Das Ende des Traums

小学生の頃、周りのみんながゲラゲラ笑ってくれることが楽しくてふざけてた。

人を笑わせる仕事に就きたかった。

人生で一瞬でも、それらしい形になっていなくても漫才師もどきであれたことは幸せだったと思う。

才能と運と人格等など、様々な要素に恵まれた人間のそのまたひと握りが売れていく。売れたとて、何があるかわからない。

私はスタート地点から、ノミのようなスピードで地を這って楽しそうにゴールに走っていく皆を見ていく立場だった。所謂、アニメに登場する「名もない兵士A」のような。

決して主要キャラクターにはなれない、そんな存在。そこでいくら叫ぼうが喚こうが、フキダシは付かないのである。

あのページの一コマに一瞬写った、モブ。

誰も覚えてはくれない、目に入ったとしても忘れ去られる。

唯一、自分の意思で進んだ夢の、早すぎる終着点。

藻掻くよりも、静かに散っていこうと思う。

今までもごまんと居たであろう、世に名も知られぬ漫才師として。全国の夢敗れた芸人(漫才師)の墓標があるなら、サンパチマイクにして欲しい。乱立するのだろうな。

この諦めと虚無感とえも知れぬ寂しさはなんという感情なのだろうか。


明日はどう生きよう。



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