ビンディングの調整がちゃんとできていないとどうなるか?【動画】

 先日の撮影で、ビンディングの調整が不良な場合の滑走動画を撮影したのでご紹介します!

 この動画では普通に滑れちゃっているように見えますが、実は前圧という、皆さんがあまり知らない調整を怠っている場合の実例をお見せしています。ビンディングの調整というと解放値、外れやすさの数値が一般的で皆さんもご存知と思いますが、この「前圧」は実に知られていません。

 実際にこの板の解放値は「8」で、時速80kmくらいでガンガン滑っても安心して滑れるくらいの強度で調整されていますが、前圧についてのみゆるゆるになっています。その結果がこの動画、普通に滑れているように見えて、実に怖いですね。

 解放値が適切でないと外れやすかったり外れなかったりします。しかしその作動は「前圧」の調整が適切にできているのが前提で、その上で体格やスキーレベル、用途に合わせて解放値が調整され、万が一の時の怪我を最大限緩和させてくれます。

 しかしこの前圧調整は、一般ではほとんど知られていませんし、調整方法も知らない人がほとんど。調整方法もビンディングの種類や仕様によって異なり、基本的には認定技術者の調整を受けなければならないものです。認定を受けている私のような技術者は、毎年更新される認定講義を受け、理解して調整しています。こういう部分もあって一般ではあまり認知されていません。

 では、自分で調整するには?ということになりますが、可能な限り認定技術者の調整を受けてください。自分で行う場合は自己責任で、購入店などにきちんと確認して行なってください。とくにシチュエーションでビンディングのセット位置を変更することが多いスキーボードでは、怠ることなくこの前圧調整を理解しておくことが、事故や怪我を回避する大事なことになります。

 にしてもこんなに簡単に外れる状態なのに、割と普通に滑ってグラトリなんかもできてしまっていますね。滑れているからと安心せず、皆さんもたまには調整が不全でないか確認をしてくださいね!

 それと今回は解放式の方でご案内していますが、この履けていても外れる問題は調整ができていない固定式でも普通に起こります。外れないのが前提の固定式で外れるのはとても怖いことなので、固定式でも十分な調整と確認、そしてリューシュコードをお忘れ無く!!

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