践することができました。

(3)さいごに

参加者の声

他大学の職員です。学生の方とお話でき、刺激をもらいました。教職員向けの研修だと、「学生からカミングアウトされたら?」、「学生が悩んでいたら?」という当事者の内的な悩みにフォーカスした問いになりがちなのですが、今回設定していただいたテーマには、「マジョリティの姿勢や差別する側に問題がある」という、当たり前なのになぜか社会から見逃されがちな指摘がしっかりと感じられました。また、事例検討やロールプレイの中で差別する側の台詞を聞いて、学生たちはいつもよく人々の言動や振る舞いをを見て聞いて、覚えていて、疑問に感じたり問題意識を持ったりしているのだということを理解しました。「今の時代」、ジェンダーやセクシュアリティをめぐる差別への対抗は、反対する教職員は実は少ないのですが、マジョリティ中心の組織の中でプライオリティは低いと感じています。皆さんに背中を押してもらって、また明日からちょっとでも世の中をマシにできるよう悪あがきしたいと思いました。

早稲田にこんなにALLYがいると知れて嬉しく、心強かったです!サークルや居酒屋でのシチュエーションなど本当に身に覚えのあるものばかりで凄く勉強になりました。

普段はあまり気付かないことに気づけてよかったと思います。特にアウティングについては、私たちアライとしても、逆に当事者のことを特別視する必要はないと思って簡単に言ってしまうことがあるけれど、プライベートな部分としてきちんと尊重し認識しなければならないと気付きました。
あとみんなの演技にびっくりして、本当に素晴らしかったです……!

学スタ後記

もち

社会を変えるためには、「大勢の前でスピーチをする」「政治家になる」など、労力と資金と勇気の伴う行動が必要だと考えがちかもしれません。けれど、ちょっとした言葉遣いを変えるだけで、救われる人はたくさんいます。そして、それが広がっていけば、この世の中はどんどん良い方向に進んでいきます。
 開始25分前に印刷物準備が完了したり、直前にスライド修正が入ったり、さまざまなハプニングを乗り越えました✌️😘参加者の方の感想を読んで、学生スタッフとして初のイベントに、このAlly道場を作り上げることができて本当によかったと思います。けいさん、協力してくださった職員、参加者のみなさん、ワークショップ構成の際、知見を共有いただいた「シャベル」の方々、本当にありがとうございました!

けい

けいさんの感想は近日公開予定の「第7回Queering Waseda」に収録されてます!(by もち)