【文字だけで解説する】スピンの解説

 文章だけでスキーボードトリックを解説してみる第一回はスピンです。世の中には文章化した方が理解しやすい方も居られるのでせっかくのブログと言う媒体なのでチャレンジしてみようと思います。

スピンとは?

 スキーボードの代表的な技、トリックの一つで、滑走しながらクルッと一回転以上回るトリックです。他のスキーなどに比べてやりやすく、見た目も派手なので多くの人が得意としているトリックでしょうし、先ず目標になるトリックでもあります。

 このスピンは技と言う部分だけでなく、基本的な板さばきを習得するのにも有用で、私は5つの基本技の一つに位置付けています。上級者ともなれば片足のみで回るワンフットスピン(ソロスピン)や、回転速度に緩急を付けたスピンコンビネーションなど多彩なバリエーションが存在し、知れば知るほど奥深い技でもあります。

スピンのやり方

 スピンには二つの回り方があります。スライドから行うスライドスピンと、回転力を先に作って勢いで回すツイストスピンです。習得難度としてはスライドスピンのほうが簡単で、ツイストスピンはややハードルが高いトリックになります。

 スライドスピンは板を揃えたままずらす事で回転力を作り、そのまま回転します。どちらでも良いのでターンしないように板をずらしていくと回転が起こります。板を揃えて止まるブレーキに導入は似ています。
 この時、まず滑っている状態でないとスライドが始まらないので回りません。また、極端に遅いスピードでも難しくなります。案外このスピードが、スピン出来ない初心者の最初の壁になります。
 この場合、足を揃えたまま止まれる練習を先に繰り返して下さい。この練習自体がスライドの練習にもなりますし、滑りの安定化にも役立ちます。
 もしこの足をそろえてとまれない!と言う方は、ハの字でどちらかの足だけで止まる練習をしてみて下さい。慣れてきたらブレーキする前に一度板を進行方向に平行に揃え、再びハの字に開きながら片足のみで止まる練習をします。最終的にそろえた後足を開く動作にブレーキをしない足を添えるようにすると徐々に開かずともブレーキが出来てきます。ポイントは足を一度揃える事で、この動きはスピンでも重要な動きになります。

 足を揃えて止まれるようになったら実はもうほとんど出来ています。

 踏ん張らない

 足をそろえて止まれるようになった、もしくは止まれるとして解説を続けます。

 今までのようにまず止まる動きをします。そして止まろうとするときに目だけで良いので後ろを振り返ってみます。するととまるときは90度横向きに止まっていたと思いますが、それ以上回転するような感じになったはずです。危ないと思ったら足を左右に開いて踏ん張ると止まります。うまく行けば半回転してしまうと思います。

 この動きはトリックでもあるスイッチの導入的な動きになりますが、無事半回転したでしょうか?これを何度も繰り返して自分の意志で半回転出来るようになるまで続けます。コツを掴めばそんなに難しくなく、コツは踏ん張らない、それだけです。動き始めた板に踏ん張らないようにするだけで、半回転は無理なく回ります。

 この時に一度足を揃えてから、と言う動きが大事になります。出来ない人のほとんどがハの字(プルークスタンス)のまま回ろうとしているからです。

 プルークスタンスはスキーでも最も安定する形で、容易に踏ん張れます。踏ん張ることでバランスを維持したり、ターンにつなげたり出来ます。
 しかしスピンで一番の敵はこの踏ん張る、と言うことで、踏ん張りやすいプルークスタンスそのままではうまく回ることが出来ません。
 実はスピンが出来てしまえば、プルークスタンスからそのまま足を揃えようとする動きだけでスピンする事ができます。が、プルークスタンスのままでスピンするのはやってみるとかなり難しいと感じます。

 これが出来ない方のスピンの壁なのです。

残り半回転

 半回転が確実についてなれば、動き始めた時に下を見ないようにします。動きに慣れてくると最初に目線で回転を作ったことを忘れます。もう一度それを思い出しましょう。
 ブレーキの時に後ろを振り返り半回転、の半回転が終わる前にそのままの回転方向で再び後ろを振り返ります。180度+180度のイメージです。半回転よりも少しでも回ることが出来ればもう少し、多くの場合は270度位で止まります。

 これも更に続けます。270度で止まる前に残り90度を向く。大事なのは踏ん張らない、目線は下でなく前を意識します。

 どうです?何かの拍子に一回転しませんでした?

 もし一回転出来れば、今は10回のうち1回成功すればオッケーです。次は10回に二回、三回と成功する回数をふやしていけば、いずれいつでも回れるようになります。そして一回転する時に再び振り返れば二回転目が始まるでしょう。

 ここでポイントとして回転に手を付ける場合、これは初歩的には意識しない方が出来ます。慣れてきたら手を開き、目線に合わせて手を回すと回転出来ますが、これはこれまでのスライドスピンではなく、自分から回転力を作って回るツイストスピンの導入になるのです。ツイストスピンは確実なスライドスピンが出来るようになった後に習得したほうが結果色々できるようになるので、初歩的には意識しないで出来るようになる事を目指してみて下さい。

手で回す

 このツイストスピン、上級スピントリックでは重要なトリックです。コレが出来ないからスピンで片足になったり、スイッチの切り替えからのルーティーンでクイックに回したりが出来ません。ジャンプして回すグランド360もツイストスピンが必須です。

 ツイストスピンは先ほど触れたようにスライドスピンができている事が前提で手を付けます。そして手をつかっても回せるようになったら、ブレーキのタイミングではなく手だけで半回転からやってみます。すると驚くほど素早く回転したと思います。コレを一回転と思って振り回せば思いの外簡単にツイストスピンはできてしまいます。

 ただし踏ん張り癖が残っていたり、振り返る目線の動きが習得出来ていないと出来ません。さらに言うとスライドスピンはプルークスタンスでは出来ませんが、ツイストスピンはプルークスタンスからでないと出来ません。慣れてくればプルークスタンスでなくとも回りますが、導入としてはプルークスタンスからでないと手が振り回せないのです。実際のところ、プルークスタンスから一度足を揃える動き、ニュートラルポジションへの移行が省略されているだけなのですが、こうした違いに意識出来るとこのスライドスピンとツイストスピンを区別してトリックのバリエーションとして生かせるようになります。

バリエーションの作り方

 バリエーションの作り方として例えば回転の軸を足元ではなく板の前側にするとバターと言う動きに繋がります。また回転するときにジャンプしてみればジャンプスイッチ(グラウンド180)やジャンプスピンに、後ろ向きから回せばスイッチtoスピン、と言うように色々増えていきます。大事なのはスピンの安定感で、色んなスピード、回転速度、斜度などで自由にスピンが引き出せれば、トリックのすそ野は驚くほど広がり出来ることも増えます。

 バリエーションの作り方は基本から少し崩してみる。そんな入り口が今の多彩なスキーボードのトリックを生み出したのです。

 とまあこんな感じで文章のみで解説してみました。どうでしょう?わかりやすかったでしょうか?
 せっかくなのでこの一連は動画にもしてみようと思います。ただ動画は先に作る動画が完成した後になりますので、気長に気長にお待ち頂ければ…

 では次回があれば次はスライドを解説してみます。

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