初めて

 先週末、釣りに行きました。初めて舟に乗って本格的な釣りです。

 恥ずかしながら私は泳げません。それどころか水に強い恐怖感があって、顔が濡れるのすら怖く感じることもあります。なので今まで水には極力近付かないような人生を過ごしていました。

 しかしきっかけがあり、たまたま友人が釣りを楽しんでいたのでお願いして教えて貰うことになりました。

 当日、と言うか前日の夜。夕方のうちに着替えや道具を準備して早くに就寝…のはずが寝れず…昔からこう言うときは寝れない性分で、水の不安と舟の不安もあって、目をつぶっているのが精一杯でした。

 友人が家に来て早速出発。二時間も走ると都会の景色、そこに海が見えると言う景色ではない所に到着しました。現地でもう一人の初めて釣りをやる友人と合流し、いよいよと支度して桟橋に向かうと、え?こんなとこ?と言うような所にたくさんの舟が並んでいました。

 見上げれば首都高速、左右にはビルやコンクリートの建物。狭い運河は浮き橋で足元も不安。水はお世辞にもきれいでなく、触れたくないとまで思う不安さがありました。

 舟に乗ると運河を走り海へ。まずはスズキを狙ってのジギングとのことで、沖に出るとの事でした。

 めっちゃ揺れます。台風の影響が少なからずあり波も高め。いざ始まると…立てません。水の恐怖感で立てないのです。

 それでも根性で膝立ちでもと立って竿を何度も振っていると徐々に慣れて気がつけば水の恐怖心が薄れて竿を振ることに集中していました。そうして何度も振った手元に経験のない手応えが!無我夢中でリールを巻いて引き揚げると、40cmくらいのスズキが釣れました!

 友達も皆スズキを釣った後に、本日のメインイベントのアジ釣りに。沖から湾内に戻ると波も速いものの落ち着いて、ずっと楽にリラックスして釣りを楽しむ事ができるようになっていました。釣果はまあ渋かったとの事ですが、私にとっては満足のいくものでした。

 その帰り。けたたましいエンジン音も耳になれてふと気がつくと、仕事や遊びで何度も訪れていた横浜が全く違う景色に見えました。古い倉庫や石橋、行き交う舟やふ頭の大型クレーンが、陸から見るものと違って見えました。

 陸に上がり不安に思った運河を見ると、その先には見るだけだったはずの海がある。今後もしドライブに出たとき、今までは見るだけだった海で「釣りをしてみようかな?」って思える楽しさが感じられるようになった。

 世界が変わった事を感じました。釣りを経験して、海が楽しめるフィールドに感じられるようになったのです。

 その一歩は正直怖かったけど、価値のある一歩でした。今後スキーボードの世界に初めて一歩を進む方がいたとき、その時にこうして感じたような世界の広がりを感じて貰えるように、いろんなものを伝えられたらと思います。スキーの世界のプロとして、いつまでもアマチュアの気持ちを忘れず楽しみたいと思います。

 ああ、滑りたいなぁ。

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