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ブラシの話(後編)

先日のブログの続きになります

ブラシの話(前編)|GR ski life @GRskilife #note https://note.com/grski/n/n8f4b7476f344

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 さてさて、金属ブラシのことを色々お伝えしましたが後編はナイロンブラシと馬毛ブラシの紹介です。

ナイロンブラシ

 ナイロンブラシはもっとも知られたチューンナップ用具の一つでしょう。どこでも売ってます値段も手頃。お世話になっている方も多いでしょう。
 ナイロンブラシは滑走面を傷つけずにワックスを除去できるのでワクシング作業では欠かせないブラシです。この滑走面を傷つけないと言うのがポイントで、金属ブラシとの違いはこの点にあります。

 ワックスは表面のごくごく薄い上面に浸透して効果が発揮されます。したがってブラシによって僅かでも削れてしまうとその浸透面をも削ってしまうので意味が無くなるのです。

 またボアブラシ。ボアブラシはナイロンブラシよりも毛先が鋭いので、ストラクチャーと言う滑走面の溝の奥までゴミや汚れをかきだせる特徴があります。しかしかき出し能力が高すぎるので滑走面の表面に付着して効果が発揮されるワックス添加剤をかき出してしまうなどの懸念があるので、ワクシング作業でもクリーニングやベースワックスという最初の段階以外での使用はあまり勧めません。それにワックスの除去よりもゴミの除去という意味で使われるものなので私は金属ブラシと同じ扱いで考えています。

 さてナイロンブラシに戻って。ナイロンブラシは毛の堅いものと柔らかいものの二つがあります。見た目の違いはメーカーごとにまちまちなので確認して使っていただきたいのですが、この毛の硬さの違いはワックスの硬さの違いに関係があります。柔らかいワックスは柔らかいブラシで、硬いワックスは硬いブラシと使い分けると作業が楽になります。硬いワックスが重要なスキーボードでは硬いブラシはあると便利かもしれませんね。
 柔らかいワックスやペーストワックス、リキッドワックスは柔らかいブラシの方が良いでしょう。もともと柔らかいブラシの方が使いやすいので、慣れてない方は柔らかいブラシを選ぶと良いでしょう。
※低価格のナイロンブラシは硬いか柔らかいかはっきりしてないことが多いです

 補足としてお伝えすると、硬いブラシは毛が太い事が多くて少し使いにくいです。必ずしも必要なブラシでもないので無理に揃える必要は無いです。少し高いものなら硬めで太くない毛のものなどありますが、多少使い慣れないと見分けはつかないかもしれません。

 それとナイロンブラシには黒い毛でカーボンが入っているブラシがあります。

 このブラシは静電気を帯電させにくいので本格的にやるならあると便利です。普通のナイロンブラシで滑走面を擦ると滑走面に静電気がたまってゴミなどを吸着させてしまいます。カーボンブラシはこの静電気が溜まるのを低減させてくれるので、競技などやっている方はあると便利です。

馬毛ブラシ

 馬毛のブラシは仕上げ作業で使われるブラシで結構高いです。

 馬毛ブラシの最大の効果はカーボンブラシで話の出た滑走面の静電気の除去です。滑走性を極限まで高める為には静電気は邪魔なものなので、その除去を行いこの上にスタートワックスやパウダーを、とやるのが競技スキーの仕上げの世界です。
 もちろんナイロンブラシでかき出せきれないワックスの除去も見逃せない効果です。ボアブラシと同じように毛先が鋭く、しかしボアブラシほど滑走面を強く削るような効果が無いので、静電気の除去を意識しなくとも仕上げに使っていた方も多いでしょう。馬毛で仕上げるとピカピカになりますからね。
 このピカピカになるのもワックスの除去だけでなくて、静電気で付着していた細かいホコリが除去されている効果のものなんですよ。

 …そろそろ気付いた方もいるはず。そうなんです。競技スキーでもやらない限り、馬毛ブラシは無くても構わないものなのです。ですがピッカピカに仕上げた板で滑るのは気持ちが良いもの。そんな気持ちよさを求めて道具にこだわるのも良いことだと思います。

つまりブラシって

 ディープにスキーやスキーボードを楽しむ方ほど使い分けてメンテナンスするのがブラシの世界。初歩的にはナイロンブラシで、次に金属ブラシなど揃えて、そして道具にこだわっていくのがこの世界だと思います。私もこれまでいくつものブラシを買って、使い勝手の良い今のブラシたちにたどり着いています。
 そしてプロユースで使うのに一応コレもご紹介しておきます。

 これはロタブラシ。ブラッシング作業を物凄く楽にしてくれます。何本もの板を何度もブラッシングするプロには必須のブログです。

 ただし高い。一通り揃えると普通にスキーボードがもう一台買えます。それとドリルが必要ですが、ドリル選びを間違えると滑走面を溶かしてしまう事もあるので安易にお勧めしませんが、もし使うならドリル回転数は100回転程度の、ホームセンターで売っている最も安いもので十分です。
 ロタは使うなら必ず経験者に相談してからが良いですよ。

 最後に質問があったのでここでお答えします。ブラシの毛の長さについて違いを訊ねられたのですが、ブラシの毛は短い方がしっかり効果を発揮できます。しかし短いと力加減が難しくなるので、長い方が慣れてない方は使いやすく感じられると思います。
 また使い方としてほうきで掃くような使い方だと長い方が、デッキブラシで擦るように使う方は短い方が使い易いでしょう。私はデッキブラシ派なので短い方が好みです。※デッキブラシと言っても前後に擦ることはしませんので誤解のないように…

 別の話題でブラシの使い方もお伝えすべきですかね?これはさすがに動画の出番ですかね?

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