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夢から醒めた朝の日記 2020/8/14

「返却期間は2週間後です。」とカウンターの女性に言われ、私は夢の所蔵庫を後にした。

いくつもの夢を抱き抱えて、夕焼けの空に溶けてゆく。私が夢を借り続ける理由は、正直自分でもよくわからない。でもあの日、右手の親指と人差し指で小さな輪っかを作ってそこから天井を見つめた時、この世界にはいくつもの層があると知ってしまった。その時からきっと、何かを探し求めていた。

今日は「小人たちの魔法」という夢を見る。昔から小人たちがすきで唯一の友達だった時もあったから、少し懐かしく感じて会いたくなった。彼/彼女らのひたむきさと愛するものへの純粋さは、この世界の何よりも信じられた。小人たちは言語を持たず、仕草や表情、波長を使う。いわゆる人間界での意思疎通が苦手だった私は、小人たちに出会ってやっと初めて分かり合える存在に出会えた気がした。

夢に入ると、小人たちは列をなしてただひたすら土に埋まっている水晶のかけらを取り出して集めていた。それから集めた水晶を中心に置き、手を繋いで円になって歌を歌うみたいに、同じ方向に揺れ動いてその円の内側の空間をねじ曲げはじめる。揺れ動く空間は光でも闇でもなく、光と闇そのものだった。水晶はゆっくりと揺れ、泡のように漂い形を変えた。ゆっくりと、小人たちの動きが止まり、手を合わせ、宙に浮かんだ水晶を近くの今にも枯れそうな木の根元へ浸透させた。そして小人たちはまた何事もなかったかのようにまた再び歩きはじめた。

辺りはまだ静かで、薄紫の世界で覆われた早朝。目が覚めた私は、ベランダの枯れてしまいそうな花に気がついた。

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