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授業の様子㉔:グローバルスタディーズ学科

2023年の「グローバル・ビジネス論」(南了太担当)は、グローバルスタディーズ学科17名と人文学科3名の計20名が受講しました。男性11名、女性9名とジェンダーバランスの取れた構成となりました。昨年度は6名の受講だったので約3倍近くに増えたことになります。また、昨年度は人文学科の学生の受講はなかったので、その点でも変化がありました。

本授業は、グローバルスタディーズ学科で学ぶ専門科目です。「グローカルな視点からグローバルを学ぶ」をテーマに、海外諸国で起きている現象をビジネス面から捉えることを目的としています。

全員が2年生の中で、グローバル・ビジネスについて想像することは難しいものです。さらにカタカナ用語の多い経営学の研究領域はとっつきにくいものです。その一方で、アルバイトをしている受講生は多く、ビジネスは身近な現象であることを強調しました。また、現在では18歳人口の2人に1人が大学生で、大学生は何ら特権的な立場にないこと。時給1,000円の仕事もあれば、世界レベルのコンサルタントの仕事は時給80,000円まで様々であり、時給の高い仕事は情報や知恵が中心になっているという事実。この30年間で日本の競争力は1位(1989年)から25位(2018年)へと大きく下降したことや平均賃金に変化がないこと。「人はパンのみにて生くる者に非ず」と言いますが、急激な社会変化の中では先ずはしっかりとパンを食べる環境を設計することが重要な点等を伝えました。早いうちからキャリア意識を醸成し、身近にビジネスを考えることは必要不可欠で、そこに経営学を学ぶ意義があると考えます。また、グローバルを意識するために、マクドナルドやスターバックスなど身近にある海外から来た商品やサービスを具体的な例として取り上げて学習し、経営学に対して毛嫌いしないように授業をしました。

昼食後の3講時は眠くなることも多いことから、講義以外にワークショップを積極的に取り入れることで授業を展開しました。毎回4班に分け、都度メンバーを代え、ファシリテータや書記、発表者を決め、15回の授業でそれぞれ3回は当番が回るように設計をしました。その結果、当初は不慣れだったワークショップも各班で切り盛りできるようになりました。本経験は今後、就職活動の際のグループ面接や仕事の場面でのアイディア出しの場面でも役に立つことが期待されます。

教科書は『1からのグローバル・マーケティング』小田部正明・栗木契・太田一樹(2017年、碩学舎)を活用し、グローバル・マーケティング、文化環境、市場調査、市場規模推定、セグメンテーション、市場参入戦略、製品戦略、ブランド戦略、価格戦略、グローバル・コミュニケーション、グローバル営業戦略など様々な角度から講義をしました。

最終の授業の中で、本授業で参考になったキーワードを5つ尋ねたところ、セグメンテーション、イノベーション、マーケティング、消費者ニーズ、外資系企業、独自製品、ビジネスコスト、SWOT分析(Strength・Weakness・Opportunity・Threatの頭文字)、4P分析(Product・Price・Place・Promotionの頭文字)、標準化、適応化、水道哲学、ドラッカー、文化=非合理・特殊的/文明=合理的・普遍的、CAGE分析(Cultural・Administrative・Geographical・Economicalの頭文字)、マネジメント、ダイバシティ経営、マズローの欲求5段階説、競争分析、トレードオフ、グローバルブランド、コカ・コーラシステム、新結合等のキーワードが挙がりました。

本授業は覚えることに主眼を置いたものではなく、考えることに主眼を置いています。それゆえ、各自にとって参考になったキーワード多様で、その多様性こそが本授業の特徴だと言えます。おそらく社会人になった際に一度は聞いたことがあろう用語を授業中には散りばめたつもりです。自身が今後、就職し、自身の会社を客観的に分析する機会があった際に授業で習った用語を思い出してもらえれば嬉しいばかりです。

2023年6月5日 
南 了太(グローバルスタディーズ学科教員)

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